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2006_チャンピオンズリーグ準決勝(ビジャレアル対アーセナル)とナビスコカップ(FC東京vsマリノス)・・まったく意欲が湧いてこなかったけれど、書きはじめたら・・(2006年4月26日、水曜日)

どうも創作意欲が湧いてこない・・。スミマセン。創作なんて、ちょっと大仰ですよね。このHPでのレポートは、あくまでも自身の学習を目的としたメモなんだから。まあ、レポートを書くための、内的なセルフモティベーション機能がうまく高揚していかない背景には、ちょいとこの頃「構えすぎ」て書いているという側面もあるかな・・なんてことも感じている湯浅なのですよ。もっとリラックスし、楽しんでシンプルに書けばいいのに。でも「それ」には、たしかな文章(構成)能力が前提になるわけだしね・・。

 まあ・・ね、本当のところ、今日のモティベーション低落状況は、今朝のチャンピオンズリーグ準決勝セカンドレグのゲーム内容が原因だったのです。ビジャレアル対アーセナル。そのゲームを見終わったとき、それまでイメージしていたレポートの構成が崩壊しちゃったのですよ。わたしは、アーセナルのクリエイティブな高質ディフェンスにスポットを当て、そこで展開されるクレバーなボックス守備を掘り下げようと思っていたのに、完璧な肩透かしを喰らっちゃった・・。まあ、結果は予想どおりの「0-0」で、アーセナルが決勝へ駒を進めたわけだけれど、その「プロセス」は、わたしが期待したモノとは似ても似つかない内容になり、完全に期待を裏切られたというわけです。それがあったから、今日の仕事も乗らなかったし、ナビスコ観戦も、うまく楽しめなかった。

 アーセナルの守備は、この試合に限っては、うまく機能していませんでした。最初の頃は、例によってのクレバーな囲い込みやパスコース制限がうまく機能していたけれど、そのうちに、(特にボールがないところで)徐々に足が止まり気味になり、ビジャレアルの仕掛けに振り回されるシーンが目立つようになっていく・・。この試合では、ほとんどビジャレアルが攻め込み、決定的なシュートチャンスを何度も作り出していました。またシュートチャンスにまで至らなかったけれど、ボールがないところで決定的スペースへ走り込む相手をフリーにしてしまうといったシーンも何度も目撃しました(ラストパスがブレたからラッキーだった!)。まあ、PKも含め、「3-0」でビジャレアルが勝利・・というのが、結果としてはフェアなものだったかもしれませんね。

 普段のアーセナルの守備ブロックは、相手ボールホルダーの制限を「ディフェンスの起点」に、その周りの守備アクションがフル回転する。そして、相手のパスミスを誘ったり、意図的に「相手を追い込んだパス」をインターセプトしたりと、まさに、有機的な連鎖ディフェンスを展開する。だからこそ、試合前は期待に胸をふくらませていたのですよ。それが、フタを開けてみたら・・。

 やはりサッカーは心理ゲームということなんだろうね。ビジャレアルの攻撃を「ゼロゴール」に抑えさえすれば決勝進出という心理プレッシャー?! 要は、アーセナル選手たちのプレー姿勢が受け身になってしまっていたということです(だから守備ブロックに無為に人数が多くなり過ぎていた・・その人数密度のために、互いに譲り合ったりして足が止まり気味になっていった!)。

 普段だったら、主体的にボール奪取勝負シーンをイメージしながら、全員が積極的に仕掛けていくのに(だからこそ、一つひとつの守備プレーが有機的に連鎖する!)、この試合では、一瞬「無為な様子見」になってしまうシーンが目立ってしまっていた。その躊躇が一瞬であっても、ボール奪取勝負に持ち込むためのイメージ連鎖は、確実に「そこ」で途切れてしまう。そしてビジャレアル選手たちに不必要な余裕を与え、上手くスペースを活用されてしまう・・。

