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- 2008_「ユーロ08」・・今回のスペインは、タイトル志向という意味で「ホンモノ」かもしれない・・スペイン対スウェーデン(2-1)・・(2008年6月15日、日曜日)
- どうも皆さん。今回のタイ遠征では、このコラムが最後ということになります。ここを夜中に出発する「(通称)おはよう成田便」で帰国するため、本日の「グループA」の最終節については、帰国してからビデオ確認ということになります。まあ、順当にいけば、ポルトガルとチェコが決勝トーナメント進出ということになるはずだけれど・・。
ということで、昨日の「グループD」。強いね、今回のスペインは。彼ら本来の「美しさ」を前面に押し出しながらも、勝負にも強い。
スウェーデンだけじゃなく、ベルギーとか、もちろんドイツとか、激しい守備とシンプルな組織攻撃プレーを展開する「大男たち」には、殊のほか弱いという印象が強いスペインだけれど(まあ部分的には、こののゲームでも深層のコンプレックスを露呈する時間帯があったとはいえ・・)今回はたしかに違うように思う。
前回のコラムでは、オランダと絡めながら、こんなニュアンスを書いた。
・・組織と個がうまくバランスしている・・ワントップのフェルナンド・トーレスが、ポストプレーだけじゃなく、しっかりと決定的スペースへ抜け出したり、自らドリブル勝負を仕掛けたり、はたまたタメからのスルーパスを送り込んだり・・
・・要は、ワントップとのイメージシンクロを基盤に、セカンド・ストライカーとの組織的な協力作業がうまく機能していたということ・・何といってもダビド・ビジャ、ダビド・シウバやアンドレス・イニエスタも「三人目や四人目」として存分に機能する・・
・・選手のタイプをうまくバランスさせるような采配を魅せるアラゴネス監督のウデを感じる・・
とはいってもこの試合でのスペインは(前述したように前半は)例によっての優れた闘う意志を前面に押し出す組織サッカーを展開するスウェーデンに、どうもうまく効果的なコンビネーションや勝負ドリブルを繰り出していけない。相手の忠実なマーキング(=意志のチカラ)を凌駕してしまうような強烈な自己主張(=意志のチカラ)を表現できないスペイン。意志のぶつかり合いで、先にビビッてしまう!? まあ、そういうことなんだろうね。それこそが、彼らの弱さの本質的なもの「だった」と思うのですよ。
でもこの試合では、後半に吹っ切れた。闘う意志のぶつかり合いでも、徐々に互角以上の勢いを保てるようになったと感じたのですよ。それもまた「サッカー国際化」の影響が徐々に積み重なってきたことによる現象だと言えるだろうね。
以前のスペインとは違い、いまでは、何人もの選手が外国で(イングランドで)プレーしているし、レアルとかバルサに代表される多国籍軍という存在や、インターナショナルマッチも多くなっていることも含めて、外国との「体感レベルの関わり」が多くなったからね。特にフェルナンド・トーレスは、「あの」アングロ・サクソンのサッカー文化で強烈に揉まれている。彼の闘うマインドが強くなるのも道理なのです。
それにしても、後半ロスタイムに飛び出したダビド・ビジャの決勝ゴールは劇的だった。その前には、押し込まれつづけていたスウェーデンのセットプレーからのチャンスもあったから、まさに劇的な決勝ゴールという印象が強い。
グループ一位突破を決めたスペイン。決勝トーナメントでは、どこまで勝負に徹するマインドを高揚させられるかが注目ポイントですかね。言い換えれば、彼らの心の深層にある「美しさへの希求」を(アラゴネス監督が!?)いかに抑えるのかとも表現できる!?
ちょっとまとまりがないけれど、今日は、こんなところです。ではまた日本で。
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ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。
基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。
いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。
蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。
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