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2009_サッカー三昧の日曜日・・(2009年4月19日、日曜日)

今日の全走行距離は、150キロくらいでしたかね。愛車のオートバイは、フルカウルのスーパースポーツタイプですから(前傾姿勢でのライディング!)特に背筋には本当によいトレーニングになりました。天気も最高だったし、渋滞にも遭遇しなかったことで、全体的には、とても気持ちよいツーリングだったのですが・・

 でもネ、朝方に自宅をスタートした直後には、二度もつづけてイヤな目に遭ったのですよ。

 まず最初が、細い横道から飛び出してきた自転車。例によってイヤホンをしたまま(要は周りの音が聞こえない・・聞きたくない!?)目は携帯のディスプレーに釘付け(まあメールを読んでいたんでしょう)。そんな自転車が、一方通行を逆走しただけじゃなく、一旦停止もせずに、私が走行する太いメイン道路に飛び出してきたのです。

 こちらが気をつけていたから大事には至らなかったけれど、それでも急ブレーキは掛けた。それだけじゃなく、ビックリしてブレーキを掛けた「不届きな自転車ライダー」が、逆に、こちらを睨みつけながら「フンッ!」ってな表情で、何事もなかったかのように行き過ぎていったのです。ホントは、追いかけていって注意すればよかったのでしょうが、そんなことをしても、自分勝手な自己チュー論理を主張するだけで、まったく反省などしないに違いない。時間の無駄・・

 ホントに、交通ルールを無視する自転車ライダーは危険きわまりない。自転車と自分の身体を合わせれば、60-80キロにはなる物体が、時速30-40キロで走行するんですからね。その物理的エネルギーは推して知るべし。本当に、何とかして欲しいモノです。

 そして次が、街中の交差点での出来事。こちらは直進なのですが、対向車線から「右折」しよとするクルマが、こちらが行き過ぎていないにもかかわらず、明確に停止するのではなく、チョロチョロと交差点内に侵入してきたのですよ。

 そんな状況だから、こちらは急ブレーキを掛けるしかありません(オートバイと右折クルマの衝突では、オートバイのダメージは計り知れない!)。相手がしっかりと停車していれば、もちろん少し徐行しながらも通過しますよね。でも相手が、ちょっとでも「動く素振り」を見せた次の瞬間には、こちらは急ブレーキを掛けざるを得ないのです。

 でも、そのドライバーは、自分の目前に急停車した私に対して、「何やっているんですか・・邪魔ヨ・・早く行ってくださいヨ・・」なんて表情をしている。彼女は、私が通り過ぎたタイミングで(なるべく早く!?)右折するために、チョロチョロと交差点内に侵入してきたということらしい。その感覚・・信じられない・・。

 一体、彼女は、どんな教育(運転教習)を受けてきたんだろう。フ〜〜・・。また、今でも、左折するときに「右側へ大きくふくらむ」ドライバーも多い。信じられない・・。

 そんなこんなで、サッカー三昧がはじまるまえに、ホントに嫌な思いをさせられた筆者だったのです。そこで私は、その都度、「警察は、交通ルールを守ることの大切さをもっともっとリキを入れて普及しなければいけないよ・・特に自転車がヒドい、ヒド過ぎる・・罰則も含め、何とかして欲しい・・」なんて思っていた次第。

 そんな、ちょっと落ち込んだ状況で、以前の交通講習会で、ある講師の方が語った至言が、自然と思い起こされたモノです。

 「皆さんは、理不尽な交通事情や交通事故について色々と見聞きされているものと思います・・私からの助言は、一つだけ・・皆さんには、ご自分を守るという意味も含めて、イヤ、そのためにだけでも、確実に交通ルールを守ることをお勧めしますよ・・」。フムフム・・

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 アリャ〜〜ッ、前段のつもりが、本文みたいに長くなってしまった。ということで最初の「サッカー三昧」。それは、関東大学サッカーリーグの、専修大学vs駒澤大学でした。

 そこでの主な目的は、大学サッカーの現状と(ジャーナリスト仲間から聞いていた)専修大学の何人かの選手を観察することでした。

 試合は、地力に優る専修大学がペースを握るけれど、どうもうまく決定的スペースを突いていけずに攻めあぐみ、逆に(攻めに人数を掛けていることで!?)カウンターから何度も大きなピンチを迎える・・ってなゲーム展開になりました。

 要は、強い方のチームは「自分たちのゲームをやろうとする」し、チカラの劣る方は、しっかりとゲーム戦術を練ってくるということです。またそこでは、強い方のチームが、往々にして、相手を甘く見るといった高慢な態度(心理的な落とし穴)にはまってしまうという経験則も生きていた。

 この試合での専修大学が、まさに「それ」だったように感じました。そして結局は、駒澤大学に、CKからスーパーヘディング先制ゴールを決められただけではなく、ちょっとした守備のミスからPKも取られてしまった(最終的には2-0で駒澤大学が勝利し、専修大学は二連敗ということになった)。

