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2006_ヨーロッパの日本人・・中村俊輔、松井大輔、高原直泰・・・・(2006年11月27日、月曜日)

このコラムは「ボツ」にするつもりだったけれど、やはり印象だけは、簡単にまとめておくべきだと思い直し、キーボードに向かった次第。

 まず中村俊輔。先日のチャンピオンズリーグ(ホームでのマンチェスターユナイテッド戦)では、見事なフリーキックを決めました。鳥肌モノ。イニシアチブを相手に握られつづけるという試合の流れからすれば、まさに起死回生の一発といったゴールでした。

 とはいっても、その試合でも、昨日のハイバーニアンとのリーグ戦(アウェー)でも、決定的な仕掛けフローで中村俊輔が目立つといったシーンは少なかった。まあ、マンUにしても昨日のハイバーニアンにしても、全体的には、彼らの方がゲームフローを牛耳っていたからね。中村が得意とする勝負コンビネーションのカタチでボールを持てたシーンが少なくなるのも道理というわけです。

 もちろん、組み立て段階での局面プレーでは、しっかりと「魔法」は魅せてはくれたけれど、全体としては、シンプルパスの「次のコンビネーション」がうまく機能しなかった(相手守備に、抑え込まれてしまった)という印象の方が強い。これでは、中村が得意とするカタチでボールを持てるはずもない。

 とはいっても、中村の「シンプル・パス」での巧みなタッチは楽しめる。相手を引きつけ、最後の瞬間に、相手の足が届かないタイミングで「ワン」のシンプル(ダイレクト)パスを出してダッシュし、リターンパスを受けることで相手を置き去りにしてしまうような小さなコンビネーション。それが「連鎖」すれば、中村がコアになった決定的な仕掛けが機能するのだけれど・・。

 この二つの試合では、攻守にわたって組織プレーに徹した(我慢した)中村俊輔といったところだったけれど、相変わらず「基本的なプレーマインド」は高みで安定しているから、まったく心配してませんよ。

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 そんな中村俊輔に対して、松井大輔(彼が天から授かった才能)は、ホントに心配。この試合(ホームでのランス戦)でも、左サイドに「張り付く」ばかりなど、攻守にわたって「待ち」のプレー姿勢が目立っていた。

 自分のゾーンにきたらしっかりとプレーするゼ・・ってなイメージなんだろうね。たしかに、彼のゾーンにボールがきたら、才能を感じさせてくれるクリエイティブなプレーを魅せてくれる。けれど、その前向きなプレーが、次の「実効プレー」へとポジティブに連鎖していかないのですよ。局面の「かっこいい」プレーに酔いしれる、自己満足の松井大輔!? まあ、今の彼のプレー(姿勢)じゃ、そう揶揄されても仕方ない。

 基本的なプレーゾーンだけれど、それって、ファジーなものなんですよ。要は、攻撃の目的(シュートを打つこと)と守備の目的(相手からボールを奪い返すこと)を達成するために、選手たちは、常に「ゾーンバランスをブレイク」することを狙っていなければならないということなのです。もちろん、攻守の目的を達成するために、局面での数的優位なカタチを演出するというイメージも含めてね。

 そんな「クリエイティブなブレイクの発想」が、いまの松井のプレー姿勢からは、まったくといっていいほど感じられない。だから、心配。そんな心配が杞憂に終わることを願って止まないわけだけれど・・。

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 最後に、高原直泰。内容は、良かったですよ。この試合でも、彼が秘める能力の上限レベル付近まで表現できていたと思います。

 基本的なポジションは、例によって攻撃的なサイドハーフ。この試合では、ドルトムントのスーパー左サイドバック、デーデとの直接対決に挑みました。デーデが上がったら、もちろん、自軍ゴール前まで下がって激烈なプレッシャーをかける。また攻撃では、何度も、中盤からの直線的ドリブル勝負を仕掛けていったり、シンプルな展開パスと、爆発的なパス&ムーブで、忠実に次のスペースへ突進する。だからこそ、効果的にシュートシーンに絡んでいけるというわけです。

 この試合でも、何度もタテの動きから決定的なシーンの主役に「なりかけ」ました。また彼を経由したシュートシーンも演出しました。それでも、結局は「実効」が伴わないことの方が多い・・。

 右サイドでの直線的な超速ドリブルは、途中でコントロールをミスしたことで、二度とも相手に奪われてしまったし、左サイドからの勝負ドリブルも同様な結末を見ることになってしまう。そんな高原に対して、彼のサイドハーフライバルであるシュトライトが繰り出すドリブルの実効レベルは非常に高い。相手を振り切れるだけではなく、しっかりとしたスクリーニングなどで相手のファールも誘発したり、決定的なパスを繰り出したり。高原は、シュトライトの仕掛けプレーを見習う(イメージトレーニング素材にする)べきかもしれない。

 とはいっても、高原が表現しつづける積極的な勝負姿勢(明確な意図があるからこその攻守にわたる全力ダッシュの積み重ね)には、まだまだ発展キャパシティーが秘められていると感じますよ。しっかりとした展開プレー、常に鋭く勝負スペースを狙いつづける猛禽類の眼、そして(大きく進化している!?)実際にシュートを決める感覚など・・。

 ちょっと唐突だけれど、とにかく、ガンバレ高原!

 




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