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2006_チャンピオンズリーグ準決勝(バルサ対ミラン、0-0)・・深〜いコノテーション(言外に含蓄される意味)に舌鼓・・(2006年4月27日、木曜日)

いろいろと依頼されている原稿はあるんだけれど、やっぱりこのホームページの方が大事。ということで、深〜いコノテーション(言外に含蓄される意味)を堪能させてくれたバルセロナ対ミラン戦を、短くレポートすることにしました。スコアレスドローだったけれど、コノテーションだからネ、言外に、ものすごく深い価値が内包されていたのですよ。わたしは、「それ」を堪能していました。時間がないから、とにかく短く書き残しておくことにします。
 まず全体的なゲームの流れから。立ち上がり数10秒でカカーがブチかましたシュート(ちょっと押し上げていたバルセロナの左サイドバック、ファンプロンクホルストの背後スペースへ全力フリーランニング・・そこへピタリのスルーパスが通った!)にはビックリさせられた・・でもその1分後には、逆にバルセロナが絶対的チャンスを作り出す・・全体的に押し上げることで、仕掛けの量と質を上げようとするミラン・・ただ、そんな前へのプレッシャーをモノともせず、組織パスプレーと局面での「個のエスプリ」を駆使して攻め上がるバルセロナ・・

 ・・そして試合は、徐々にバルセロナのペースにはまっていく・・何度も、イタリアの鉄壁守備ブロックを振り回してチャンスを演出してしまうバルセロナの魔法使いたち・・天才たちが魅せつづける、忠実なボールがないところのアクションや守備プレーに、舌鼓を打っている湯浅・・それでもバルセロナはゴールを割ることができない・・そんななかで、ミランも、シンプルな仕掛けプロセスから何度かチャンスを作り出す・・一発の勝負ロングパスやスルーパス、シンプルなタイミングでのクロスボール、そしてセットプレー・・センターゾーンで待つのは、究極のピンポイントプレイヤー、シェフチェンコとインザーギ・・これは「イタリアのツボのゲーム展開だ」なんて、バルセロナを応援する誰もが冷や汗をかいていたに違いない・・でも結局は・・ってな具合かな。

 とにかく、バルサが魅せる人とボールの「素早く・広い」動きは感動モノじゃありませんか。組織的に協力プレスをかけてくるミランに対して、まったく動じることなく、チョン・チョンとボールを動かしてしまう。そしてそのなかに、ロナウジーニョが魔法を挿入する。彼らのすごいところは、とにかく常にシュートを狙っているということ。ボールを「気持ちよく」動かしながらも、意識は、常に相手ゴールへ・・ってなシリアスな意志を感じるのですよ。そこがすごい。やはりフランク・ライカールト監督の力量だろうね。

 また、前述したけれど、両チームの守備のやり方にも、若干のイメージ差異がある。とにかく、「協力した集中守備」で高い位置でのボール奪取を狙うミラン。こんな状況でも、ミランの守備ブロックをしっかりと機能しつづけているのは大したもの。それに対してバルサは、あくまでも「個の判断」でのインターセプト狙いという傾向がある。ボールホルダーへの「単独プレス」を守備イメージの起点として、常に「その次」を狙うというクレバーなボール奪取勝負イメージということ。

 それにしても、バルセロナのカウンターは凄いの一言だよネ。カウンターの絶対的ベースは、やはり才能なんだよね。ロナウジーニョ、エトー、デコ、ジュリ・・だもんね。これにラーションもいるわメッシもいるわ・・だもんね。とにかく、アーセナルとの決勝が楽しみで仕方ありませんよ。久しぶりの、「規制と解放が高質にバランスしたチーム同士」の対戦だからね。

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 ちょっと「告知」ですが、5月5日のこどもの日、湯浅が、NHKラジオに出演することになりました。番組のタイトルは、「いっぱい話そう! ワールドカップ2006」というのだそうです。時間は、1300時から1600時までの三時間だってサ・・。

 番組は「三部構成」になっていて、わたしが出演するのは「第二部と第三部」ですが、第一部も、サッカー世界潮流と題して、「J」での監督経験がある原博実さんと川勝良一さんがゲストだから面白そうだよね。第二部は「開催国ドイツのいま」。ゲストは、わたしと、ドイツ人ジャーナリスト、ハンス・ギュンター=クラウトさん。ドイツ在住の方々に電話インタビューもします。そこから、具体的にワールドカップでの戦い(特にF組での戦い方)というテーマに入っていく。ゲストは、引きつづきの湯浅とクラウトさんに加え、元日本代表の三浦泰年さんも入ってくるっちゅうわけです。

 そして最後に「司会者」。言わずと知れた「山本浩さん」が、例によって、ジェネラルコーディネーターとして番組全体を取り仕切ります。また山本さんの相方は、サッカー女子日本代表の主将をつとめた「野田朱美さん」。

 山本浩さんの「突っ込み」は厳しいですからね、いまから楽しみです。

 乱筆、乱文、失礼しました。

 



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