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2007_「U22」・・心理マネージャーとしての反町さんのウデに期待しましょう・・(日本vsマレーシア、3-1)・・(2007年6月6日、水曜日)

まず、試合内容に関する反町さんのコメントから。

 勝てたことは嬉しい・・ただし手放しでは喜べない・・選手も一生懸命やっていたことは評価するが、それは大人のサッカーではなかった・・ボールに足がついていなかった・・判断に大きな課題がある・・判断が悪いからリズムが崩れる・・後方からのビルドアップがうまくいかない・・だから魅力的なサッカーにならなかった・・等々。

 まあ、そういうことだよね。私のメモでは、スムーズに組織プレーが流れない・・局面での個人勝負をブツ切りに積み重ねるサッカー・・人とボールがうまく動かない・・だからマレーシア守備ブロックを振り回せないし、決定的スペースを攻略できない・・といった文字がおどっていました。

 ということで、このコラムのテーマに入ることになります。チーム緊張感を高めるための(反町さんの弁)本物のライバルの発掘にために活用するのか、それともチーム戦術を醸成させるための機会として活用するのか・・。要は、このゲームの位置づけ(具体的な目的)に関してです。

 それに対して反町さんは、二次予選の最終ゲームということもあり、メンバーを絞り込む(ライバルを発掘する)というテーマに特化したと語っていました。まあ、反町さんがそう決断したのだから、それを尊重しなければいけません。だから、そのこと自体をディスカッションテーマにするのではなく、その目的をピックアップすることにしました。要は、肉を切らせて骨を断つという極限の勝負になる最終予選へ向け、いかにチームの緊張感と闘う意志を高揚させていくのかというテーマ。

 最終予選では、抽選で決まる3グループ(各4チーム)において、そのトップにならなければ北京オリンピックの扉は開かない。相手は、サウジアラビア、イラン、韓国、北朝鮮、オーストラリアなど、言わずと知れた強者たちです。だから二次予選のようにはいかない。そこでは、最高の意図と、極限の闘う意志が必要になってくる。だからこそ、チームのフォーム(物理的・心理・精神的な状態)を極限まで高揚させていかなければならないのです。

 「いま反町さんがもっとも大事だと思っているテーマは、チーム内の(バランスの取れた)緊張感の醸成だと思う・・そのことは、ライバル関係を強化したいという発言に現れている・・たしかにライバル関係は大事だけれど、闘う意志を高揚させるための方策として、他にどんなものが考えられるだろうか・・例えば、反町さんが(選手たちの)共通の敵になるとか・・」。そんな質問をぶつけてみました。

 もちろん具体的な方策など、この時点で挙げられるはずがありません。ということで彼のコメントも、「代表として集まる機会は限られている・・だから、クラブでのトリートメントも大事・・各クラブの監督さんにも協力を仰がなければならないと思っている・・」といったところに落ち着きました。

 それでも、反町さんが、厳しい最終予選をイメージしていることはヒシヒシと伝わってきました。

 「チーム緊張感をアップさせることで選手たちを大人にする・・大人のプレーが出来なければ最終予選を突破するのは難しい・・今回の合宿では、サッカー的なもの以外にも、社会性など、様々な視点で選手を評価した・・」。まあそれは、パーソナリティーに対する評価ということなんだろうね。まさにおっしゃる通り。最後の最後に頼りになるのは、ギリギリまで闘えるだけの強い意志を備えた「大人」だからね。

 緊張感を演出することで闘う意志を極限まで高揚させる・・。そんな頼もしい宣言をした反町監督。とにかく、彼の「心理マネージャー」としてのウデに期待しましょう。

 




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