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- 2007_ヨーロッパの日本人・・松井大輔・・(2007年9月2日、日曜日)
- ヘ〜〜・・。フランスリーグ、リヨン対ル・マン。この試合でも先発した松井大輔が、なかなかのコンテンツを魅せてくれたのですよ。
彼の試合は、継続的に観戦しています。でも、これまでは落胆させられることの方が多かった。それが最近になって、徐々に「オッ!?」というポジティブな興味を引き出すようなプレーが見られるようになったのです。
以前は、「(攻守にわたって)自分のゾーンをしっかりと意識してプレーすることが大事・・ゾーンのバランスですかネ・・」などと、ワケの分からないことを言っていた。たぶん誰かからの受け売りなんだろうけれど、現代サッカーでは、フランス代表も含めて、ゾーンのバランスなどといった発想にとらわれることはありません。
要は、いかに攻守にわたって数的に有利な状況を演出しつづけられるかという、トータルフットボール(全員守備、全員攻撃)の根源的なテーマをベースに(それを志向するカタチで)チーム戦術が立てられるようになっているということです。その流れのなかで、例えば攻撃では、いかに組織プレーのなかに効果的に個人勝負プレーをミックスしていけるか(個人の才能を実効あるカタチで発揮させられるか)などの個別テーマに取り組むことになるというわけです。
ゾーンのバランスね〜〜・・。私は、左サイドに張り付いてプレーする松井を見るたびに、フラストレーションを溜めたものです。これじゃ、松井大輔という才能が死んでしまうぞ・・。
それが、ここ最近になって徐々に変化の兆しが感じられるようになってきた。プレーのゾーンも、たしかに左サイドを基盤にしてはいるけれど、そこにこだわり「過ぎる」ことなく、臨機応変にスペースを探しつづけるようにもなった。守備でも、自分のゾーンなどとは関係なく、あくまでも、ボールを奪い返すという守備の目的を達成するためにアイデアと行動力を尽くすように変化してきた。松井も目覚めたのだろうか・・。
このリヨン戦でも、たしかにチャンスには直接的に絡めなかったけれど、攻守にわたるボールがないところでの貢献度は、以前とは比べものにならないほど良くなっていると感じたものです。
守備でのチェイス&チェックは言うに及ばず、ボールがないところでの「ボール奪取ターゲットイメージング」もなかなかのものです。しっかりと狙っているからこそ、次、その次でも、ボール奪取の勝負所に絡んでいけるというわけです。
また攻撃でも、ボールがないところで動き回っているから、また、シンプルにボールを動かせるようになっているから(パス&ムーブのイメージもアップ!)良いカタチでボールに触れるようになっているし、だから個の勝負にも威力が出てくるようになった(前半13分の左サイドでのドリブル勝負からのクロスは秀逸!)。
もちろん、こちらの期待が高まっていることで、(特にボールなしのプレーなど)攻守にわたる課題もどんどん見えてきているけれど、大事なことは、いまの松井大輔が、そんな課題をクリアできるベクトル上に乗っているということなのですよ。以前は、まさに後ろ向きの停滞ベクトルから踏み出せていなかったからね。そんな悪循環から比べれば、まさに光明が見えはじめているというわけです。
オシム監督は、そんな松井大輔の「意識の変化」をしっかりと把握しているからこそ日本代表に招集したんだろうね。とにかく今の松井のプレーには「明確な意志」を感じますよ。そう、攻守にわたる「全力ダッシュの量と質」が格段に高揚しているということです。
意志のあるところには、おのずと道が見えてくる。もちろん私も、オシム日本代表のオーストリア遠征の「証人」になってきます。これで、田中達也や山瀬功治、そして稲本潤一だけではなく、松井大輔という楽しみも増えた。よしよし・・。
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しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。本当に久しぶりの、ビジネスマンをターゲットにした(ちょっと自信の)書き下ろし。それについては「こちら」を参照してください。
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