 ところで私が注目していた選手だけれど、そこそこのプレーは魅せたものの、まだまだ不満が残る内容だったね。やはり、チーム全体が良いプレーをしなければ、いくら才能に恵まれていたとしても優れたプレーを展開できるはずがない・・ということです。

 とはいっても、(例えば)最前線に張る「天賦の才プレイヤー」には、主体的に『攻守にわたる仕事』を探し、それを実行していくために全力ダッシュ(全力プレー)を積み重ねるという(周りとの連携プレーとは関係のない!)基本的なプレーイメージに課題があると感じた。あれじゃ、天から授かった才能が、存分に活かされるはずがない。

 たしかにボールを持てば、素晴らしくスキルフルでスピーディーな(彼はとても足が速い)プレーを展開するなど、上のレベルでも十二分に通用するくらいの才能を感じるけれど(もちろん勝負所では、パスレシーブの全力ダッシュも魅せる!)、忠実なパス&ムーブがお座なりだったり、ヘディングを全力で競り合わなかったり、チェイス&チェックや、ボール奪取勝負(スライディングなど)でもギリギリの意志が感じられなかったり、またシュートにも「構造的な課題」を抱えていたり・・

 才能に恵まれているからこそ、よりストイックに、極限の可能性を追求して欲しいと思っているのは私だけではないはず。とにかく、監督さんのウデに期待しよう・・。

 最後になったけれど、それにしても観客は少なかったネ。バックスタンドには人が見当たらず、メインスタンドでも1000人に満たないくらいでしたかネ。そこには、私が読売サッカークラブでコーチをしていた当時の(日本サッカーリーグ時代の)マイナーな雰囲気があふれていた。

 ただし、実際の事情は、当時とは大きく異なっている。

 世界的な情報化の波・・。要は、どんなにマイナーなサッカーであったとしても、そのウラでは、さまざまな情報網が張り巡らされ機能しているということです。

 優れた才能が見つかれば、すぐに情報が還流し、スカウトが集まってくる。状況によっては世界から・・。そして、こんなマイナーな試合からでも、次の週には、バルセロナでプレーするような選手が出てくることだって夢物語じゃないのですよ。ちょっとハナシが飛躍しすぎですかネ・・あははっ・・

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 ということで、ここからは、二つ目の「サッカー三昧」となった「J2マッチ」のお話しに入っていくことになります。

 なるべく短くまとめられればとは思うけれど、お話しの骨子が「あの」反町康治監督との対峙(記者会見)だから、簡単にまとめられるかどうか・・

 そう・・二つめのサッカー三昧は、J2の「湘南ベルマーレ対FC岐阜」の観戦でした。

 とにかく素晴らしくエキサイティングなゲームになりました。地力ではベルマーレに一日の長があるとは思うけれど、FC岐阜も、攻守にわたって、ビックリするくらいダイナミックで(相手にとって危険で)魅力的なサッカーを展開した。だから「あの」ベルマーレもタジタジといった時間帯もあったのですよ。

 先制ゴールはFC岐阜。相手GKの意表を突く、片桐淳至のロングシュート。素晴らしいカーブシュートだった。隣に座る(またまた登場の)ジェレミー・ウォーカーが、「カタギリは、チェルシー対リバプール戦でのフリーキックゴールを観て、それをイメージしたに違いないよ・・」なんて言う。そう、第二戦、前半19分の、ファビオ・アウレリオのフリーキックゴールのことです。

 それに対してベルマーレは、フリーキックのこぼれ球を臼井幸平が決めて同点。そして後半10分には、坂本紘司が左足を振り抜いて逆転と、ゴールを積み重ねていく。

 私は、「2-1」とベルマーレがリードを奪った時点で「まあ・・これで勝負ありかな・・」なんて安易に思っていたわけですが、その後には、ところがドッコイ・・ってなエキサイティングな展開が待っていたという次第。岐阜が、見事な、本当に見事なコンビネーションから、左サイドでフリーになった佐藤洸一にボールがわたり、右足一閃・・ってな同点ゴールを決めたのです。

 そこからは、まさにエキサイティングそのものという仕掛け合いが展開された。互いに、2-3本の決定機を作り出したでしょうかネ。まあ、決定的チャンスの量と質では、明らかにベルマーレに軍配は上がるけれど、ゲームの流れとしては、本当に、どちらが勝ってもおかしくないという展開でしたよ。ホントに面白かった。

 ということで、興奮冷めやらぬゲーム後の記者会見ルーム。まず登場したのが、FC岐阜の、松永英機監督。

 そこで、こんな質問を投げかけてみた。「岐阜は、失点の数でリーグ最下位に落ち込んでいる・・ベルマーレのマッチデイパンフレットでも、それが弱点であり狙い目だなんていうニュアンスが書かれていた・・でもフタを開けてみたら、岐阜のディフェンスは、本当に素晴らしい質実剛健の機能性を魅せていた・・それは、松永監督の仕事内容に拠るところが大きいと思うが、実際に、どんな考え方で、どのような修正をしたのか?・・その骨子を教えていただけないだろうか・・」