 まあそれにしてもアーセナルは、何も失うモノがなく、限界までリスキーな仕掛けプレーにチャレンジしてくる(うまく組織と個がバランスしていた!)ビジャレアルを、本当によく「ゼロゴール」に抑えた。いや、「抑えた」という表現はあてはまらないよね。もちろん、ドイツ代表GKでもあるイェンス・レーマンの素晴らしいゴールキーピングはあったけれど、まあ「ツキ」に恵まれたというのが結論。後味は悪いけれど、これまで見放されつづけてきた「全てのツキ」が大挙して戻ってきたってか〜?! とにかく(バルセロナとの?!)決勝では、再び、攻守にわたるダイナミックなサッカーを魅せて欲しいと願っている湯浅でした。あっ・・やっぱり書いてしまった・・。

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 さて、ナビスコカップ(FC東京vsマリノス)も簡単に。この試合では、FC東京の「ポジティブなイメチェン」にスポットを当てようと思います。わたしは、オールコートマンマークを導入するなど(それも複数の!)、規制方向へ振れ「過ぎて」いた彼らが、こんな解放サッカーに変身するとは思ってもいなかったからね。

 結果が出なかったことが非常に残念・・選手たちは、強い気持ちを込めたプレーをした・・選手たちが展開したプレー内容を誇りに思う・・この試合で展開したサッカーこそ我々が目指すモノだ・・若いチームだから時間がかかるかもしれないけれど、我々は着実に良くなっている・・チームが進んでいる方向は間違っていない・・等々・・

 試合後のガーロ監督です。そこで質問をしてみました。「たしかにこのゲームの内容は素晴らしかった・・それが、ガーロ監督が目指すサッカーということならば大いに納得する・・ということは、オールコートマンマークなど、いままでのサッカー(それを目指すための)過渡期だったと考えていいのか(わたしは、守備こそが全てのスタートラインということで、チーム作りの段階としてまず守備意識から手掛けた・・)?」。

 それに対してガーロさんは、「いままでは、試合ごとにチームのパフォーマンスが大きく揺動していた(だから、それを安定させるために守備戦術を強化したということを示唆した発言?!)・・我々は、常に良いサッカーをやりたいし、それを高いレベルで安定させたい・・ただし、チームが若いから、まだ時間はかかる・・(とにかく、この試合のような)良いサッカーこそが我々が目指すサッカー・・しっかりとボールをつないで相手守備を崩すサッカーを目指す・・ここまで三ヶ月・・これまではチーム作りが順調に進んでいると思う・・」と胸を張っていました。

 試合は、まさにガーロさんがおっしゃっていた通り、FC東京が、全体的に「良いサッカー」で支配していましたよ。特に、右サイドに入った伊野波が良かった。素晴らしい切れのあるオーバーラップとドリブル突破チャレンジを魅せつづけていました。逆サイドの鈴木規郎も良かったから、この試合でのダイナミズムのジェネレーター(発電器)は、両サイドだったと言えるかも。もちろん今野、宮沢、ルーカスの中盤トリオも良かったけれどネ。

 とにかく、心配していたFC東京が、「あるべき姿」へ向かいはじめたことを実感し、ホッと胸をなで下ろしていた湯浅でした。

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 ちょっと「告知」ですが、5月5日のこどもの日、湯浅が、NHKラジオに出演することになりました。番組のタイトルは、「いっぱい話そう! ワールドカップ2006」というのだそうです。時間は、1300時から1600時までの三時間だってサ・・。

 番組は「三部構成」になっていて、わたしが出演するのは「第二部と第三部」ですが、第一部も、サッカー世界潮流と題して、「J」での監督経験がある原博実さんと川勝良一さんがゲストだから面白そうだよね。第二部は「開催国ドイツのいま」。ゲストは、わたしと、ドイツ人ジャーナリスト、ハンス・ギュンター=クラウトさん。ドイツ在住の方々に電話インタビューもします。そこから、具体的にワールドカップでの戦い(特にF組での戦い方)というテーマに入っていく。ゲストは、引きつづきの湯浅とクラウトさんに加え、元日本代表の三浦泰年さんも入ってくるっちゅうわけです。

 そして最後に「司会者」。言わずと知れた「山本浩さん」が、例によって、ジェネラルコーディネーターとして番組全体を取り仕切ります。また山本さんの相方は、サッカー女子日本代表の主将をつとめた「野田朱美さん」。

 山本浩さんの「突っ込み」は厳しいですからね、いまから楽しみです。

 



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