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2006_ヨーロッパの日本人・・(稲本潤一と)中村俊輔・・(2006年4月10日、月曜日)

久しぶりにアップするヨーロッパの日本人レポート。ホントに久しぶりだよね。もちろんそれは、わたしが興味をもっている「ユーロ・ジャパニーズ」の出場機会が減っているからです。特に中田英寿が心配。彼のパフォーマンスは決して悪くないのだけれど・・。まあ、彼が出場しない背景要因については、様々な評価ベースが錯綜するサッカーのことだから、決して外部には分からない・・フ〜・・。

 それでも稲本は良い印象を残してくれましたよ。先ほど、後半38分に登場し、短い時間ながらも、何度かのボール奪取勝負シーンで抜群の存在感を発揮した稲本のゲームを見終わったところなのです。ところで、ウエスト・ブロムウィッチアルビオンのプレミアシップ残留は叶うのだろうか・・。とにかく、これからは究極の「勝負優先サッカー」になるだろうから、そこで稲本が、どのような主体的勝負プレーを展開できるのかに注目しましょう。

 さて、中村俊輔。前節の(リーグ優勝を決めた)ハーツ戦では、勝負を最優先する「ダイナミックな濁流サッカーの波」に乗り切れず、不完全燃焼のまま交代させられた中村。このキルマーノック戦では、そのフラストレーションをはき出してくれることを期待して観はじめた次第。そして立ち上がりすぐに(前半8分)、今期5点目となるスーパーフリーキックゴールが決まる。まさに、夢のようなスーパーフリーキック。鳥肌が立ちましたよ。そしてこちらの期待も、天文学的なレベルまで高まっていく・・。

 でもネ・・、どうもうまく「最高潮パフォーマンスへつながるベクトル」にフルに乗っかるっちゅうわけでもない中村なのです。ぬるま湯のプレー姿勢じゃないけれど、どうも実効レベルが盛り上がっていかない。ボール絡みの「魔法の雰囲気」は健在だし、パスも素早く正確。また守備でも、ある程度は貢献できてはいるのだけれど、これまでの好調時のパフォーマンスと比べたら、かなり明確に低調だと感じるのです。

 攻守わたる動きの量と質は?・・たしかに、全体の「量」はそこそこだけれど、強烈な意志が詰め込まれた、ボールがないところでの「勝負の全力ダッシュ」が出てこない。中村が主体になったコンビネーションは?・・それが一番の問題かもしれない・・何せ、彼がボールを持っても、周りの味方の動きが鈍重だからネ・・また中村自身も、ドリブルで突っかけていかない(コンビネーションのキッカケにチャレンジしようとしない)。ボールキープやドリブルは?・・ほとんどといっていいほど、個の勝負にチャレンジしていくシーンが出てこない。展開パスは?・・正確なサイドチェンジや縦パスなど、これについてはまあまあかな。それでは勝負パスは?・・それについては、確実に(彼の)平均以下・・まあね、周りの派すれシープの動きが鈍重だからネ。

 それでは、守備は?・・ボール奪取勝負は?・・ディフェンスへ参加する意志は、そこそこ・・でも、最高潮っちゅうわけじゃない・・ここでも、ボール奪取勝負に絡んでいくときの全力ダッシュの量と質に勢いが感じられない・・たしかに、相手のパスコースを読んだインターセプトでは良いセンスを感じさせてはくれるけれどネ・・。

 まあ・・ネ・・消化試合だから。それでも私は、どんな状況でも「テーマ」を持ち、全力でゲームに臨むべきだ・・なんて堅いことを言うわけなのですよ。そうじゃなければ、貴重な時間が、次元の低い「無駄」に終わってしまうじゃありませんか。オレって堅すぎるかな・・。

 ・・ってなことを考えていたら、その中村が急に華麗なダンスを披露する。後半20分のセルティック二点目シーン。右サイドから左サイドへ(急激なテンポアップも含めて)移動しながら、ポンポンと、味方とのダイレクトパスを展開し、最後は、これまたダイレクトでオーバーラップするマロニーへのダイレクト縦パスを決めてしまうのですよ。そこからトラバース・クロス(ゴールラインと平行のラストクロス)が決まり、ハートソンが、セルティックの二点目を決めたという次第。そしてその15分後には、中村俊輔自身が、スーパーなパスレシーブからドリブルシュートを決めてしまうのですよ。フムフム・・。

 消化試合でも、キッチリと存在感をアピールする中村。まあ・・ね・・究極の「高効率アピール」ではあったけれどネ。




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