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- 06_ジーコジャパン(78)・・闘う意志という視点で、たしかな本格感があった日本代表・・(日本vsエクアドル、1-0)・・(2006年3月30日、木曜日)
- やっぱりサッカー内容に影響を与えるもっとも大きなファクターは、選手個々の「意志」だよな・・。ジーコジャパンが南米チーム相手に初勝利を挙げた記念すべきゲームを観ながら、そんなことを考えていました。ワールドカップ最終登録メンバーへの生き残りを懸けたサバイバルマッチ・・。
イレギュラーするボールを足で扱うという不確実性要素が満載されたサッカー。だからこそ、攻守にわたって「全力」で「主体的」に「仕事」を「探しつづける」という強い意志こそが絶対的プライオリティーなのです。ジーコのキャッチフレーズである「自由」にしても、そんな主体的プレー姿勢の発展を意図したものでしょう。まあ、逆の見方をすれば、主体的にリスクへチャレンジしていくという能動アクション(積極プレー姿勢)に難がある「日本体質」をよく理解しているジーコだからこそのキャッチフレーズということも言えるわけです。とにかくこの試合では、選手たちのプレー姿勢から、ホントに久しぶりに(?!)、たしかなサバイバル・マインド(闘う姿勢)を感じていた湯浅でした。
とはいっても、前半のサッカー内容は、いつもの日本体質が前面に出ちゃっていましたよね。たしかに玉田は最前線で抜群の存在感を発揮していたし(最前線からのねばり強いディフェンスと、仕掛けでの限りないリスクチャレンジマインド=勝負に対する意志が集約された全力ダッシュのオンパレード!)、小野伸二やアレックス等も、高い緊張感をベースにした締まったプレーを魅せてくれていました。でも、そんな彼らの爆発エネルギーが、チームのなかで「有機的に連鎖」しない。組織ディフェンスはうまく機能しているけれど、攻撃におけるボールがないところでの全力ダッシュの量と質が停滞気味だから、どうも攻め切れないのです。
要は、ミスをしたくないという気持ちの方が勝っていたことで(?!)、まだまだ様子見マインドが支配していた前半だったということです。立ち上がりの時間帯には、アレックスの積極的な仕掛けから何度かチャンスがあったし、そのアレックスからのクロスから久保が絶対的なシュートを放ったなんていうシーンもあったけれどネ・・。
それが後半になって、選手たちの積極的な仕掛けマインドが、急カーブを描いて高揚していくのですよ。ボール絡みでの勝負マインドだけではなく、ボールがないところでのアクション内容も高揚していく・・だからこそ、互いのプレーが有機的に連鎖するようになり、日本が得意とする「組織的な仕掛け」もうまく回るようになっていく・・。そうそう、そうこなくっちゃ。リスクにチャレンジしていかなければミスを犯すこともないけれど、でもそれじゃ何も生み出せないし、発展ベクトルに乗ることも叶わない。それこそが、最終的には自由にプレーせざるを得ないという、不確実性ファクター満載のサッカーの本質なのですよ。
ハーフタイムに、ジーコが「何らかの刺激」を与えたのかもしれないね。ジーコにしても、ワールドカップへ向けて選手を絞り込むために、いつかは「本物の鬼」に徹するときが来るわけだからネ。サバイバルの雰囲気は、やはり指揮官から放散される何らかのスピリチュアルエネルギーによって大きく影響を受けるということです。もちろん、この雰囲気の高揚(ダイナミズムのアップ)は、純粋に「選手たちの覚醒」によるモノだったのかもしれないけれどね。まあ、ね、チーム内で起きていることの「本当のニュアンス」は、決して(その場にいない!)外部には分からないものだから・・。
ところで、佐藤寿人の決勝ゴールを観ながら考えていたのだけれど、日本は、ニアポスト勝負を「もっと」明確にイメージすべきだよね。攻守にわたってプレーコンテンツが格段に高揚しているアレックスと、ガンバという新天地での存在感アップ競争という刺激によってパフォーマンスが充実してきている加地という優れた両サイドバックがいるのだから、可能性が薄い「高さ勝負」だけではなく、「スピードとスペース活用」で勝負するというイメージも、より強化すべきだと思うのですよ。私が言っているのは、その勝負イメージを選手たちが明確に「シェア」することで、実際のプレーを(より高い確率で)有機的に連鎖させるということですよ。もちろん「それ」にしても、高さ勝負があるからこそ活きてくるわけだけれどネ。要は、バランスの取れた(変化を演出するための)選択肢の拡大・・ということですかね。
とにかく、このゲームで日本代表が魅せたサッカーには、闘う意志という視点で、たしかな本格感が備わっていました。サッカーは本物の心理ゲーム。「意志」によって、パフォーマンスに雲泥の差が生じてしまう。その「事実」を体感させてくれた日本代表の爽快なダイナミズムに舌鼓を打っていた湯浅でした。
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