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2010_東アジア選手権(男子)・・「ガンバレ岡田ジャパン」っちゅうニュアンスのコラムになりました・・(日本vs韓国、1-3)・・(2010年2月14日、日曜日)

さて、気を引き締めて書きはじめよう。

 それにしても記者会見は重苦しい雰囲気だったね。以前(1997年)フランスワールドカップへ向けてアジア予選を戦っていた加茂周さん(当時の日本代表監督・・そのときのコーチが岡田武史)のときにも出た質問フレーズを、またまた聞いてしまった。

 「この結果を受け、辞任も含め、責任を取る気はないか?」。まあ、どんな質問に対しても真摯に応えることも代表監督の仕事の一部ではあるわけだけれど・・(実際に岡田武史は、落ち着いて、立派に対応していた・・素晴らしい!)。でも1997年当時は、その質問が出された後、程なくして加茂周さんが更迭され、岡田武史が代表チームを引き継いだっけ。ちょっと不吉な質問ではありました。

 でも、私のコラムのニュアンスは、そんな「結果だけ」を受けた重苦しい雰囲気とはまったく「相容れない」モノになるのですよ。悪しからず・・(エッ!?・・誰に対して!?・・さて〜〜??)

 岡田武史監督も、チーム作りプロセスが「まあ」順調に進んでいることについて、こんなニュアンスの発言をしていたっけネ。

 「選手のモティベーションは高いレベルで安定している・・彼らは、具体的な目標を見つめている・・とはいっても、このところ、ちょっと気の緩みはあったかもしれない・・その意味で、この結果は、チーム内の危機感をアップさせ、気を引き締めるためのポジティブな刺激になったはずだ・・そう、ワールドカップへ向けた良い準備のために・・」

 わたしは、岡田武史監督を支持していますよ。

 彼は、「この時点」での理想的な日本代表チームを構成し、ワールドカップへ向けて発展させていくというミッションのなかで、(日本人であるというハンディキャップにもかかわらず!?)本当に優れた仕事をしていると思う。もちろん、これから「何か大きなご乱心」が全くないとは誰にも言えないわけだけれど・・。

 でも・・まあ・・この日の韓国戦に「1-3」で敗れ、地元開催の東アジア選手権にもかかわらず「3位」という成績しか残せなかったというネガティブな結果は、しっかりと、「次」につながるポジティブなモノへと変容させていかなければなりません。詳細に分析し、そこから様々なイメージトレーニングビデオを編集するとかネ。

 ということでゲームだけれど、日本代表は、とても素敵なペースで立ち上がったよね。心理的な「抑圧」なんてまったく感じさせず、解放された積極マインドで自分たちの持てるチカラを存分に発揮し、「強い」韓国と、ガチンコの勝負を展開するのです。

 それも、根幹のゲームペースは日本が握っている。そう、中盤でのディフェンスの「量と質」で韓国を上回っていたのです。そして何度か、強力な韓国守備ブロックを振り回してチャンスを作り出し「そう」になる。でも、やはり、そう簡単にはウラのスペースを突いていけない。ということで実際のチャンスは、やはりセットプレーからがほとんどだった。そして、そこでの主役はキッカーの遠藤ヤットと闘莉王・・

 やはり闘莉王のヘディングは素晴らしい。韓国も、必ず二人が闘莉王をマークしていた。もちろん「全身のあらゆるところ」を駆使した厳しい(汚い!?)マーキング。そして、一度は「それ」でPKを獲得し、ヤットが先制ゴールを叩き込んだ。でも、「次のセットプレー」では、そんなファールギリギリの(汚い!?)マーキングプレーに(相手の挑発に)キレた闘莉王が、その韓国マーカーに肘打ちを喰らわせてしまうのですよ。

 そのシーンでの一発レッドは当然だけれど、そのことに対して闘莉王は、チームへ心から(真摯に)謝罪しなければいけません。まあ、岡田武史監督のことだから、こんな危機を、うまく「ポジティブな機会」として活用してくれるとは思うけれど(チームマネージメントでは、脅威と機会は常に表裏一体なのだ!!)、協会関係者やメディアも含め、少しでも、ほんの少しでも、発言ニュアンス的な行き違いがあったら、そこから大変な事態に発展してしまう可能性もあるからね。とにかく「危機管理」はしっかりとやらなければいけません。もちろん、既に「何か」が起きていたら、もう手遅れかもしれないけれど・・

 ということで「その後」。取り敢えず稲本潤一がセンターバックに入ります。この試合での稲本潤一は、ケンゴ(中村憲剛)とヤット(遠藤保仁)同様に、攻守にわたって、本当に素晴らしいパフォーマンスを魅せつづけてくれた。

