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2007_ワールドユース・・ギリギリの闘いという環境こそが人を育てる・・(日本対コスタリカ、1-0)・・(2007年7月5日、木曜日)

フム〜・・もちろん「相手によって内容がガラッと変わる」というのがサッカーだけれど・・。

 初戦の相手だったスコットランドは(日本が3-1と快勝)、テクニック&スキルは高くありませんでした。だから、日本チームの前からの協力プレスが面白いように決まったし、イメージ通りのボール奪取をベースに、自分たちが志向する、組織プレー(人とボールの活発な動きからのスペース活用!)と個人プレー(ドリブル勝負など)が高みでバランスする攻撃を仕掛けていけた。ただコスタリカは、そんなに簡単な相手ではありません。技術(戦術)的にも体力的にも、また心理・精神的にも、まさに世界基準のチームなのです。

 ということで、相手の上手さやパワー&スピードをグラウンド上で体感した日本の若武者たちは、立ち上がりから前半30分あたりまでの時間スパンでは、徐々にプレーのダイナミズム(活力・迫力・力強さ)を失っていくというネガティブな流れに乗ってしまいました。それは、心理的な悪魔のサイクルにはまりかけていたとも言えそうです。

 守備では、スコットランド戦では面白いように決まった前からの協力プレスだったけれど、この試合では、コスタリカの上手さに、プレスの勢いを上手く「かわされ」、そして置き去りにされてしまうというシーンも出てくるのですよ。そして選手は、ちょっと弱気の心理状態になり、攻守にわたるリスクチャレンジへのスピリチュアルエネルギーレベルも減退していった・・。

 そのように守備がうまく機能しないのだから、彼らが志向する人とボールを活発に動かしながら(上手くスペースを活用しながら)組織プレーと個人勝負プレーを高みでバランスさせるような攻撃を機能させられないのも道理。また、そんなネガティブな流れのなかで、コスタリカに決定的チャンスまで作り出されてしまうのです(右ポストを10センチだけ外れたことで命拾い)。

 ちょっと危ない流れだな・・とにかくここは我慢だ・・守備の機能性を高みで安定させるようなリーダーシップは誰が取るのか・・そこで自分たちのイメージと自信を取り戻せれば、必ず盛り返せるはずだけれど・・。それは、ちょっと心配の方が先に立った時間帯でした。ただそこから、我らが若武者たちがゲームの流れを掌握していくのですよ。そんな、主体的にゲームの流れを再活性化できたという現象こそが、このゲームでのもっとも重要なポイントでした。

 そこでは、とにかく「安定した積極守備」こそが全てのベースでした。スコットランド戦のように簡単にボールを奪い返せない・・コスタリカの場合は、安易なアタックは命取りになる・・だから、我慢に我慢をつづけ、次、その次でボールを奪い返す・・。そんなイメージがテレビ画面を「通じて」伝わってきたものです。もちろん、1対1での粘りのウエイティングシーンだけではなく、ボールがないところでの忠実な守備アクションなどを通してですよ。

 この「盛り返し」のバックボーンは何だったのか・・。柏木の攻守にわたるリーダーシップ? 田中と梅崎による、両サイドバックとのタテのポジションチェンジ? この、サイドゾーンを協力して攻略していくのはこのチームの生命線だからな・・。もちろん、最終ラインのリーダーである福元の、最後尾からの指示や叱咤もあっただろう・・。

 ネガティブなゲームフローを、自らのチカラで(!?)逆流させた若武者たち。たしかに決定的チャンスはほとんどなかったけれど、そのワンチャンスをキッチリと決勝ゴールに結びつけた若武者たち。それは、自信と確信レベルの高揚にとって、またチームの発展にとって、ものすごく貴重な体感だったに違いありません。本物の闘いという環境こそが人を育てる・・。

 深いコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包した興味深いゲーム。テレビ観戦しながら、トーナメントを通じたこのチームの発展プロセスをもっと観察したいという思いを強くしていました。とはいっても、これからアジアカップだしな〜〜。仕方ないから、誰かにこれからの彼らの闘いをビデオに記録しておいてもらいましょう。

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 さて、今日から「アジアカップ」へ出かけます。まず、バンコクで開幕の二試合を観戦し(タイ、オーストラリア、イラク、オマーン)、7月9日の早朝にハノイへ飛んで「日本対カタール」を観戦するという立ち上がりスケジュール。

 そこでは、昨年のドイツワールドカップのように、「日記」的に毎日コラムをアップしようかなとも思っています。さて、どうなることやら・・。

 最後に、7月11日に、本当に久しぶりの書き下ろしを出版することになりました。その情報について「こちら」を参照してください。それでは、次はバンコクから・・。

 




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