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2009_ナビスコ準決勝・・この日曜日に(日産スタジアムで)行われる第二戦は、ものすごいエキサイティングマッチになること請け合いだよ・・(FRvsM, 2-0)・・(2009年9月2日、水曜日)

いや、ホント、準決勝の第二戦が、とても楽しみになりました。いろいろな視点でね・・

 ところで、今回の日本代表のオランダ遠征ですが、うまく都合をつけることができなかったことで、現地でのスタジアム観戦をギブアップせざるを得なくなりました。ということで、土曜日はオランダ代表対日本代表をテレビ観戦し、日曜日は、肉を切らせて骨を断つギリギリの勝負マッチ(マリノス対フロンターレ第二戦)をスタジアムで堪能する・・。いや、ホント、堪えられない。

 そのナビスコ準決勝ファーストラウンドからピックアップするテーマは、まず何といっても、マリノスの攻撃力だろうね。

 結局ゴールを割れなかったけれど、彼らが(守備を固めるフロンターレに対して!)作り出したチャンスの量と質は、ホントに、第二戦に期待を抱かせるに十分なレベルだった。彼らは、とても魅力的で危険な仕掛けを繰り出しつづけたのですよ。

 ゲームは、予想通り、両チームが仕掛け合うエキサイティングな展開から立ち上がります。とはいっても、ホームのフロンターレは(牛若丸=ケンゴ=がいないことで!?)ちょっと「安定志向マインド」が見え隠れしていたかな。逆に、アウェーを戦うマリノスの方が吹っ切れていたといった印象が残っています。

 とはいっても、ジュニーニョ、レナチーニョ、チョン・テセという、スピードとパワー、そしてテクニックを兼ね備えたスリートップに、ミッドフィールドの養父雄仁や谷口博之の押し上げだけではなく、両サイドバック(森勇介と村上和弘)の機を見計らったオーバーラップが効果的に絡んでいくフロンターレのカウンター(気味の仕掛け)は、とても危険なニオイを振りまいていた。

 そして(案の定!?)タイミングよくオーバーラップしてボールを持った森勇介が、鋭い切り返しを入れた切り込みドリブルから、相手マーカーの鼻先で、ニアポストの決定的スペースへ向けて鋭いラストクロスを送り込むのですよ。前半15分のことでした。

 そして、相手マーカーをモノともせず、全力パワーで飛び込んできたチョン・テセが、身体を投げ出しながら合わせて(相手マーカーもろとも!?)先制ゴールを叩き込む。 それは、両者(森とチョン・テセ)のイメージが本当に見事にシンクロしたスーパーゴールでした。

 でも私は、そのゴールを観ながら「フ〜〜ッ!」とため息をついていた。何せ、そのゴールで、フロンターレは「より」守備ブロックを固めながら、得意のカウンターを繰り出していけばいいっちゅうミエミエのゲーム展開にならざるを得なくなったわけだからネ。こちらは、もう少し長く、ダイナミックでエキサイティングな(五分の)仕掛け合いを堪能したかったのに・・

 そして、案の定というか、そこからの15分くらいは、強化されたフロンターレの守備ブロックを、マリノスが攻めあぐむ・・という感じのゲーム展開になっていくのです。そして私は、またまた、フ〜〜ッ・・・・

 でも驚いたことに、「そこ」からゲームが、とてもエキサイティングに変容していくことになるのです。期待はしていたけれど、そこまで「マリノスがやる(やれる)」とは思っていなかった(甘く見てスミマセンね、木村さん)。そこからのマリノスは、組織プレーと個人勝負プレーが本当に素晴らしくハイレベルにバランスしたスーパーサッカーを魅せつづけたのです。

 まず前半29分。右サイドの決定的スペースへ飛び出したマリノス田中祐介への素敵なスルーパスが通り、そのまま田中祐介が決定的なシュートを放ちます。それは、フロンターレ守備組織がズタズタに切り裂かれた瞬間でした。でも、その決定的シュートを、「神様になった」フロンターレの若手GK、杉山力裕が、見事に、身体で防いでしまうのです。

 その二分後にも、(二つのワンツーが組み合わされた!)素晴らしいコンビネーションから抜け出した兵藤慎剛が、これまた決定的なシュートを放った。でもそのボールも、フロンターレの「神様GK」がギリギリのところで弾き出してしまう。