 (数的に優位に立った)韓国が誇る、スピーディーでパワフルなフォワードが仕掛けてくるギリギリの勝負にも、まったく動じることなく余裕を持って対応してしまう稲本潤一。センターバックに入った稲本は、韓国選手にとって「心理的な壁」としても機能していたに違いありません。

 彼が魅せつづける、相手からボールを奪い返してしまうディフェンス力は、確実に世界基準だね。もちろん日本代表チームでも、ナンバーワン。中国や韓国のパワフルでスピーディーな仕掛けを展開する相手にも、「ズバッ!!!」なんていう音が聞こえてくるような、パワフルでスキルフル、そしてフェアなスライディングタックルを見舞っちゃうのです。もちろん、ボールは自分の支配下においちゃう。

 また相手にボールを奪い返されたシーンでも、何十メートルも全力ダッシュでチェイスし、パワフル&スキルフル&フェアにボールを奪い返し、すぐさま振り向いて韓国ゴールへ仕掛けていくのですよ。いや・・ホント・・鳥肌が立つほどに美しく鋭いボール奪取です。頼もしい・・

 後半だけれど、そんな稲本潤一の、中盤での(攻守にわたる)高い機能性を維持したい岡田武史は、(前半の途中でケガをした)大久保嘉人に代わった香川真司を「あえて」外し、代わりに、センターバック要員の岩政大樹を入れるのです。前半で、不運なリードを奪われた岡田武史の、「勝つぞっ!」という意思表示。

 稲本潤一は、フォーバックの前のゾーンに、「ワンボランチ&センターハーフ&リンクマン&ゲームメイカー&チャンスメイカー」として君臨する。そして、その前に、遠藤ヤットと中村ケンゴが攻守にスーパーな機能性を魅せつづけ、トップの玉田圭司と岡崎慎司が、攻守にわたって全力の汗かき組織プレーを展開する・・といった感じ。

 それは、うまく機能したと思う。一人多い韓国に対しても、決して引けを取ることなく互角のサッカーを展開したのですよ(まあ後半の立ち上がりには、スルーパスからバー直撃の弾丸シュートを打たれちゃったけれど・・)。

 そしてドラマが、次の展開を迎えるのですよ。後半7分に、韓国中盤の要(キャプテンの)キム・ジョンウが、二枚目のイエローを受けて退場になったのです。これで人数がイーブンにもどる。

 そこからは、強力な韓国ディフェンスが、その潜在力を存分に発揮し、逆に日本が、仕掛けの「限界」を感じさせることになる。

 日本は、何度も、素晴らしいコンビネーションを駆使して韓国ディフェンスブロックの奥深く(決定的スペース!)まで攻め入った。それは、誰もが息を呑むチャンスメイクのプロセスだった。でも最後の瞬間には、決まって、韓国選手の「足が出てくる」のですよ。要は、日本代表が、完璧に相手を振り切ったシュートチャンスを作り出せなかったということです。

 そのポイントについて聞いてみた。「 チャンスのカタチは作り出すのに、結局は決定的シュートを打つところまでいけなかった・・それは、韓国の守備が素晴らしかったのか、それとも日本に何らかの問題があったのか?」

 「・・韓国のディフェンスが素晴らしかったことは言うまでもない・・逆に我々の側からすれば、最終勝負シーンに絡んでいく人数が十分ではなかったというポイントがある・・日本は、最終勝負シーンに、もっと人数を掛けていかなければならない・・それが(世界と対抗していくうえでの)これからの課題だ・・」

 そして韓国は、そんな、ものすごく忠実でパワフル(&スキルフル)な守備を基盤に、抜け目のない必殺カウンターから決定的な3点目をもぎ取ってしまうのです。勝負あり・・

 それにしても、素晴らしくエキサイティングな勝負マッチだった。昨日の女子日韓戦も素晴らしかったけれど(そのレポートは「こちら」)、この試合も、ものすごくレベルの高いサッカーになったと思うわけです。

 まあ結果は残念なものになってしまったけれど、日本代表が志向しているサッカーのベクトルは大正解だし、逆に「それしかない」とも言える。そして岡田武史監督は、とても良い仕事をしている。もちろん「訳の分からないノイズ」に悩まされることはあるだろうけれど、そこは「鈍感力」で乗り切りましょう。まあ、岡田武史だから、そんなことは言う必要なんてないよね。

 例によって、「ちょいと疲れ気味なので・・」という言い訳とともに、まったく読み返すことなくアップしてしまおうという魂胆の筆者なのです。明日にでもビデオを見直し、気付いたコトがあれば(今度は個人のパフォーマンスを中心に!?)再びレポートするかもしれません。

 「次」は、アジアチャンピオンズリーグ、ゼロックス、豊田でのバーレーン戦、そしてリーグ開幕・・っちゅうことになります。それでは、また。

 




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