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2006_ワールドカップ日記・・さて、東京新聞に2006年6月10日から7月10日まで隔日で連載したコラムです・・(2006年7月11日、火曜日)

どうも皆さん、ちょっとリラックスしたことで、徐々に蓄積された疲労が和らいでいくように感じています。まあ、とことん楽しんでいたから、心地よい疲労ということだったのですがネ。

 さて、ジネディーヌ・ジダン。「あんなことがあった」にもかかわらず、大会MVPに輝きました。本当によかった。スキャンダラスな「キャリアの幕切れ」だったけれど、やはりフットボールネーションは、彼の実質的な功績を「優先」したのです。というか、「あのようなコト」も社会が動いていくなかでは日常茶飯事だと理解されているということでしょうね。建前よりも本音&本質・・そうでなければ生き残れない・・というわけです。彼の「二軸動作プレー」が歴史に書き記されることを心から喜んでいる湯浅なのです。

 さて本日から、お約束したように、東京新聞に2006年6月10日から7月10日まで隔日で連載したコラムを、順次アップしていく予定です。私は見ていないのですが、聞くところによると、タイトルは「湯浅健二の視点」というのだそうな。まず今日は、大会がはじまる前(要は6月9日の朝刊)に掲載された、「日本チームの可能性、大会の見所カード、そして優勝候補」というコラムからいきましょう。では・・

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 (日本チームの可能性):日本代表は一次リーグを突破できるだろうか。正直、厳しい。ブラジルは別格だが、直接的なライバルであるオーストラリアやクロアチアと単純に比較してみても、彼らの方が欧州トップリーグでレギュラーを張る選手をより多く揃えているという現実がある。ドイツ戦では良いサッカーを展開した日本だけれど、本番はまったく別物なのだ。また彼らには、持てる能力をベースに、内容あるサッカーと勝ち点という、ある意味では背反する目標を最高の形でバランスさせるという課題も与えられている。受け身の強化守備でワンチャンスを狙うというのでは世界にアピールできるはずがない。日本代表は、不確実なサッカーだからこそ、「主体的」に闘う最高の意志と集中力でチャレンジしていかなければならないのである。

 (見所カード):日本以外の一次リーグ注目カードは、何といっても、リーグ最終日に組まれたアルゼンチン対オランダ(C組)とチェコ対イタリア(E組)だろう。彼らは誰もが認める優勝候補だが、その直接対決までに他のくせ者たちの挑戦を受けなければならない。C組ではセルビア・モンテネグロとコートジボワール。E組ではアメリカとガーナ。「平穏」に済むはずがない。だからこそリーグ最終日には、実力チーム同士の仕掛け合いという極限の勝負マッチが期待できるはずだ。

 (優勝候補):優勝の最短距離にいるのは、もちろんブラジル。選手たちは、チーム戦術という欧州ロジックのなかで組織プレーイメージを充実させていった。環境こそが人を育てる。世界最高の才能たちが組織プレーにも長けてきたのだ。鬼に金棒である。
 



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