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2009_日本代表・・世界ベストフォーを目指して「内なる壁」をブチ破っていくというテーマ!?・・(日本vsカタール、1-1)・・(2009年6月10日、水曜日)

ギョエ〜〜ッ!

 ゲーム後の監督会見が終わって外へ出たら、ポツリポツリと雨が降りはじめていた。その滴(しずく)を肌に感じた次の瞬間、私のアタマのなかで、そんな心の叫びが響きわたっていました。

 今日は(賭けだったのですが・・)雨が降らないと踏み、横浜国際スタジアムまでオートバイで馳せ参じたのですよ。でも・・。自分が濡れるのはいいのですが、濡れた路面で(路面からはね上げる泥などで)オートバイの「奥の奥」まで汚れるのが、とても嫌なのですよ。ビョーキですかね・・あははっ。

 それで、公式記録をピックアップし、すぐにオートバイにまたがってスタジアムを後にしたというわけです。ポツリ、ポツリ・・でも路面は、まだ濡れていない・・ポツリ、ポツリ・・第三京浜で東京へ向かえば(北へ上っていけば)雨雲から遠ざかれるかも・・ポツリ、ポツリ・・でも、第三京浜でも、環八から駒沢へ向かう途中でも、ポツリ、ポツリ・・それでも、まだ路面は微妙に濡れていない(ほんのちょっとの濡れ方の違いで、泥が跳ね上がってしまったり、大丈夫だったりするのです!)・・ポツリ、ポツリ・・

 そして結局、「ギリギリの濡れ状態の路面」のまま自宅まで到着できたのです。そのときは、ホントに心からハッピーでした。何か良い「行い」でもしたんだっけ?? そういえば、行きの道中でこんなことがあったっけ・・

 例によって、自転車に乗った子供が、横道から勢いよく飛び出してきたのです。もちろんこちらは急ブレーキ。それでも、その子は(たぶん小学校の高学年!?)素直に「スミマセン・・」と謝った。だからこちらも、穏やかに、小さな道から太い道路に出るときは、いくら「道の端を走っていた」としても、必ず止まったり、周りを確認しなければダメだよ・・と諭(さと)した次第。フムフム・・

 あっと・・またまた前段が長くなってしまった。とにかく、オートバイを汚すことなく(濡れた路面を走行した場合、泥のはね上げに夜汚れは、本当にオートバイの奥の奥にまで達してしまうのです!)自宅まで帰り着けたことがハッピーで仕方なかったもので・・。スミマセンでした・・

 ということで試合。最後は「ベストフォーを目指すことの意味」というテーマを扱いますが、まずは、ゲーム展開についての「私の所見&分析」から簡単にいきましょう。例によって、ランダムに書きつづります。

 ・・あ〜〜あっ・・またこんな早い時間帯で先制ゴールを入れちゃった・・相手の自殺点だったけれど、ニアポストに走り込んだ岡崎慎司のゴールだったといっても過言ではない・・本当に素晴らしい勢いの飛び込みだった!・・それに中村俊輔から内田篤人へのタテのスルーパスも見事の一言だった!・・

 ・・とはいっても、早すぎる先制ゴール・・ウズベキスタン戦の二の舞にならなければいいけれど・・とにかく、この試合に臨むカタールの「勢い」は尋常じゃないからな〜・・立ち上がりの展開を観ながら、そんなことを思っていた・・

 ・・そして案の定、カタールがガンガンと攻め上がってくる・・それも、中盤での組織プレス守備を基盤に、次の攻撃でも、目の覚めるような組織パスプレーを魅せつづけるカタール代表・・人とボールがよく動いている・・その雰囲気は、従来の(個の勝負のブツ切りサッカーという)中東チームとは一味も二味も違う・・サスガにブルーノ・メツ・・カタール代表を本当に良いチームに仕上げてきている(個の能力が高いからこそ、それに組織マインドが加わったら)・・

 ・・その後の押され気味の展開について・・(先制ゴールを奪ったことで!?)日本チームのペースが上がらなかったという見方もできるけれど、ここは、カタール代表の素晴らしいサッカーこそが、その後のゲーム展開のバックボーンにあったというのが正確な見方だろうね・・

 ・・もちろん、岡田監督が言っていたように、攻守にわたる日本チームのダイナミズム(有機的に連鎖する組織ディフェンスや、ボールがないところでスペースへ飛び出していくリスクチャレンジ姿勢などなど)は低調ではあったけれど・・

 ・・後半は、少しはペースアップしたけれど、それでも、カタールに同点ゴールを決められるという「刺激」に優るモノはなかったネ・・カタールに同点ゴールを入れられてからの日本代表は、彼らとの実力の差を見せつけてくれた・・

 ・・前半の低調サッカーでは、やはり守備的ハーフコンビ(橋本英郎と阿部勇樹)の前後の動きが足りなかった・・もっと彼らは、リンクマンとして、どんどんサポートの動きをするべきだった・・彼らが動けば、タテのポジションチェンジも活性化する・・実際、橋本英郎とトゥーリオが(セットプレーでもないのに)オーバーラップしてきた状況では、カタール守備ブロックの組織が乱れたことで、トゥーリオがタテのスペースを突いていけた(CKを奪った!)・・

