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2006_CL・・さてチャンピオンズリーグが始まった・・まず、ガラタサライへ移籍した稲本潤一から・・(2006年9月13日、水曜日)

さて、チャンピオンズリーグ本戦の第一日目です。ここでは、ガラタサライへ移籍した稲本潤一と、強豪のチェルシーと当たったヴェルダー・ブレーメンについて簡単にコメントすることにします。

 まず、ガラタサライへ移籍して2戦目の稲本。ゲレツ監督は、稲本に対してかなり期待しているようです。とはいっても、まだ稲本は「手探り」状態。まあ、チーム戦術的なことや、チームメイトたちの「クセ」を見極めるというところもあるんだろうね。その意味では、ゲレツ監督が稲本に対して抱いている「期待の本当の内容」は、中盤の底で機能する「汗かきスイーパー役」なのかもしれない・・。

 この試合での稲本は、「後方に残る守備的ハーフ」という性格のプレーに終始しました。まあゲーム自体がまったく盛り上がらなかったから、ゲームのエキサイティングな変容にモティベートされて攻撃的になるという場面が皆無だったことは仕方ない。また、守備的ハーフコンビを組むイリッチがどんどん上がっていくタイプだからね。それについても、チーム内の合意があったということなんだろうね。

 ということで、稲本のプレーは、全体的には、まさに「安全確保を第一義的なコンセプトにする受け身のバランサー」ってなところでした。そのプレーをまとめると、こんな感じですかネ。

 常に、味方とのポジショニングバランスにばかり気を遣っている!?・・全体的な動きの量と質は、まさに鈍重・・歩いたり、様子見になるシーンの方が目立つ・・インターセプトアクションや前へのチェイス&チェックも目立たない・・まあ、そんな守備での仕掛け(リスクチャレンジ)によって、互いのポジショニングバランスが崩れることを警戒しているということなのかもしれない・・それには、チームメイトの守備意識に対する不安もある!?・・またゲレツ監督からの指示による!?・・ということで、守備でも、ボール奪取勝負シーンで目立つことはほとんどない・・ボール奪取勝負にこそ真価を発揮できる稲本なのに・・ちょっと残念・・特に「前へ突っ掛ける勝負」でボールを奪い返せれば、彼をコアにしたカウンター気味の攻撃をスタートできるだろうに・・

 ・・ということで、攻撃でも、まさに後方での「つなぎ役」に終始していた稲本・・それは、後方からのゲームメイクという創造的なプレーからはほど遠い、単なる安全パスのつなぎ役・・そんなパッシブなプレー姿勢だから、ボール奪取勝負への仕掛けも「遅れ気味」になるのも道理・・そして、相手の単純な切り返しに振り回されてしまう・・等々。

 ちょっとガッカリのプレー内容でした。彼の実力は、あんなものではありません。堂々とした体躯と十分なスピード、そして優れた攻守のスキル。それが、この試合では、その片鱗さえもうかがい知れないといった稲本でした。まあ、ゲレツ監督の「汗かきに徹することに対する指示」や、チームメイトとの信頼関係も含めたコンビネーションなど、まだ移籍して二試合目だからね、これからの彼の発展に期待しましょう。

 



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