試合を観ながら、レポートポイントをどこに絞り込もうか、ちょっと迷っていました。まさにイタリアのツボといった、ねばり強い守備をベースにした蜂の一刺し?? それとも、組織プレーと個人勝負プレーがハイレベルにバランスしたアルゼンチン??
まあ結論からすれば、やっぱりアルゼンチンの、組織プレーと個人勝負プレーが高質にバランスし、美しさと勝負強さを兼ね備える理想型に近いサッカーに注目せざるを得ないわけだけれど、イタリアが魅せた、立ち上がりの「イタリアのツボ攻撃」や、リードされてからの粘りのペースアップも捨て難い。
イタリアは、準々決勝のマリ戦でも、相手にゲームを支配されながらも、勝負所をしっかりと結果につなげてしまいましたからネ。この試合でも、最初の時間帯では、例によっての堅牢な守備をベースにした蜂の一刺し攻撃が存在感を発揮したし(ココゾ!のカウンターチャンスに仕掛けるボールがないところの全力ダッシュに彼らの高質な仕掛けイメージが凝縮されている!)、リードされてからは、全体的に押し上げることで、より高い位置でのボール奪取をねばり強く狙いつづけ、そこから勝負所イメージの明確なシェアを基盤に人数をかけた最終勝負を仕掛けられていました。最後の最後まで「もしかすると・・」という雰囲気を盛り上げつづけたイタリアに、心からの拍手をおくっていた湯浅でした。
そんなことを書いているうちに、アルゼンチンが、カウンターから二点、三点と加点してしまって・・。お株を奪われてしまったイタリア?!・・でも、まあ、現代サッカーでは、どのチームにとってもカウンター攻撃はもっとも有効な仕掛けの一つだから・・要は、それを最初のゲーム戦術として採用するかどうかという微妙な違いだけ・・試合がはじまってしまえば、その流れでどんどんとチームの戦術が変容していく!・・今大会では、監督がジェンティーレということもあって(?!)かなり守備的なゲームを展開していたイタリア(イタリアのツボが冴えわたる!)だったけれど、リードされてしまったら、それに対応できない・・自分たち主体で攻め上がるという状況では、どうしても前後のバランスが整わなくなってしまう・・やはりこのチームには、危急マネージメントをギリギリのところで実行できるだけのキャパが備わっていなかったということか・・だからこそジェンティーレも「イタリアのツボ戦術」に徹した?!・・でもネ、ボールがないところでの「カテナチオ・マーキング」も含め、その主体的な「忠実&クリエイティブ&部分ダーティー&ダイナミック」な守備は見所満点でしたよ・・私は存分に楽しめた・・フムフム・・。
それにしてもアルゼンチンは、「自分たちのサッカー」で見事な勝利を収めましたね。いまパラグアイ対イラクを観ているのですが、(パラグアイとは)実力に開きがある。まあ今大会は、アルゼンチンが論理的な優勝を遂げて欲しいと願っている湯浅なのです。