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2009_長谷部誠・・ 攻守にわたって自ら(汗かき)仕事を探しつづける(究極の!?)能動プレイヤー・・(2009年10月2日、金曜日)

すごいネ〜、長谷部誠。守備でも、攻撃でも、とにかく「最初に」アクションを起こしているという印象を残すプレイヤーの筆頭は、間違いなく彼なんだからね。

 長谷部誠については、ケガなどがあって(コラムで取り上げるのが)ご無沙汰気味になってしまったけれど、しっかりと、ブンデスリーガを中心にフォローしていますよ。ということで今回は、一昨日(9月30日)マンチェスターで行われた、マンUとのアウェーUEFAチャンピオンズリーグについてコラムをアップすることにしました。

 テーマは、攻守にわたって「自ら仕事を探しつづける」究極の能動プレイヤー長谷部誠。

 冒頭で書いたように、このコラムで扱うのは、常に、誰よりも早くアクションを起こす長谷部誠・・というテーマ。それこそが、プレイヤー長谷部誠が放散しつづける優れたインテリジェンスの証明だと思いますよ。常に、次、その次・・と、予測ベースで、自分のプレーの可能性イメージを脳裏に描写しつづける(自分が出来るプレーの可能性を膨らませつづける!?)。まさに、究極の「能動アクションプレイヤー」という称号に相応しいじゃありませんか。

 たしかに派手な勝負ドリブルとかは(レッズ時代よりは)目立たなくなったけれど、相変わらず忠実でクリエイティブな(味方と協力してボールを奪い返すという意味で)素晴らしい実効レベルのディフェンスを絶対的な基盤に(そんな効果的ディフェンスがベースになっているからこそ!?)、ボールを持ってからの、しっかりとした技術に裏打ちされた着実な「つなぎプレー」に対しても、チームメイトから全幅の信頼を寄せられるのですよ。

 チームメイトの誰もが、逡巡なく、「長谷部誠を使おう」というイメージで彼にボールを回しているからネ。もちろん(長谷部誠を使って)自分をもっと活かす(目立たせる)という意味合いも含めてだけれど、近頃では、長谷部も、仲間をうまく使って自分が目立とうとする意志を感じさせるようにもなっているしネ。良い、良い・・

 ところで、長谷部の「つなぎプレー」だけれど、そこでは、次元の低い「逃げの姿勢」など微塵も感じません。彼の「確実パス」には、常に、何らかのチャレンジマインド「も」込められているのですよ。

 大事なことは、チームメイトが、そのプレー姿勢を高く評価し、信頼しているということです。だからこそ、ミスをしても(それがチャレンジベースであるからこそ!)誰も文句を言わずに、そのミスをリカバーするために全力で走るわけです(汗かきのカバーリング・・)。それこそ、互いのレスペクトをベースにした相互信頼の証。良い、良い・・

 相互信頼・・。味方の「プレー姿勢」については、グラウンド上でアクションしている選手自身が一番よく体感し、「そのこと」を意識しながらプレーしているものなのですよ。誰が、攻守の目的を達成するという視点で、もっとも実質的に貢献しているのか(貢献しようとしているのか)・・という事実をネ。「積極的に」長谷部誠にボールが回されてくるのも道理じゃありませんか。

 そうそう、日本代表にもいるよね。チームメイトが本当の意味で評価する(感謝しレスペクトする)攻守にわたる汗かきのチームプレーをやらない(やろうとしない)のに、止まって「オレにボールをよこせっ!」っていう傲慢な態度でプレーするヤツらが・・。

 もちろん彼らが「ディエゴ・マラドーナ」のような、スーパーな個人勝負プレーを展開できるのだったら、トゥーリオにしたって、頭を下げてボールを渡すでしょ。「よろしくお願いしま〜〜す」ってな具合でネ。あははっ・・

 ハナシが逸れそうになった。もちろんヴォルフスブルクでも、ジェコとかグラフィチ、はたまたミシモヴィッチといったスターは、決定的な勝負プロセスでは中心的な存在になるよね。とはいっても、そんな彼らにしても、その最終勝負プロセスがスムーズに運ぶのを陰で支える「フレーム的な」組織プレーでのハードワークこそが重要な意味を持つことを、よく心得ているはず。だからこそ、その「フレーム的ハードワーク」を黙々とこなしつづける長谷部誠に対するレスペクトも深くなるということです(互いの組織プレーを観ていれば、彼らの相互信頼を体感できる!)。良いね・・

 とにかく、 攻守にわたって自ら(汗かきの)仕事を探しつづける究極の能動プレイヤー長谷部誠に乾杯! あっと・・「究極の」っちゅうのは、ちょっと誇張しすぎかもしれないね・・でもまあ、期待も込めての表現だから・・

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 ところで、拙著「ボールのないところで勝負は決まる」の最新改訂版が出ました。まあ、ロングセラー。それについては「こちら」を参照してください。

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 ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。

 基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。

 




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