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05_コンフェデ_5・・ジーコジャパン(62)・・ジーコジャパンの変化の胎動が、こんなに早く、明確に見えてくるなんて・・(ギリシャvs日本、0-1)・・(2005年6月19日、日曜日)

どうも皆さん。コンフェデレーションズカップにおける日本代表のストーリーが、ちょっと錯綜した展開になってきましたね。何せ「あの大変身」ですからね。私は、今日のギリシャ戦で魅せたサッカーのレベルまでいくのに(あのプレー姿勢までマインドが活性化するまで)、もう少し時間が掛かると思っていたから、ちょっとビックリしながらゲームを観ていましたよ。もちろんウキウキしながらね。

 皆さんもご存じの通り、これまで私は、最終予選までと「その後」で、ジーコのチームマネージメント内容(日本代表のサッカー内容)が大きく変わると言ってきました。先日の「BSジャパン:サッカーTVワイド」での対談でも、これからは理想型へ向かうぞ・・というジーコ自身の言質も取りました。でもその変化がこんなに早くくるとはネ・・。もちろん、この試合でのギリシャの出来が最悪だったことも加味して評価しなければなりませんが、とにかくイメージ的には、「まさにこのサッカー!」というゲームになったことは喜ばしい限りです。

 要は、先日のメキシコ戦で日本代表が展開したサッカーが、最終予選の流れを踏襲したものだったのに対し(守備バランスの方を重視したゲームコントロール志向・・それはそれでポジティブな内容だった・・)、そのメキシコ戦に負けたこともあったのでしょう、このゲームでの日本代表は、まさに吹っ切れた攻撃サッカーを展開したのですよ。

 メキシコ戦の次の日にアップしたコラムでも述べたように、個のチカラではまだまだの日本は、攻守にわたって組織プレーを磨いていかなければなりません。だからこそ、守備でも攻撃でも、しっかりと人数を掛けることが決定的に重要なテーマになるのです。もちろんそのためには、ジーコのいう「バランス」の内容を、ある程度は「リスクチャレンジ方向」へ振っていかなければならない・・。リスクへのチャレンジがないところに進歩もありませんからね。

 そんなことを書いた数日後に、「この素晴らしいダイナミックサッカー」を魅せられたというわけです。いや本当にビックリした。ギリシャ代表のドイツ人監督オットー・レーハーゲルも、「とにかくこの試合では、日本の方が一クラス上だった・・一点だけで済んだのはラッキーだった・・」と素直に完敗を認めていましたよ。

 いま目の前のテレビ画面には、ブラジル対メキシコ戦が映し出されています。チラチラとではなく、しっかりと観たい・・。ということで、とにかく日本対ギリシャ戦について短くコメントをまとめようとしている湯浅なのです。とにかく後半だけでも、しっかりと深く観戦したいですからネ。

 ・・ということでショートコメント・・日本代表については、まず何といってもフォーバックを取り上げなければいけない・・素晴らしく上手く機能した・・もちろんそれには、ギリシャの出来があまりにもヒドかったということもあるけれど、何といっても福西と中田ヒデの中盤コントロールを挙げなければならない・・特に中田ヒデ・・皆さんもご存じのように、私は以前から中田ヒデの理想的なポジションは「本物のボランチ」だと言いつづけてきた・・彼がそのポジションの面白さを理解したら、必ずトリコになること請け合いだとも言った・・そして最終予選からコンフェデにかけての彼のスーパーパフォーマンス・・観ていて本当に楽しんでいた湯浅なのです・・

 ・・フォーバックの場合、とにかく中盤の底(守備的ハーフ)の機能性がすべて・・そこがリーダーシップを発揮したからこそ、アレックスにしても加地にしても、フォーバックにもかかわらず積極的にオーバーラップしていった・・また宮本もオーバーラップするというシーンもあった・・

 ・・そしてこの二人は、攻撃でも素晴らしい機能性を魅せる・・中田ヒデは、完璧なゲームメイカーとして・・福西は、三列目からスッスッと上がる影武者として・・とにかくこの試合で日本代表が魅せた攻撃コンテンツは、素晴らしいの一言・・もちろん組織コンビネーションのことですよ・・誰もが、どんどんボールがないところで動きつづけるからこそ(人の動きをベースに)ボールも活発に動きつづける・・人とボールの動きが織りなす、素早く広い展開・・それこそが、まさに有機的なプレー連鎖の集合体ではありませんか・・とにかく爽快なことこの上ありません・・もちろん、プレーしている選手たちが一番気持ちいいでしょう・・

 ・・試合後の記者会見でのジーコも、本当に晴れ晴れとした表情で、スッキリと話していた・・そこでジーコは、後ろを四人にすることで中盤より上を「一人増やせる」と言った・・もちろんスリーバックとは、イコール「ファイブバック」ですからね・・ただし、その際のリスクは誰もが知っている・・特に宮本、福西、中田ヒデは存分に・・だからこそうまく機能した・・このフォーバックをそのままブラジル戦にもぶつけるのだろうか・・それも注目ポイントの一つ・・

 まあ、いまはそんなところですかネ。気付いたことがあったら、先日のように「後日談コラム」をアップするかもしれませんので・・。

 



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