 その後も、フロンターレの守護神は、何度も、何度も、マリノスの強烈なミドルシュートを、ギリギリのところで弾き出しつづけるのです。ホント、素晴らしかったよ。

 「立ち上がりのシーンで、うまく相手シュートを防げたこと・・要は、成功裏にボールに触れたことで、落ち着いたんだと思う・・とにかく、素晴らしかった・・」なんて、フロンターレの関塚隆監督が言っていた。

 でもサ、フロンターレの神様GK(杉山力裕)が、何度もギリギリのセービングを成功させたということは、それだけマリノスが決定的チャンスを作り出しつづけていたことの証なんだよな。逆に言えば、フロンターレ守備ブロックが、マリノスの仕掛けをしっかりと抑制できずに崩されていたということ。

 そう・・そうなんですよ。わたしの見立ても、まさに、そのニュアンスだったんだよ。

 一点をリードした・・そして、安定志向のプレーで守備ブロックを固めるフロンターレ・・それを崩していけないマリノス・・。先制ゴールが入った前半15分から、マリノス田中祐介が決定的シュートを放った29分までの15分間は、フロンターレ守備ブロックにとって、とても余裕の展開だったに違いありません。

 そんな、フロンターレにとって余裕のゲームフローが、守備ブロックに気の緩みを与えてしまった!? まあ・・そういうことなのかもしれない。

 とにかく、チェイス&チェックが遅いだけじゃなく、相手ボールホルダーに対する間合いの詰め方もいい加減。だから、次のパスレシーバーのところで、タイミングよくアタックを仕掛けられないばかりか、遅れたタイミングでボール奪取勝負を仕掛けるものだから、簡単にアタックを外されて置き去りにされてしまう・・また、ボールウォッチャーになった瞬間に、マークしていた相手にスペースへ走り込まれてしまう・・などなど・・

 そして、そんな「集中を欠いた」守備プレーが、後半の立ち上がりでも尾を引いてしまうのです。「ここは耐える時間帯だ・・」。関塚隆監督は、そんなことを思っていたそうだけれど、やはり前半の30分あたりからの集中切れプレー(要は、甘く、いい加減なディフェンス姿勢)は、ハーフタイムで明確に修正しなければならなかったと思う。何せ、選手たちの「闘う意志」が減退しはじめていたことは明かな事実だったんだからね。

 それでもフロンターレは、後半も10分を過ぎたあたりから、ようやく目を覚まし、押し返していけるようになるのですよ。そして、その直後に、左サイドバックの村上和弘からの(ファーサイドスペースにいるジュニーニョをイメージした)素晴らしいクロスボールが決まるのです。ジュニーニョは、教科書どうりのヘディングシュートを決めるだけでよかった。

 とてもラッキーな「2-0」のリードを奪ったフロンターレ。もちろん、そこからのマリノスは、長谷川アアーリアジャスール、金根煥を入れ、もうバランスなど関係なく「エマージェンシーの仕掛け」を繰り出しつづけるのです。その迫力たるや、もう異次元。ここでも、何度か、決定的に近いカタチを作り出し、例によって、フロンターレの神様に防がれてしまうのです。フムフム・・

 とにかくこの試合は、ゴールによってゲーム内容が(選手のゲーム展開イメージや心理などが)大きく変容していくという興味深いエキサイティングマッチだった。

 結局、シュート数では、フロンターレの「11本」に対し、マリノスは「24本」もブチかました。それも、可能性が低い、いい加減な(気合いの乗っていない!)シュートではなく、どれも、それなりの(相手にとって)危険コンテンツを内包する、誰もがハッと息を呑むものだった。

 第二戦でもフロンターレは、この後半のようなサッカーを展開するんだろうね。でもサ・・もしマリノスが、一点でも先行したら、そりゃ大変なことになるのは火を見るよりも明らかだよな。そんな危急状況で、(消極的で受け身の!?)安定志向から急激にマインドを活性化させ(全員が同じようにセルフモティベートし!)積極的なリスクチャレンジマインド・プレーに切り替えられたら本当に大したものなんだけれど・・

 とにかく、マリノス対フロンターレの第二戦は、絶対に見逃せないギリギリの勝負マッチになること請け合いだよ。こんなエキサイティングマッチが観られる機会は、そうはありません。あっと・・もう一つの準決勝、(第一戦を2-2で引き分けた)FC東京vsエスパルスも、面白いコンテンツがテンコ盛りに違いないだろうけれどネ・・(スミマセンが、わたしは、マリノスとフロンターレの方に心を奪われてしまったのです)。

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 ところで、拙著「ボールのないところで勝負は決まる」の最新改訂版が出ました。まあ、ロングセラー。それについては「こちら」を参照してください。

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 ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。

 基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。

 




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