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2006_CL・・またまた、中村俊輔!!・・(2006年10月18日、水曜日)

チャンピオンズリーグ第3節、ホームでのベンフィカ戦。いいね〜、中村俊輔。キックオフ直後のディフェンスが素晴らしかった。追いかけ、追いつき、追い込んでボールを奪い返してしまう。それだよ。まず守備からゲームに入っていく。その後も、ボールがないところでの相手アクションに「最後まで」マークしつづけるという汗かきも含め、忠実にディフェンスに参加しつづける。そんな組織プレーへの貢献姿勢こそが、その後の全体パフォーマンスを左右してしまうのですよ。

 案の定、攻撃でも、素晴らしいリズムのプレーを魅せつづけるのですよ。こんな感じでね・・

 ・・右サイドに張り付かず、自由に動き回ってスペースに入り込みながら味方からのパスを要求する(このボールがないところでの効果的な動きが良い)・・そして、相手の守備アクションを完璧にイメージしたシンプルなタイミングのパスと忠実なパス&ムーブを繰り出していく・・自らがコアになった仕掛けの流れを演出する俊輔ってな具合・・

 ・・そこでは、創造性あふれる鋭く正確なリターンパスが目立ちに目立つ・・要は、ベンフィカ選手が描くボール奪取勝負のイメージを逆手に取ってしまうということ・・また、素早いトラップからの、鋭い弾道の「仕掛けタテパス」も素晴らしい・・この素早いタイミングでの仕掛けのタテパス(クサビのパス)こそが、相手守備ブロックを恐怖に陥れる・・最高潮のベッカムが、この「えぐる」パスで、レアルのなかでリーダーシップを握ったプロセスを思い出す・・

 ・・そして、ボールを持ってタメたときの、例によっての魔法・・まず相手のアタックアクションを読み切った魅惑的な「カット」で、相手のアクションの逆を取ってしまう・・フェイントは「カット」のための準備動作なのですよ・・もちろん相手も警戒し、トラップのときにアタックできなかったらしっかりとウエイティングするようになる・・

 ・・でも中村は、自身のトラップのときにも、相手にボールを「さらす」ことでアタックを誘う・・狡猾なワナ・・そして相手がアタックを仕掛けてこようものなら、素早い「二軸動作」で、そのアタックの逆を取ったり(=カットしたり!)、味方とのダイレクトワンツーで置き去りにしてしまう・・そして相手がウエイティングに入ったら(相手と正対したら)、今度は、自分からどんどんとボールを動かしながら突っ掛けていく・・そこで繰り出される魅惑的なフェイント・・もちろん、足が遅いから、「走りっこ」という状況ではなく、必ず、相手のアクションの逆を取ることで、完璧に相手を置き去りにしてしまう・・中村俊輔の魔法は健在・・

 ところで、セルティックが魅せつづける素早く広い組織パスプレー。そのイメージのコアに、中村俊輔がいるというのは確かなことだよね。ボールを、シンプルに、素早く、広く動かすことで、相手守備ブロックの薄いゾーンのスペースを突いていくことができれば、個のドリブル勝負の実効性も格段に高いものになるっちゅうわけです。

 確かにちょっとブレイクというお休みシーンもあったけれど、全体的には、攻守にわたって高く評価されるべきダイナミックなパフォーマンスでした。ここでは、以前のコラムにリンクを張るのではなく、彼のアピール内容を、少しブラッシュアップして載せておこうかな。こんな感じ・・

 ・・オレの全体的な運動量は悪くないでしょ?・・それをベースに、ボールがないところでのマーキングとか協力プレスへの参加とか、はたまた味方のカバーリングとか、汗かきディフェンスだってしっかりとやっていますよ・・とにかく、それに対する意識と意志を評価してくださいネ・・

 ・・たしかに局面でのボール奪取勝負(競り合い)では、パワーやスピードで負けしてしまうこともあるけれど・・少なくとも、チェイス&チェックを忠実にこなせば守備の起点にはなれるし、そこでしっかりと相手のスピードを抑えられれば、味方の次のディフェンスにとって大きな価値ですよネ・・いやいや、実際のボール奪取勝負にしても、相手からボールを「かっさらう」というプレーには自信ありまっせ・・そのときのアクションって、オレのボールコントロールの裏返しですからネ・・ボールコントロールじゃ誰にも負けないから、相手の次のアクションが見えちゃうんですよネ・・だから、チョンと足を出してボールを「抜き取って」しまうのは得意でっせ・・アハハッ・・

 ・・攻撃でも、スペースへ入り込むパスレシーブの動きだってしっかりと実行できるし、ボールを持っても、決して仕掛けの流れをスピードダウンしたり、ボールの動きを停滞させたりしませんよ・・基本的には(この試合で見てもらった通り)シンプルな組織パスプレーを演出することには自信がありまっせ・・でも、良いカタチでボールを持てば、勝負パスや勝負ドリブル、はたまたドリブルシュートなど、タメからの効果的な個人勝負を仕掛けていけますよ・・

・・少ないタッチの(カウンター気味の)スピード突破だけではなく、落ち着いた組み立て状況からも、効果的な仕掛けを繰り出していければ、攻撃にも変化をつけられるでしょ・・それが効果的だったら、チームメイトも認めて、それをうまく活用しようとするでしょ(オレの勝負イメージに合わせたボールなしの動きを繰り出していこうとするようになるでしょ)・・

 ・・とにかく、この試合での攻守わたるプレーを観てくれれば、オレのプレーが組織プレーを阻害しないことは認めてくれますよネ・・などなど。個人事業主としての中村俊輔がアピールしたい(強烈な自己主張の)ポイントは、もっともっとあるに違いないだろうね。そんな(リスクチャレンジへの)意志こそが、発展のための唯一の糧なのですよ。

 



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