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- 2009_日本代表・・交替をキッカケに、意志のパワーによる本物の組織プレーが機能しはじめた・・(南アvs日本、0-0)・・(2009年11月14日、土曜日)
- 日本代表のサッカーは、後半には、とても良い流れを演出できるようになったネ。
いや、後半・・というよりも、その14分に、中村俊輔と松井大輔が、交替でグラウンドに登場し、そして、俊輔とヤット、長谷部で構成する「中盤のトライアングル」が機能しはじめてから・・と表現した方がいいかな。いや、もっと突っ込んだら、稲本潤一と本田圭佑が抜けてからと言った方が正解かも・・
やはりサッカーは、攻守にわたる仕掛けの姿勢(意志のエネルギーレベル)こそがメインテーマだということです。何せ、この「意志のトライアングル」が(いつものように!)機能しはじめてから、攻撃の危険度が大幅にアップしたことは明白な事実だからね。
彼らが中心になってリードし、加速させる様々な「人とボールの動き」が、例によって、有機的に連鎖しはじめたのですよ。そして、中村俊輔が繰り出す素晴らしいタテへの仕掛けパスも、(人の動きが活性化されたからこそ!)南ア守備ブロックを鋭く切り裂いていく。
この現象以外に、このゲームで目立っていたテーマはないよね。とはいっても、これだけで終わっちゃ、ちょっと寂しい。本日の天皇杯(アントラーズ対ヴィッセル戦)コラムで書いたように、今回の南ア遠征は、ビジネスプレゼンテーションが組まれてしまったため、キャンセルせざるを得なくなりました。ということで今は、テレビ中継を見終わった夜中の0200時を過ぎているというわけです。ちょっと、アタマが回らなくなりそう・・
まあ、とにかく限界になるまで、このコラムを書き進めることにしましょう。ということで、まずテーマを「ブレイク・ダウン」しましょうか。それは、こんな感じになりますかネ・・
・・やはり、今の日本代表が志向するサッカーでは、攻守にわたる(自ら仕掛けていく!)全力ダッシュの量と質こそがメインテーマになる・・要は、シュートを打つことと、相手からボールを奪い返すという攻守の具体的な目的を達成しようする『強い意志』を持ってブレーイメージを描写すれば、おのずと、全力ダッシュが増えてくるということです・・それこそが『戦術』と呼ばれるモノの本質・・要は、クリエイティブなルール破り・・あははっ・・
・・中村俊輔にしても、他の「組織プレーで価値のある仲間たち」にしても、攻守にわたって、恒常的に、タイミングのよい全力ダッシュを繰り出していく・・それは、シュートを打つという具体的なイメージや、相手からボールを奪い返すイメージを、何としても(自分が主体になって!?)成就させようとする強烈な意志があればこその現象・・
・・それこそが、イビツァ・オシムが言う「考える」ということに他ならない・・なんてネ・・
・・そこでは、決して、やらされている等という感覚はない・・あくまでも、攻守の目的を達成するために、自ら仕事を探しつづけるという姿勢・・もちろん、互いに使い・使われるという戦術メカニズムに対する深い理解を大前提にして・・だからこそ、考える行為そのもの・・
ちょっとコトを難しく表現しすぎでしょうか。まあ・・そうかもしれない・・ちょっと疲れ気味だから、コトを、より簡単に、そして明確に伝えられるだけの表現力が失われている!?・・フ〜〜・・
とにかくサ・・岡田武史が、攻守にわたる組織プレーの「量と質」を、どのレベルまで高揚させられるかというのが、いまの私の学習(観察)テーマだということが言いたかったわけなのです。
人とボールを動かしつづけ、相手とのフィジカルな接触を極力避けながら、攻守にわたる局面勝負では、できる限り多く、相手よりも数的に優位な状況をつくりつづける・・。
そんな、日本代表が志向する組織プレーの機能性を極限まで高め、そこから、気候的な条件や(相手を分析した上で策定される)ゲーム戦術などによって、様々な妥協をしていくという正しい方向性。
でも、組織プレーの機能性がそのレベルに至る前に、(選手たちにとっての)言い訳の根拠になってしまうような「出来ない理由を与える」等といった愚行は絶対にやっちゃいけないんだよね。だから監督は、孤独な闘い強いられるというわけです。
さて、全力ダッシュの量と質というメインテーマ。
少なくとも、個の才能では代表チームでもトップレベルにある(でも世界が相手じゃ全然レベルに達していない!)稲本潤一や本田圭佑、松井大輔は、そんな、本物の組織プレーを機能させるための絶対的なファクターという視点で、合格点に達しているのだろうか? グラウンド上の(試合の)現象しか知らない私の判断では、まだまだ疑問符がつくけれど、トレーニングや日常生活の現場で、じかに接している岡田武史の判断はどうなんだろうね・・。興味をそそられる。
とにかく、後半14分に為された最初の交替までの日本代表は、両チームが繰り広げる単調なゲームの波に「任せて」揺られているだけでした。それが、その交替をキッカケに、自ら、その波に変化を付けることで相手の波長を乱していった。だからこそ、相手の決定的スペースを突いていけたし、『必然的な!』決定的チャンスを何度も作り出せた。
ということで、もうモティベーションを保てなくなったので、今日はここまでにします。まあ、もしかしたら、明日、書き足すかもしれませんが・・
あっと・・岡崎慎司についてだけは、書き足しておかなければ。
とにかく、ストライカーとしての彼は、ホントに逞しくなった。前半に魅せたタテへ抜け出して放ったダイレクトシュート(ギリギリで南アゴールの右ポストを外れた!)・・後半の、タテパスを受けてからの振り向きざまのシュート(相手GKのスーパーセーブに阻まれた!)・・はたまた、俊輔からの勝負のタテパスを呼び込む、忠実な決定的フリーランニング等々、本当に、本物のストライカーという「オーラ」を放散しはじめたとまで感じられるようになった。
彼が果たしつつある本物のブレイクスルーの本質的バックボーンは何か。取材してみたくなりはじめた筆者ではありました。
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ところで、拙著「ボールのないところで勝負は決まる」の最新改訂版が出ました。まあ、ロングセラー。それについては「こちら」を参照してください。
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ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。
基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。
いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。
蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。
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