 そんな質問に対して松永監督は、「出来たこと、出来なかったことを分析し、次の発展の糧にする・・例えばこのゲームでは、前節の仙台とのゲームでの反省点をしっかり理解し修正したということ・・そんな良いプレーを(守備を)コンスタントに出せるようにトレーニングし、チームとしての共通理解を深めるなかで、統一感のあるサッカーを目指す・・」と答えていた。

 まあ、修正ポイントの骨子(キーワード)が明確に提示されることはなかったけれど、継続こそチカラなりという考え方(コンセプト)に基づいた松永監督の自信エネルギーは痛いくらいに放散されていた。

 私は、この試合について、事前情報に基づいた観戦テーマを持っていました。前述したように、岐阜については「不安定な守備」というテーマ。また反町康治監督率いるベルマーレについては、「(面白みに欠ける!?)手堅いサッカー」というテーマ。

 でも結局は、その二つともに、見事に「期待」を裏切られたという次第です。

 前述したように、岐阜のディフェンスは素晴らしい機能性を魅せつづけていたし(優れたチェイス&チェックや協力プレス、ボールがないところでの忠実なマーキング、狙いすましたインターセプトやトラップの瞬間を狙ったボール奪取アタック等が、最後まで素晴らしい機能性を魅せた!)、ベルマーレにしても、決して手堅すぎるサッカー(しっかりと守備ブロックを固め、リスクを極力抑えたカウンターでゴールを狙う!?)といった後ろ向きの雰囲気ではなく、あくまでも、ダイナミックな、前向きのチャレンジングサッカー(攻撃)だった。

 そのことについて、「チマタでは、反町監督が、手堅く守ってカウンターを仕掛けるという勝負偏重のサッカーをやっていると聞くが・・」といったニュアンスの質問を投げかけたのですが、それを聞いた反町康治監督の目つきがちょっと変わった。

 「湯浅さんは、どう思っているんですか?」「わたしは(今日のサッカーは)素晴らしいと思った・・決して守備偏重ではなく、しっかりと(リスクも承知で!?)攻め上がっていると思った」「そうですか・・とにかく私は、守ってカウンターを仕掛けていくようなサッカーを標榜しているわけじゃないんですよ・・」

 まあ、その後の全体的な発言ニュアンスはこんな感じでしたかネ。

 ・・守備は、チームのコンセプトに基づいてしっかりと実行する・・それで問題が生じた場合には、ビデオを使ったイメージトレーニングも含めて対応する・・ただし、基本的にトレーニングは、攻撃のテーマがメインになる(そのなかで当然ディフェンスもトレーニングされる!)・・たしかに、我々がリードするなど、ゲーム展開によっては守りに偏ってしまう流れも出てくるだろうが、それは自然なことだ・・

 そして、ちょっと不愉快そうに、こんなニュアンスのことも言っていた。「何と書かれようと、何と言われようと(どうでも)いいけれど、とにかく我々が、守備に偏ったサッカーではなく、あくまでも(リスキーなニュアンスも含む!?)チャレンジングサッカーを目指しているのは確かな事実なのです」。いいじゃありませんか・・

 ここで私が言いたかったのは・・ベルマーレが、勝つこと「だけ」を最重要テーマにした受け身の堅実(後ろ向き)サッカーをやろうとしているわけじゃない・・そしてそのことが、このゲームの内容によって明確に認識できた・・ということです。

 とにかくベルマーレには、サッカー内容と勝ち点の究極のハイレベルバランスを志向して欲しいし、優れたパーソナリティーの反町康治だったら、その目標を高い次元で達成してくれるはずだという期待感も高まりつづけるわけです。

 なかなか興味深い学習機会を提供してくれそうな湘南ベルマーレ。これからも、出来る限り彼らを(ニュートラルな観察マインドで)ウォッチしていくことにしよう。

 最後に、「J2」のレベルが高まりつづけていること、そして地域の文化ベースにも着実に組み込まれはじめている事実を再認識したことを付け加えておきます。

 もちろん「まだまだ」ではあるけれど、サッカーが秘める(異文化接点パワーも含む)様々な文化的な価値を考えれば、これからも、不可逆的に(そして質実剛健に)地域社会(生活文化)に深く浸透しつづけていくと確信しますよ。そんな文化アクティビティーの振興にかかわっている(ボランティアも含む)方々に対し、心からの賞賛と感謝の念を捧げます。

 普通だったら2時間ほどで仕上げられるコラム(とはいっても、推敲や編集作業はいい加減だから、文章になかに変なところがテンコ盛りだとは思いますが・・ご容赦!)。でも今回は、4時間も書きつづけてしまった。疲れた。ではまた・・

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 ところで、拙著「ボールのないところで勝負は決まる」の最新改訂版が出ました。まあ、ロングセラー。それについては「こちら」を参照してください。

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 ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。

 基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。

 




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