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2006_天皇杯4回戦・・素晴らしくダイナミックなプレーを展開した愛媛FC・・そこには感動がありました・・(マリノスvs愛媛FC、1-0)・・(2006年11月5日、日曜日)

立ち上がりの展開を観察しながら、ちょっと愕然としていました。その理由については、昨日アップしたコラムを参照してください。その冒頭で書いたフィクションのストーリーが、まさに「そのまま」グラウンド上に展開されているなんて感じてしまったのですよ。でも結局それは単なる思い違いでした。

 延長までもつれ込むギリギリの勝負になった試合(結局マリノスが辛勝)。そんなゲーム展開になったのは、明らかに、愛媛FCが魅力的で力強いサッカーを展開していたからであり、マリノスが相手を甘く見た気抜けプレーをしていたからじゃありませんでした。

 愛媛のビデオを何試合も観た・・本当に良いチームだと思った・・一人一人が限界まで頑張っている・・守備も本当に素晴らしい・・愛媛FCのサッカーは、人々に感動を与えられると思う・・それくらい全力で最後まで頑張るチームだ・・そのような強いチームに対して、主体的にチャレンジするサッカーがやりたかった・・でも前半はまったくサッカーになっていなかった・・愛媛は、個々の選手も素晴らしかった・・若い選手が、試合を経験することで伸びるということを体感させてもらった・・等々。

 試合後の、マリノス水沼貴史監督の素晴らしいコメントでした。おごることなく、真摯なチャレンジを繰り返すプロコーチ。

 試合後のグラウンド。私の10メートル先で、水沼さんと、愛媛FC監督の望月一仁さんが握手をし、短く立ち話をしていました。そこでの水沼さんは、望月さんに対して、心からのレスペクト(敬意)を表していた。その態度も清々(すがすが)しいものでしたよ。なかなか良いモノを見せてもらいました。

 望月一仁さんと言えば、1980年代にヤマハで活躍していましたよね。私が読売サッカークラブのコーチをやっていたときと重なるから、私もどこかで接点があったのかもしれない・・。とにかく望月さんは良い仕事をしていますよ。以下は、望月さんが記者会見で明晰に述べていたことを抜粋し、わたしなりに編集したものです。

 ・・どれだけ自分たちが出来るのかというのがテーマだった・・個のチカラで劣るだろうから、我々は機動力で対抗する・・選手たちは全力を尽くした・・彼らを誇りに思うし、感謝もしている・・マリノス相手だからといって特別なゲーム戦術は考えなかった・・繰り返すが、どのくらい通用するのかというテーマだった・・

 ・・個のチカラで(競り合いで)やはり差があった・・ただ、数的に優位な状況を出来る限り多く作り出したり、二次、三次の攻撃をしっかりと演出するというポイントも含め、我々の狙いははっきりと表現することができたという自負はある・・でも結局は、ボールキープなど、局面でチカラの差が出た・・「行く」ところとペースダウンのメリハリをしっかりとつけたかった・・とにかく、若いチームで一年間やってきたことを表現できた・・強いチームに対しても、ある程度のサッカーができたと思う・・

 まさにおっしゃる通り。愛媛FCの若い選手たちは、一つのユニットになり、守備でも、攻撃でも、主体的なブレーを有機的に連鎖させつづけていました。最初は、「そんなハイパワープレーをいつまで続けられるんだい?」なんていう斜に構えた懐疑的な見方をしていたのだけれど、最後の最後まで、主体的なチャレンジ姿勢が減退しない彼らのプレーを見ながら、斜に構えたことを反省し、心から敬意を表していた湯浅でした。本当に素晴らしいプレーを魅せてくれた・・感動した・・。ということで、何かハッピーな気持ちに包まれながら帰路についた湯浅だったのです。




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