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- 2009_ACL準々決勝・・フロンターレに一日の長あり・・グランパスは、武器を有効活用すべき!?・・(FRvsGR, 2-1)・・(2009年9月23日、水曜日)
- 「この試合では、自分たち自身で自らを追い込み、苦しんだという側面もあったということだと思います・・ハーフタイムには、選手たちに(キモチとプレーが!?)硬すぎると言ったのですが・・」
「グランパスに先制を許してから、少なくとも3-4本は、まさに100パーセントといった絶対的チャンスを作り出した・・でも(不思議なことに!?)決められず、後半も、中村憲剛のラッキーシュートが決まるまで(関塚監督が言うように)たしかにプレーの硬さが取れていなかった・・そんな展開がつづいたら(経験豊富な監督だからこそ!)もしかしたらこのまま・・といった、結果に対するネガティブなイメージが頭をもたげてくるモノだが?」
そんな私の質問に対して、フロンターレの関塚監督が、冒頭のように答えてくれた。とはいっても、たぶん彼も(牛若丸の同点ゴールが決まるまでは)内心、クラ〜〜いキモチに襲われていたに違いない。もちろん彼の場合は、そんなネガティブなマインドなど?(おくび)にも出さず、「オレは、ポジティブな希望にあふれて前へ進んでいるんだぞ〜!」なんていうプラスエネルギーを放散しまくっていたに違いないだろうけれどネ。でも内心は・・あははっ・・
ホントに、あれほどの決定機を外しまくったら(それに、「あの」ジュニーニョもだよ!)、そりゃ、イヤな感覚に苛(さいな)まれもするよな。ジュニーニョは、決められなかったことで、味方のレナチーニョまで「押しのけて」無理な体勢でのドリブル突破をゴリ押ししようとまでしていた。硬く、ネガティブな雰囲気がチーム内に充満するのも当たり前の展開だった!?
だからこそ、いくらラッキーとはいえ(もちろん、ニアポストゾーンへの鋭いラストパスを狙った憲剛は、直接ゴールの可能性も意識していただろうけれど・・)あそこで同点ゴールが決まったのは大きかった。難しいよね・・。サッカーは究極の心理ゲームだから。心理状態で、パフォーマンスが何倍にも高まったり、逆に地に落ちてしまったりする。
でもわたしは、前半からのフロンターレの出来は、決して悪いモノじゃなかったと思っていましたよ。いくらゲームをコントロールしているとはいえ、まったくといっていいほど決定的なスペースを攻略できず、シュートまで行けないグランパスに比べれば、ゴールの可能性という視点では、前半からフロンターレの方が格段にハイレベルだったことは誰の目にも明らかだったはずです。
その「現象」のバックボーンは、やはり「個のチカラの差」というテーマに帰結するかもしれない。グランパスにゲームをコントロールされているフロンターレだったけれど、彼らは、ひとたび良いカタチでボールを奪い返せば、中村憲剛とかジュニーニョ、はたまたチョン・テセといった(普段は組織プレーに忠実でも・・!?)ケースバスケースで究極の「インディビディアリスト(個人主義者≒プラスニュアンスでのエゴイスト≒リスクチャレンジャー!?)」になり切れる天賦の才を擁(よう)しているからね。
そりゃ、ジュニーニョの直線的でスピーディーなドリブルは脅威だよ。あっと・・そんな前線選手だけじゃなく、サイドバックの森勇介とかも、チャンスとあらば、「ドカンッ!!」なんていう爆発音が聞こえてきそうな急激なテンポアップで、吹っ切れた勝負ドリブルを仕掛けていきますよ。たしかにフロンターレの攻撃力には、並外れたパワーが備わっている。
そんなフロンターレに対し、全体的には優れた組織プレーはしていたけれど、どうしても最終勝負プロセスに入ったら、フロンターレ守備ブロックを振り回すことができないグランパス。だから、ポゼッション(ボール保持率)は高くても、それが決定的なシュートチャンスにまでつながらない。
それは、最終勝負プロセスでのボールのないところの動きが、まだまだ緩慢だからに他なりません。だからフロンターレ守備ブロックも「前を向いて」簡単に対処できていた。
相手フォワードの一人が自分の眼前にポジションを取っている状態で、自分の背後スペースに、相手の二人目、三人目がフリーランニングで入り込んでくるようなエマージェンシー(危機的状況)を演出できて初めて相手守備ブロックを混乱に陥れた(崩し切った)と言えるのですよ。でもグランパスの場合は・・
