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U19日本代表・・ツーロンU21国際大会スウェーデン戦でも、攻守にわたって発展していることを体感させてくれた若武者たち・・(スウェーデン対日本、1-1)・・(2004年6月4日、金曜日)

惜しかったですね・・勝ち切れると思ったのに・・。全体を通じて、高さという武器を活用したいスウェーデンにセットプレーチャンスを与えないために、(特にサイドゾーンで)なるべくファールをしないように注意深くプレーしていたのですが、結局そこからのセットプレーによって同点ゴールをたたき込まれてしまって・・。

 全体としては、攻守にわたる高質な組織プレーなど、発展していることを明確に感じさせてくれた大熊・U19ジャパン。例によって活発でクリエイティブな中盤ディフェンスを基盤に、鋭い攻撃を仕掛けていましたよ。私は、先日の日韓戦から比べたら、仕掛けフローが良くなっていると感じていました。とはいっても、それも相手次第ですからね。この試合のスウェーデン守備ブロックが、日本が展開する、素早く広い「人とボールの動き」に対して、うまく守備イメージを構築できていなかったという視点もあるということです。とにかく私は、この試合でのカレン・ロバート、原、兵藤の前線トリオのコンビネーショントライだけではなく、左右サイドバックや梶山のオーバーラップも、より効果的な有機連鎖を魅せていたと思っていたのです。

 またそこには、攻撃の変化という視点もありました。たしかにサイドからの仕掛けを強く意識している日本ですが、この試合では、チャンスとあれば、素早いコンビネーションによる中央突破にもチャレンジしていくというイメージもあると感じたのです。

 とにかく、スウェーデンというヨーロッパの強豪を相手に一歩も引けをとることなく、全体的な内容では確実に上回っていたU19日本代表。彼らに対する期待が大いにふくらんだものです。もちろん、攻め込まれる時間帯では、中盤守備ブロックの協力プレスやボールの出所へのチェイス&チェックアクション、最終ラインの「ブレイクポイントのマネージメント」やマーキングなどに課題が見えてはいましたけれどね・・。

 さて次は、明後日のブラジル戦。彼らがどこまで出来るか、いまから楽しみで仕方ありません。

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 ところで、もう名物になりつつある大熊監督の「ピッチサイド指示」。この試合でも目立ちに目立っていましたよ。観客がほとんど入っていないということもあるのだけれど、彼が放つビッグヴォイスが、スタジアム全体にビンビン響きわたる・・。テレビカメラがビッチサイドへ振られる場面では、そのほとんどが日本ベンチへ向けられてたことは言うまでもありません。もちろん大熊監督のアップ。

 現地メディアは、彼の声の大きさだけに注目しているのでしょうが、本当は、内容の的確さでも評価されるべきでしょう。たぶん現地メディアも、最初は声の大きさと指示の頻度ばかりに注目するのでしょうが、そのうちに「内容」にも興味をもつようになることでしょう。現地の日本人に、「いったい彼は、どんな指示をしているのか・・」なんて質問したりしてネ・・。

 彼の指示はディフェンスに関するモノが中心ですが、そこでもっとも重要視されている目標イメージが「バランス感覚の向上」にあるのは確かなことです。様々な攻守の状況に応じたポジショニングや人数に対するバランス感覚・・。イレギュラーするボールを、手に比べれば鈍い足でボールを扱うなど、不確実な要素がてんこ盛りのサッカーでは、「過ぎたるは及ばざるがごとし」という普遍的な概念の背景思想が、特に重要な意味をもってくるということです。




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