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2009_ACL準決勝・・残念ではあったけれど、まあ、自業自得とも言えそうだネ・・(GRvsアルイテハド, 1-2)・・(2009年10月28日、水曜日)

「やっぱり」ダメだったか〜・・

 ここで「やっぱり・・」という表現を使ったのは、グランパスの先発メンバーにアレックスが入っていたからです。それも、サイドバックじゃなく、攻守にわたって、汗かき仕事を全力で探しつづけなければならないなど、さまざまな意味で、中盤の「勢いの牽引車」となるべき守備的ハーフの一角としての先発だからネ。

 彼のプレーでは、攻守の目的を達成しようとする意志の象徴としての全力ダッシュなど、(言うまでもなく!?)ほとんど見られなかったし、アルイテハドが先制ゴールを挙げたシーンじゃ、ゴール前まで戻ってはいたけれど、単にボールウォッチャーになるばかりで、相手シューターを(予測ベースで=全力の意志エネルギーを傾注して!)止めに入るような全力スライディングを仕掛けようともしていなかった。そして、例によって、パスを出してから「トンコッ・・トンコッ」っちゅう怠惰なリズムでジョギングするばかり。フ〜〜・・

 アレックスの守備的ハーフパートナーとして先発したブルザノビッチはいいよ。たしかに、ボールがないところでの汗かきチェイス&チェックなど、守備では甘いところもあるけれど、最低でも、中盤の底から、前への勢いを増幅できるだけの積極性はあった。それに引き替え、アレックスは・・。

 もちろん、上がらずに(守備を主体にプレーしながら)後方からパスを供給する「中盤のアンカー」的なプレーイメージを与えられていたのかもしれないけれど、それにしても、あんな怠惰なプレー姿勢では、チーム内に「ネガティブな心理ビールス」を振りまいちゃうばかりだろ〜〜に・・。

 もちろんボールを持てば、しっかりとキープできるし、良いパスも出せる。でも、この試合でもっとも大事だったことは、とにかく、攻撃の勢いを増幅することだったんだよね。その意味で、アレックスは、ブレーキでこそあれ、「加速要因」としては、まったく貢献できていなかった。フ〜〜・・

 たしかにグランパスは、何度か決定機を作り出した。もちろん、サイドからの仕掛けクロスやアーリークロスを送り込むことで、ケネディーや巻佑樹のアタマを効果的に活用するというイメージ。

 それでも、全体的な「押し上げの勢い」が十分ではないから、どうしても、アルイテハドを圧倒するようなゲームの流れに持っていけないし、クロスボールをシュートに結びつける「アクション」にしても、まさに「単発」という体たらくなのですよ。(守備的ハーフが爆発的な上下動を繰り返すなど!)うまく攻撃に人数を掛け、厚みを演出できていれば、チャンスの状況で、二重、三重の「厚みのあるシュートの輪」を作り出せたはずなのに・・

 先週のアウェー戦では、(気温32度、湿度75パーセントという)厳しい気候条件だけではなく、開始早々の8分に一人退場させられてしまうという悪条件が重なったことで「組織プレス」が効かず、結局は相手の「個のチカラ」にやられてしまった。

 アルイテハドは、基本的に「足許パス」ばかり。たしかに、ある程度はボールを動かすことはできるから個のドリブル勝負には入れるけれど、スペースは上手く使えない。まあ何度かは、ココゾのチャンスでは、コンビネーションをうまく活用してスペースを攻略するシーンもあったけれど・・。

 そんなアルイテハドと対峙したアウェーでのグランパス。気候的な厳しさや、一人足りないという悪条件が重なって、(分かっていながら!)効果的に相手ボールホルダーや次のパスレシーバーへのチェックを仕掛けていけなかった。

 それでも今日のホームゲームでは、やることは唯一という「強い意志」で統一されているはずだし、涼しい名古屋での闘いだから、攻守にわたる人とボールの激烈な動き(闘う意志の相乗的な炸裂!)による「超」ダイナミズムを基盤に、ケネディや巻の高さ「も」存分に活用することで、少なくとも(結果とは関係なく!)、アルイテハドを凌駕し、ゲームを完璧に支配するはずだった・・けれど・・

 フ〜〜・・。まあ・・仕方ない。

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 ところで、拙著「ボールのないところで勝負は決まる」の最新改訂版が出ました。まあ、ロングセラー。それについては「こちら」を参照してください。

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 ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。

 基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。

 




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