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- 2006_天皇杯_決勝・・まさに「神様のスクリプト」といったゲームでした・・それにしてもギドは、本当に強い星の下に生まれたんだな〜・・(レッズvsガンバ、1-0)・・(2007年1月1日、 月曜日)
- 「悔しい・・」。ガンバ西野監督から、まずそんな言葉が口をついて出てきました。その気持ちは、痛いほどよく分かる。内容のある攻撃サッカーでチャンスを作りつづけたにもかかわらず、ゴールを奪えず、逆に、これしかないというワンチャンスから決勝ゴールを奪われてしまったのだからね。
「パスを美しくつないでチャンスを作り出すところまでで満足し、しっかりとフィニッシュすることを忘れてしまっている・・我々は、スマートさ、華麗さだけではなく、勝負強さも身につけなければならない・・」。西野さんは、そんなことも言っていました。まあ、当事者にとっては、そういう課題も明確に見えているということなんだろうね。でも私は、特に播戸など、多くの泥臭いゴールも奪っているという印象を持っているのだけれどね・・。
この試合でも播戸は、本当にスーパーな「ボールがないところでの仕掛けマイスター」でしたよ。彼のフリーランニングこそが、ボールホルダーも含めた、周りの連動したアクションをリードしていたのです。イビツァ・オシムさんが評価するのもよく分かる。
でも西野さんは、「レッズは誰が出てきても良い守備プレーをする・・最後まで、彼らのディフェンスを崩すことが出来なかった・・」という発言をするのです。私は、その発言に対して、「レッズ守備ブロックを崩してチャンスメイクしていたと思うのだが?」という質問をぶつけざるを得ませんでした。西野さんのコメントは、なかなか興味深いものでした。
「たしかに流れのなかでレッズ守備ブロックのウラスペースを突くという仕掛けはあったけれど、最後の瞬間では、レッズ選手たちの効果的なブロックで自由にシュートを打てなかった(そういうシーンの方が目立っていた!?)・・だから、レッズディフェンスを崩し切ったとは言えないと思っている」。フムフム・・。
さてレッズ。トゥーリオ、坪井、アレックス、ワシントンなど主力を欠いていただけではなく、鈴木啓太や山田暢久、また小野伸二も万全な状態ではなかった。もちろん、そんな次元の低い言い訳など何の足しにもならないことは、レッズ選手たちが一番よく知っている。彼らは、そんな逆境をはね返そうと主体的に闘っていました。
ただ、いかんせん、前線での「タメ」を演出できないことで攻め上がりアクションをうまく連動させることができない。永井にしてもポンテにしても、はたまた小野伸二にしても、(効果的なガンバのマークに遭って!)うまくボールを保持できないのです。だからレッズは、うまくボールを「タテ方向」へ運べない。そして、相手ディフェンスの餌食なってしまう逃げのパスを打ってしまう・・。
中途半端な攻め上がりが、結局は、変なカタチでボールを失うというネガティブな結果を招いてしまうのです。それは、ガンバにとって、高い位置でのボール奪取という願ってもない状況。そしてそこから、遠藤や二川からの正確な仕掛けのタテパスが、大きく動きつづけるマグノ・アウベスや播戸へと供給されるのです。
そして、効果的な「最前線でのタメ」を演出したり、そのまま最終勝負を仕掛けていったりするマグノと播戸。何度レッズが、そんなガンバの決定的カウンターを喰らったことか。失点しなかったことが奇跡とも表現できるような大ピンチシーンに、何度もレッズサポーターの皆さんはフリーズしたに違いない。
それでも試合は「0-0」で推移しつづけるのです。ラジオ文化放送で解説しながら、前半の30分あたりから、「内容的な流れではガンバが絶対的なイニシアチブを握っているけれど、勝負という視点では、レッズに流れが偏ってきているという見方が出来ないこともない・・」なんていうコメントが、口をついていました。その後は、ガンバがチャンスを逃す度に、「神様のスクリプトが・・」というフレーズを口にしていました。
私は、何となくニオイを感じていたのです。ドイツ時代も含め、もう何度となく体感しつづけきた「神様のドラマ」。この試合のプロセスには、そんなニオイがプンプンしていたのですよ。でも実際に「神様のスクリプト」が現実のものとなったときには、フリーズし、言葉を失ってしまったけれどね。ホントかよ・・。それほど、ガンバが掌握していたイニシアチブには実が詰まっていたのです。まあ、だからこそ、「神様の介入」が強烈に匂っていたわけだけれどネ。
レッズ選手たちは、最後の最後まで闘いつづけました。そのバックボーンには、ギド・ブッフヴァルトが言うように、明確な「勝者のメンタリティー」がありました。攻守にわたって、(目立たないボールがないところでのプレーなど)リスキーな闘いにも忠実に、そして積極的に参加していくという意志。意志のあるところには、おのずと「道」が出来てくる・・意志さえあれば、おのずと「道」が見えてくる・・のです。
それにしても、本当にギドは勝負強い星の下に生まれたんだな〜と、つくづく実感していました。そういえば現役時代のギドは、勝負強さの権化とも呼ばれていたんだっけ。機会を見つけて、レッズでの仕事の軌跡や勝者のメンタリティーなどについてじっくりと話し合ってみたいね。近いうちにドイツへ行くから、そのときにアクセスしてみましょう。もちろん内容については、このHPだけではなく他のメディアでも発表しますよ。
とにかく、おめでとう、浦和レッズ、おめでとう、ギド・ブッフヴァルト。
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