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2006_ワールドカップ日記・・やっぱり、まず行動ありきだよネ・・オランダのテストマッチレポート・・後でドイツもニューページでレポート・・(2006年6月2日、金曜日)

どうも皆さん、昨日は、所用が重なったことと、スピリチュアルエネルギーの充填がうまくいかなかったことで、オランダのアイントホーフェンまで足を伸ばせませんでした。

 もちろんそれは、オランダ対メキシコのテストマッチ観戦のためです。所用スケジュールを動かすのは簡単ではなかったし(やろうと思えば出来ないこともなかったけれど・・)、ナイターだし、往復で500キロ近くも移動しなければならないし(たぶんドイツの定宿に帰り着けるのは夜中の2時を回るに違いない)。でも結局は、行かなかったことに対する不健康な心理でちょっと落ち込んでしまった。やはり、行動しなかったことに対する後悔はネガティブに残る。行動していれば、何が起きても学習機会として前向きに割り切ることができたはずだからね。まあ、残ったネガティブ心理もまた学習機会ではあるけれど。

 そんなこともあって、昨日は「日記のアップ」に対するモティベーションも減退してしまったという体たらく。日記だからね、やはり毎日書かなければ・・。あ〜あっ、いやだ、いやだ。また落ち込んでしまう。

 ということで、昨日は、日曜日にデュッセルドルフで行われるマルタとのテストマッチ用の駐車カードを、ボンの「G Jamps」でピックアップし、その後、1630時からの日本代表トレーニングを観察した次第。

 とにかく天候不順。この2-3年、日本と同様、ドイツも天候が安定しません。この時期にしては寒いし、雨が多すぎる。世界的な異常気象の一環!? まあ、そういうことなんだろうネ。写真にあるように、ドバ〜ッと強烈な雨が降ったと思ったら、次の瞬間には青空が広がっているんだからね。それでも午前中のトレーニングでは、ものすごく冷たい風が吹き荒れていたようで、「それに比べたら楽なもんですよ」と、知り合いの報道関係者の方が言っていました。

 それと、もう一つ。日本のトレーニングを見に来るドイツ人の数が格段に増えたという特筆現象にも触れておかなければいけません。もちろんそのことには、ドイツとの試合内容が大きく影響しているはず。やはり、世界にアピールするためには「サッカーの内容」が大事なのですよ。結果が出たとしても、受け身に(下がり気味に)守備ブロックを固めてワンチャンスのカウンターを狙うというプレー姿勢では誰も評価してくれないからね。この試合では、日本の最終ラインも、「よし、この試合では、ラインを上げて積極的に前から勝負を仕掛けていこう」と話し合ったそうな。そう、まさにその通り。彼らは、持てる個の能力をフルに活用し、できる限り高い次元で、内容と結果をバランスさせるというミッションにもチャレンジしなければならないのですよ。そんなチャレンジ姿勢こそが、チームの機能性を「善循環」させるための唯一のリソース(原動力)なのです。

 トレーニングを観た後で、その報道関係者の方々とディナーテーブルを囲んだのですが、久しぶりに楽しい時を過ごさせてもらいました。クロアチアレストランでのアスパラガス料理。メインのグリルド・サーモンの横に、特大のアスパラガスが5-6本とソテーポテト。その料理について、皆さんの口中に唾液を溢れさせられるような文学センスを持ち合わせていないことが本当に残念で仕方ありません。美味しい料理と、楽しく、内容のある会話。そのときだけは、「行動」しなかったことに対するネガティブ心理は吹き飛んでいました。

 いまは、金曜日の朝0700時。あと二時間で、昨日のオランダ対メキシコ戦の録画放送(EURO スポーツ)がスタートします。オランダは、先週の土曜日のカメルーン戦をテレビ観戦したのだけれど、チェコと同様に、相変わらずの高質サッカーです。とにかく、組織プレーと個人の勝負プレーが、これ以上ないほど高いレベルでバランスしている。だから楽しみ。この後、オランダと、ナイターのドイツ対コロンビア戦について、この日記に書き足してレポートする予定です。では・・

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 さて、オランダ。この試合では、ファン・ニステルローイ、ロッベン、ファン・ボメル、コクー、ファン・ブロンクホルストなど、主力と考えられている選手たちは休養らしい(ファン・デル・ファールトは、ケガで本大会に間に合うかどうかも分からない)。それでも、メキシコを相手にイニシアチブを握るオランダ。そんな展開だったけれど、先制ゴールを挙げたのはメキシコの方だったからサッカーは分からない。