 ・・そして選手交代・・そのことで、牛若丸(中村憲剛)が守備的ハーフに下がった・・そして、まさに水を得た魚のように「リンクマン」として、攻守にわたって、抜群の存在感を発揮した・・そのことでチーム全体の「攻守の流れ」がスムーズになり、ゲームを掌握できるようになったことは確かな事実だった・・

 ・・まあ、やはり、中盤のダイナモである、長谷部誠と遠藤保仁(ヤット)の守備的ハーフコンビを欠いたことには、殊のほか大きな意味合いがあったということだろうね・・それだけ、この中盤の底コンビは大事な存在だということです・・フムフム・・

 今日は、ここらあたりで「締めのテーマ」に入ることにします。まず、岡田武史監督によるハーフタイムの指示。

 そこで岡田武史監督は、後半はツートップにするなどの戦術的な指示だけではなく、チームが「活き活きとプレーしていない」とか「楽しんでいない」といった精神的なところにも言及したそうな。そして、「自分で話しているうちに(チームに対して精神的にもアプローチしたことで!?)後半のチームがどのように変化するかを見てみたくなった・・」ということも言っていた。

 そんなこともあって、後半から交代させるつもりでハーフタイムミーティングに呼んだサブメンバーがいたにもかかわらず、後半も同じメンバーをグラウンドに送り出したということでした。フムフム・・

 そんな「心理的アプローチ」と「それによる変化」を正確に観察することもまた、優れたチームを作り出すための重要な学習プロセスなんだよな・・。いいネ・・

 そして最後のテーマが、「日本代表はベストフォーを目指しているのだが・・」という質問に対する、カタール代表監督ブルーノ・メツのコメントということになります。

 曰く。「日本は技術的に高いレベルにある・・ただ世界と互角に対峙するためには、まだまだ課題も多い・・フィジカルも鍛えなければならない・・強い相手が強力なプレスを掛けてくるようなケースでも対抗できるためには、精神的にも、まだまだクリアしなければならない課題は多い・・」などなど・・

 わたしには、ブルーノが言わんとしたことが良く分かります。

 要は、昨年8月に行われたウルグアイ戦のように、世界の実力チームに、中盤からガンガンとプレスを掛けられて押し込まれている状況を、いかに効果的に打開していくのかというテーマのことです。選手たちは、相手が強いことを体感している・・にもかかわらず、そんな落ち込んだ状況から、いかに押し返していくのか・・

 そこでは、究極の「闘う意志のチカラ」が問われるのですよ。一人でも、本当に一人でもビビッたり「アリバイプレー」に逃げ込もうモノなら、チームは、完全な「心理的な悪魔のサイクル」に落ち込み、二度と這い上がってこられない。

 そこでは、本当の意味で「自分自身の弱さを乗り換え、ジリ貧の状況から押し返していけるだけの強烈な意志」こそが重要。それは、肉を切らせて骨を断つというギリギリの闘いを、繰り返し「体感」しているブルーノだからこその発言なのです。

 眠いこともあって、これ以上うまく書けそうにないけれど、こんな表現はいかが?

 「相手はおれ達よりも格段に上手く、強いぞ!」・・そう体感しているにもかかわらず、そんな、自分自身のなかのネガティブな心理を打破し、「フザケルナよ・・よ〜し、やったロ〜じゃネ〜かっ!」と、積極的に自分の「内的な弱さ」を吹っ切っていけるだけの強烈な闘う意志・・!?

 要はサ、相手が強いという「体感」を超越し(負けるのが必然かもしれないという、ある意味ロジカルなネガティブ感覚を、心の隅に追いやって!?)勇気をもって、何かに『憑かれたように』ギリギリの闘いを挑んでいくことでチームの勢いを盛り返していく「現象」とでも言いますかネ・・。

 難しいネ・・。わたし自身も、そんなふうに「自分の弱さを超越していく感覚」を何度も体感したことがあるんですよ。そう・・ドイツ留学時代のことです。それがあったからこそ、ホンモノの自信(確信)を高揚させることが出来た。

 とにかく、世界のベストフォーを志向していく上で、だからこそ(岡田武史監督も言っているように)実力チームとの「本気のトレーニングマッチ」が、ものすごく大事な意味を持ってくるというわけです。

 「強いと体感させられた」相手に押し込まれている状況で、そこでの「自分の内なる弱さという精神的な壁」をブチ破っていけるかどうか・・。

 徐々に「表現が近づいている」とは感じるけれど、いかんせんアタマが回らなくなってきている。まあ、また機会を改めて挑戦することにしよう・・

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 ところで、拙著「ボールのないところで勝負は決まる」の最新改訂版が出ました。まあ、ロングセラー。それについては「こちら」を参照してください。

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 ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。

 基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。

 




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