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2007_ヨーロッパの日本人・・遠方からの「刺激」に応えつづける中村俊輔・・(2007年2月13日、火曜日)

中村俊輔は(基本的には)パサーだ・・中村俊輔はディフェンスが出来ない・・彼を使うためには、周りで走る選手が必要になる・・等々。

 それは、ある雑誌のインタビュー記事だけれど、相変わらずイビツァ・オシムさんの「遠隔操作チャレンジ」がつづいている。それもまた世界的な情報化のタマモノなのだけれど、総合的に、うまく実効が伴っていると感じますよ。

 もちろん中村俊輔も、そんなジャブに負けてはいない。確固たる自信をベースに、遠方からの「刺激」をしっかりと受け止め、これでもかとカウンターを繰り出しつづけるのです。そして私は、そんな「間接コミュニケーション構図」に舌鼓ってな具合。

 2月10日に行われた第27節のセルティックホームゲーム。これ以上ないというほどの強烈なエネルギーをぶつけてくる屈強なハイバーニアンだったけれど、そこでも俊輔は、ハイレベルな「意志」を魅せつづけましたよ。個人事業主としてのプライドに支えられた強烈な意志。攻撃でも、守備でも。

 全体的な運動量の増幅・・動き回るゾーンの複合化(彼自身が描くタスクイメージのポリヴァレント化!?)・・増幅するチェイス&チェック・・前半3分に魅せた、チェイシング&全力タックルによるボール奪取シーンに代表される守備コンテンツの発展・・常に、ボール奪取シーンへ絡んでいこうとする高い守備意識・・相変わらず魔法のようなボール扱いと(ダイレクトも含む)シンプルで効果的なパス・・そして、ドリブル勝負チャレンジの深化・・等々。

 そんな中村俊輔のプレーコンテンツを見ていて、高みで安定しているという表現よりも、どんどんと「深化」しているといった方が適切だと感じていた湯浅です。

 これだけ頻繁に彼のプレーを観察しているのに、毎回、何らかのポジティブな発見があるんだからね。もちろん、「そのように期待をもって見ているから」という側面も否めないけれど、俊輔のパフォーマンスには、「そのこと」だけでは測りきれない「強い意志」が内包されていると感じるのです。

 たしかに中村俊輔は「ホンモノの勝負ドリブラー」じゃないよね。でも、日本代表にホンモノのドリブラーなんているのかい? 攻守にわたって組織(共同作業)プレーを前面に押し出していく「べき」日本代表の場合は、加地やアレックスなど(またトップフォームまで回復した田中達也も!?)、組織プレーの流れにタイミングよくミックスしていく局所的なドリブル勝負に威力を発揮するというタイプの選手ということでしょ。

 もちろん、正対した状況から、常に一人か二人を「置き去り」にできるくらいのスーパーなドリブラーがいれば、イビツァ・オシムさんのチーム戦術イメージにも広がりが出てくるだろうけれどサ。でもね・・。

 俊輔のディフェンスだけれど、いつも書いているように、1対1という状況で、相手のスピードを抑えることが出来れば、かなり効果的なボール奪取(まあ、スリのような瞬間的なクレバー動作でのボール奪取)を魅せていますよ。相手のボールコントロールが読めるということなんだろうね。もちろんスピードで勝負されたらブッちがられてしまうけれど、そんな状況に陥らないようにクレバーにポジショニングしているしね。

 もちろん、イビツァ・オシムさん言うように、中村俊輔の守備は、全体的なディフェンスの流れのなかで「主役を張る」ようなタイプとは違うけれど、それもまた、日本チームの特長である「組織的ディフェンス」のなかでは大切なファンクションだからね。要は、有機的に連鎖するべき(ボール奪取勝負フローの)イメージの流れに乗ってさえいれば、しっかりと効果的な「役割」を果たすことができるということです。

 




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