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- 2006_ナビスコカップ・・終わりよければ?!・・(レッズ対アビスパ、3-1)・・(2006年4月12日、水曜日)
- 先ほど、自宅近くのイタリアンレストランで夕食をとってから帰宅したのですが、そのレストランでも、首都高速をオートバイで飛ばしながら考えていた試合コンテンツについて考えを巡らせていましたよ。そんなだったから、そのレストランで何をどのように食べたのか覚えていない。そこで考えていたことは、こんな感じでしたかネ・・。
・・終わってみれば完勝のレッズ・・それも、ゲーム終盤へ向けてどんどんサッカーコンテンツが高揚していったし、その内容に呼応するような素晴らしいゴールも決められたから、観ていた方々にとっても快感のハッピーエンドだったに違いない・・終わりよければ何とやら・・ってか〜〜?!・・
・・でもネ、「終わりよければ・・」のコトワザどおり、そこに至るまでには、ちょっとした紆余曲折があった・・立ち上がりはまあまあだったけれど、徐々に仕掛けの機能性が減退していくレッズ・・例によって守備ブロックを固めるアビスパの術中にはまりはじめたということ・・それもそのはず、前線の三人(黒部、山田、長谷部)に絡んでいくべき後方からのバックアップが十分ではないのだから・・
・・右サイドの平川は、シンプルプレーを基調に、そこそこの実効プレーを展開していたけれど、左サイドに入った期待の相馬が機能しない・・自信レベルが十分ではないからなのか、どうもドリブル勝負が中途半端・・だから相手に協力プレスを掛けられて、悪いカタチでボールを失ってしまうシーンが頻発する・・守備でも、不用意に相手にスペースを与えてしまうような緩慢プレーが目立つ(でも後半の相馬は、攻守にわたって見違えるほど立ち直って大活躍したことは皆さんも観られたとおり・・それが、彼のブレイクのキッカケになることを願って止みません!)・・そんな「片肺」状態のサイドからのサポートだけではなく、鈴木啓太と内舘秀樹で組む守備的ハーフコンビの押し上げもままならない・・
・・要は、(前線にタイミングよく人数を掛けられないことで)組織プレーをうまく機能させられないから、個の勝負を仕掛けていけるようなチャンスシーンも演出できないということ・・長谷部とか山田は、個の勝負でも十分なチカラがあるけれど、ボールを持つ(パスを受ける)状況が悪いのでは仕方ない・・ということで、これでは仕掛けが寸詰まりになってしまうのも道理・・
・・「相手の先制ゴールは、逆によい刺激になると思っていた」・・試合後の記者会見でギド・ブッフヴァルト監督が、そんなニュアンスのことを言っていました・・まさにその通り・・わたしも、失点後のレッズ選手たちの活性化を確信していたのですよ・・でもね・・たしかにシュートチャンスはあるけれど、相手守備ブロックのウラを突くといったレベルではなく、どちらかといったらゴリ押しの仕掛けばかり・・そんな鈍重な攻撃しか繰り出していけないレッズだったから、コーナーキックから同点ゴールを奪ったときには、「彼らはツキにも恵まれているよな・・」なんてことを思っていた・・
・・そんな、相手のチーム戦術にハメられるというネガティブなイメージが先行するゲーム展開だったけれど、後半になってからは、徐々に変化の兆しが感じられるようになっていく・・そして勝ち越しゴールをキッカケに、レッズのサッカーが目に見えるほど急速に高揚していった・・ってな具合・・
試合の流れを追ったつもりが、ちょっと冗長になってしまったようで・・スミマセン。とにかく、わたしが言いたかった骨子は、山田が挙げた勝ち越しゴール以降の高揚プロセスについてなのですよ。要は、ちょっと寸詰まり気味だった後方サポートが、そのゴールをキッカケに、相手守備ブロックを「振り回せる」くらい大幅に活性化していったということです。
右サイドの平川は、相変わらずの積極オーバーラップにトライしつづけている・・それに加えて、左サイドから仕掛ける相馬のドリブル勝負にも徐々に勢いが乗っていく(守備パフォーマンスが安定しはじめたからこそ攻撃コンテンツの高揚!)・・また、後方から内舘や堀之内までがサポートに上がり、しっかりと実効プレー展開する・・等々。やっている選手たちにとっても、サッカーが何倍も楽しいものへと変容したに違いない!
やはりサッカーの内容は、ボールがないところでのアクションの量と質によって自然と決まってくる・・。わたしにとっては、(学習機械として)その事実を体感とともに反芻できたことがよかった。それこそが、コーチとしてのわたしの「瞬発力」の支えになりますからね。またレッズ選手たちにしても、自分たちのサッカーが何倍も良くなったことを体感していたはずです。だからこそ、攻守にわたる「ボールなしアクションの活性化」という善循環がスムーズに回りつづけ、それが「終わりよければ・・」という雰囲気を深化させたというわけです。
長谷部だけれど、やっぱり彼は、中盤守備にも主体的に絡まなければ良いプレーができないと思う。いや・・、あれほどの才能を備えているからこそ、彼には、今まで通り、主体的な中盤ディフェンス「から」ゲームに入って欲しいと思うのですよ。とにかく、「世界トップサッカー」のもっとも重要な部分が、創造性&想像力&プライドベースの自己主張マインドが絶対的基盤の「主体的&積極的な守備意識」に支えられていることは確かな事実だからネ。そう・・FCバルセロナ。やるんだったら、やっぱり「あのレベルのサッカー」を意識しなくちゃネ・・。バルセロナについては、この「チャンピオンズリーグ・レポート」を参照してください。
今日の山田暢久は素晴らしい出来だったネ〜。まあ前半は、ちょっとカッたるかったし、「イージーミス」も多すぎたけどね。彼の場合は、スーパープレーとイージーなミスとのギャップが大きすぎるよね。それにしても「あのゴール」はスーパーだったよね。あんな「技巧派シュート」が出来るなんて・・。ちょっとイメチェン。
最後に、期待のヤングスターたちについて。もちろん、赤星貴文と細貝萌。二人とも、攻守にわたって(ボール絡みとボールなしの両方のプレーで!)素晴らしく積極的なプレーを披露してくれました。それはまさに「自己主張」そのもの。「俺たちはここにいるんだゾ!!」ってな具合じゃありませんか。良かったですよ、ホントに。
「この試合では、いつもは交代出場の方が多い選手たちが、トレーニングでのパフォーマンスそのままに、素晴らしく積極的で優れたプレーを魅せてくれた・・嬉しい反面、監督として悩ましいことでもある・・」。ギドがそんなニュアンスのことを言っていました。そうそう・・そこにこそ、これからギドが取り組まなければならないお仕事の醍醐味があるということです。
地域の伝統に支えられたサッカー文化が、生活者の主体的エネルギー(とことんサッカーを楽しんでやろうというスピリチュアル・エネルギー)によって、広く、深く発展しつづけている浦和。いいね・・。
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