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2007_「U22」・・プレイイメージの柔軟性とリーダーシップ・・(マレーシアvs日本、1-2)・・(2007年3月14日、水曜日)

フレキシビリティー・・!?

 要は、この試合での日本オリンピック代表は、柔軟に「状況」を見極め、それに適合しなければならないというテーマを学習したとということです(試合前のゲーム戦術として・・または、グラウンド上の選手たち自身が、強い意志をベースにしてプレーイメージを調整する!)。何といっても、あのグラウンド状況じゃ、ボールを走らせることは世界トップ選手でも難しいからね。

 対するマレーシアは、初めからゲームのやり方をクリアにイメージしていたし、それで全員の意思が統一されていた。そして、中盤での組み立てを省略する勢いで、とにかく早く(ロングパスなどで)前線へボールを運び、そこから、ラストクロスやドリブルシュート(中距離シュート)など、シンプルに仕掛けていった。

 水が溜まっていないところでも、ボールの走り方は重かった。にもかかわらず、日本選手は、ドライグラウンドでのボールの動きをイメージしていたから(!?)、どうしても組織プレーイメージが狂ってしまう。そんなことは試合前から分かっていたことじゃありませんか。また、数分もプレーすれば分かるはず。でも、日本チームのプレーコンテンツに変化を感じることはなかった。

 もちろん、自分たちがイメージするやり方でもチャンスは作り出したよね。梶山の、ネバリのワンツー突破からのシュートや、本田圭佑が送り込んだスーパークロスからの青山敏弘のスーパーボレーシュートなど(青山敏弘は良かった・・後半でも、ココゾの場面で決定的シーンに絡んでいた・・優れたシャドー・ボランチ!?)。

 でも、それ以外の仕掛けコンテンツは、まさにジリ貧でした。ボールが走らないことを分かっている選手たちは、当然、ボールがないところでの動きが緩慢になってくる・・だから、ボールの動きが緩慢になってくるのも道理・・また、ボールを最終勝負ゾーンまで持ち込んでも(クロスや最終勝負するーパスなどを送り込める状況でも)センターにいる選手たちは、足を止めてボールを待つばかり・・。まあ、自分たちのイメージ通りにボールが動いてくれないのだから、行動がパッシブ(受け身)になるのも仕方ないよね。

 だからこそ、試合前のゲーム戦術として、仕掛けイメージを「調整」しておくことが大事だったと言っているのです。もっと言えば、グラウンド上でプレーしている選手たちが、主体的に(そして柔軟に!)やり方を変え、そのことを、チーム全体で「意思統一」出来なければならなかったということです。

 ボールを持ち上がり、ある程度の「高さ」まできたら、組み立てのパスをつなごうとするのではなく、シンプルなタイミングで相手GKと最終ラインの間に広がる決定的スペースへポールを送り込む・・そこでは、最前線の平山が「オトリ」になり、その脇を、家長昭博や増田誓志、はたまた両サイドの本田圭佑や水野晃樹が抜け出してボールを受け、最終勝負を仕掛けていく・・または、クサビのパスを受けた平山が、その脇をすり抜けていく味方へのタテパスを「流し込む」などなど・・。

 とにかく、この様なグラウンドコンディションだからこそ、逆に、ものすごく効果的なゲーム戦術も繰り出せるのですよ。特に前半。日本が攻め込むサイドのグラウンドコンディションは最悪だったからね。早めに(決定的)スペースへボールを放り込んでおけば、また走り込む方も、その「仕掛けコンテンツ」をしっかりとイメージできていれば、相手ディフェンスも、クリアするのに四苦八苦したはずだよね。そう、後半の日本が苦しんだようにネ。タラレバで、スミマセンね。

 グラウンド上のリーダーシップというテーマ。どうなんだろう、キャプテンの伊野波は、試合中にチームのマインドをリードできなかったのだろうか・・私は、梶山陽平に期待していたのだけれど・・青山敏弘や増田誓志はガンガン主張する(声を張り上げる)タイプじゃないのかな・・家長昭博や本田圭佑は、どうなんだい・・。

 まあ、とにかく勝ち点「3」が取れて良かった。その前提があるから「学習すべき内容」に関して書く気になったわけだからね。柔軟に、積極的に、そしてダイナミックに・・。

 




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