 それは、コーナーキックからのヘディングゴール。スコアラーは、言わずと知れたスーパーストライカー、ボルヘッティーでした。このゴールはなかなか興味深かったから、ちょっと詳しく描写しましょう。

 マンマークで対応するオランダに対し、ニアポストゾーンを「空け」ておくメキシコ。そして最後の瞬間に、ボルヘッティーが、マークに入っているヘイティンガを振り切ってそのスペースへ飛び込み、素晴らしいニアポスト勝負のヘディングシュートを地面に叩きつけたっちゅう次第。とにかく迫力あるボルヘッティーのヘディングシュートでしたよ。サスガに、南米予選での得点王ですね。まあ、昨年のコンフェデでも抜群の存在感を発揮していたからね。

 ゲームを全体的に掌握しながらも、堅いメキシコ守備ブロックの抵抗に遭ってシュートチャンスを演出できないオランダという構図。それに対し、堅い守備ブロックをベースに、ボルヘッティーという絶対的な武器を、直接的、間接的に、上手く活用しながら確実にチャンスを作り出すメキシコ。まあそこまでは、メキシコのツボっちゅう展開だったのですよ。

 後半も、前半と同じようなゲームの流れがつづきます。どうも、メキシコのペースに巻き込まれ、前へのエネルギーが空回りしているといった感が強いオランダの二軍なのですよ。さすがにメキシコ。優れたテクニックを駆使した試合巧者振りではあります。でもその後オランダは、そんな沈滞した雰囲気を、同点ゴールによってガラッと変容させていくのです。そのゴールもまたコーナーキックから。それも、メキシコの先制ゴールシーンで、ボルヘッティーに「してやられた」ヘイティンガだからね。彼は、心から快哉を叫んでいたに違いない。

 そのシーンは興味深かったですよ。オランダと違い、メキシコは「ゾーン」で守りますからね。きれいにポジショニングをバランスさせる(すべての勝負スペースを埋める)メキシコ選手たち。また、GKの目の前にスペースを空けることで、彼が飛び出し易くするというアイデアもしっかりと実行している。そんな、十分なポジショニングバランスを組むメキシコ守備ラインの虚を突くように、ヘイティンガが、後方からニアポストサイドへ爆発ダッシュを仕掛け、まさに、そのスペースへピタリとコーナーキックが合わされたというわけです(このシーンではヘイティンガがイメージする勝負スポットにピタリとボールが合わされた)。

 最後の瞬間、その勝負スポットにいたメキシコディフェンダーには、後方から白い影が急に飛び出し(その試合でのオランダのユニフォームは白)、自分の目の前でヘディングされてしまったという印象が残っただろうね。後方から飛び出すことで、相手の「眼前スペース」を活用するというクレバー勝負。そしてその5分後には、右サイドで抜け出したカイトからのラストクロスを、バベルが決めてオランダが勝ち越してしまうのです。

 その後は、前後の人数&ポジショニングバランスを崩して攻め上がるメキシコの仕掛けを余裕で受け止め、危険な「蜂の一刺しカウンター」を仕掛けていくオランダという具合にゲーム展開が変容していきます(オランダは絶対的なゴールチャンスを2度も作り出した!)。

 やっぱりメキシコは、整った相手ディフェンスブロックに対して主体的に攻め込んでいくという展開は、あまり得意じゃないようだね。どうも足許パスばかりが目立つのですよ。

 マルケスがボールをコントロールし、ズバッという仕掛けのパスをボルヘッティーへ出す。もちろん次の瞬間には、マルケスだけはパス&ムーブでタテのスペースへ入り込もうとするけれど、他の三人目、四人目のサポートがないから、ボルヘッティーのリターンパスが簡単にカットされてしまう。パスレシーブの動きが「複合」しなければ、オランダ守備陣に次のパスを読まれてしまうも道理。そしてメキシコのボールの動きが、どうしようもなく停滞していく。攻撃に人数は掛けているけれど、彼らは止まってパスを待つばかりなのですよ。ボールがないところでのアクションの量と質が足りないメキシコ。これでは、うまくスペースを使いこなせないのも道理。優れたテクニックは、やはり諸刃の剣だということです。

 結局このゲームでは、(一軍の相似小型ではあるけれど)二軍でも組織と個がバランスしたハイレベルサッカーを展開できるというオランダの「グループ総合力の高さ」ばかりが目立つことになりました。いまから、この日曜日に行われるオーストラリアとのテストマッチが楽しみです。そこでは、互いにベスト布陣の戦いになるだろうからね。

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 ■ドイツのレポートは、後ほどニューページでアップします。
 



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