とはいっても、彼らには、決定的な武器があります。そう、先制ゴールを叩き込んだ、オーストラリア代表ケネディの「アタマ」。とても高く、力強いヘディングです。
もちろん、ヘディングシュートだけではなく、勝負イメージが明確にシンクロした、アタマでパスを落とすコンビネーションプレー(ポストプレーの一種)にも有効に活用できる。ケネディのアタマでの「落とし」を明確にイメージした二人目、三人目が、ケネディの周りのスペースに忠実に(タイミングよく)入り込むのですよ。
でもグランパスは、そんな有効な武器を、効果的に「活用し尽くしていた」とは言えなかった。もちろんケネディも、足での組織パスプレーに参加したいだろうし、そこでも、しっかりとしたプレーができるよね。だから最前線での「アタマ・ポストプレー」だけじゃ不満でしょ。
それは分かる。でもサ、最後の時間帯のグランパスは、一点ビハインドだったわけだから、そこでは、緊急的な「スポット戦術」として、彼をスピアヘッド(ヤリの先=センターフォワード)に置き、そこへ、とてもシンプルなタイミングで、どんどんボールを放り込む・・なんていうゴリ押しのパワープレーがみられても良かったのではないか・・と思う筆者なのですよ。
もちろん、そのパワープレーの効果を極限まで引き出すためのトレーニングは必須の条件ですよ。もし、その「イメージトレーニング」がやられていないのだったら、そりゃ、全体のプレーがバラバラになってしまうのがオチだろうけれどネ・・。
そんなコトを考えながら、エキサイティングに盛り上がった最後の時間帯を観察していたという次第でした。いや、ホント、様々なゲームの流れの変化を観察できたし、とても興味深い勝負マッチではありました。
さて、瑞穂での第二戦。
誰もが思い描くシナリオ・・。それは、勝たなければならないグランパスが、リスクを冒して(人数を掛けて)攻め上がり、そんな流れのなかで、ショートカウンターをビシバシ決めてしまう(要は、アウェーゴールを量産する!?)フロンターレ・・ってな具合ですかね。
まあ・・ネ・・今日のサッカー内容を観ていたら、フロンターレが準決勝に駒を進めるのが順当だとは思うけれど、そこはサッカーだから、何が起きるか分からない。
「あの」ピクシーが、守備ブロックを(人数をかけて)固め、逆にグランパスがカウンターを狙うような展開を志向したゲーム戦術を選択したりして・・。グランパスは、「1-0」で勝利しさえすれば、彼らが準決勝に駒を進めることになるわけだからね。手堅く、手堅く・・ガマンにガマンを重ねて「ワンチャンス」を狙うというイメージトレーニングを積み重ねてフロンターレとの勝負マッチに臨むことだってアリだよね。そうすれば、フロンターレがオタオタしちゃったりして・・。
それとも、お互いに「究極の様子見サッカー」で終始するなかで、両チームとも、蜂の一刺しのワンチャンスを狙いつづける・・なんていう、極限のテンションマッチ(最高の緊張感が支配する勝負マッチ)になったりして。そこで、誰が、その緊張の風船に針を刺すのか・・フムフム・・
とにかく、第二戦も見逃せないよね。でもわたしは、多分テレビ観戦ということになりそうです。悪しからず。
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ところで、拙著「ボールのないところで勝負は決まる」の最新改訂版が出ました。まあ、ロングセラー。それについては「こちら」を参照してください。
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ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。
基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。
いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。
蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。
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