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2010__新刊のお知らせ__「サッカー戦術の仕組み」・・池田書店より

久しぶりに、新刊を上梓することになりました。タイトルは『サッカー戦術の仕組み』。出版社は池田書店です。上の掲載写真では、写真のサイズをうまく調整できなかったことで、「ボールのないところで勝負は決まる!」という帯のコピーが目立ち過ぎていますが、実際の本のタイトルは、あくまでも、左側の「サッカー戦術の仕組み」です・・あははっ・・

 「サッカー戦術の仕組み」などと、テーマは仰々しいのですが、実際には、サッカーの戦術的な(物理的&心理的な)メカニズムを、多くのイラストを使って分かりやすく表現することにチャレンジした本ということになりますかね。

 この本を執筆しようと思った背景には、「数字の羅列」や「戦術的なカタチ表現」で戦術まで語っちゃうってな風潮が目立ちすぎていることに対する苛立ちを解消したいというモティベーション「も」あったですかね。要は、4-4-2や4-2-3-1、はたまた、トライアングルやディアゴナーレ、ダイヤモンド型やスクウェアー型などといった「あれ」です。

 あまりにも、システムを拠り所にして(戦術的な出来事を、ことさらに複雑に!?)語りすぎる。これでは、サッカーに詳しくない方々が「引いてしまう」のも無理ないことかもしれません。サッカーは、もっともっとシンプルで分かりやすいボールゲームだし、「意志」によって、同じ戦術的なやり方でも、サッカーの内容に雲泥の違いが出てきてしまうモノなのですよ。サッカーは、ホンモノの心理ゲーム・・なのです。

 だからこそ、監督の、心理マネージャーとしての「ストロング・ハンド」が問われる。本書では、もちろん「監督の仕事」についても、これまでの論をベースにした「発展型」のディスカッションを展開できたと思っています。

 本書では、ふんだんにイラストを挿入しているのですが、そのほとんどは「5秒間のドラマ」です。そして、そのドラマから、サッカーの戦術的なメカニズムのエッセンスを抽出し、分かりやすく解説したつもりです。

 その「5秒間のドラマ」の中心的なモデルは、FCバルセロナ、オランダ代表、そして日本代表です。

 まあ、詰まるところ、わたしの代表作である、「闘うサッカー理論(三交社)」、「サッカー監督という仕事(新潮社)」、「サッカーを観る技術・スーパープレー5秒間のドラマ(新潮社)」を一つにまとめた『2010年バージョン』ってな内容ということになるでしょうかネ。

 わたしは、素直に学習し、思想を深めていくという姿勢を常に維持できることを願っています(これは願望ですからね・・それが出来ていないことを実感しているからこその発言だと捉えてくださいネ・・あははっ・・)。ということで、これまで私が作り出したキーワードのコノテーション(言外に含蓄される意味)も、この15年間で、ある程度の広がりと深みを増しているはずなのですが・・さて、どうでしょうか・・

 本書は、これまでとはかなり異なった手法で作りました。

 出版のハナシを持ちかけてくれた編集プロダクションと出版社の方々、そして、本文のたたき台になる最初の原稿を起こしていただくライターの方と話し合うなかで内容を充実させていくという手法をとったのです。

 もちろん私がテーマごとの内容を語るわけですが、そのなかで、彼らが抱いた疑問や発想「も」リターンしてもらい、それに対応して、より広く、深く突っ込んで語るといった具合です。そのような「パス交換」を積み重ねていくなかで、目次と内容を練り上げていきました。

 この手法は、とても効果的でしたね。私一人では、発想が煮詰まって停滞するという悪循環を繰り返していたに違いない創作プロセスが、複数の異なるパーソナリティー(インテリジェンス)と発想を練り合わせることで、より効果的に内容に広がりをもたせ、それを深めていくことができたのですからね。

 そして最後に、私が語った内容を、それぞれの構成に関する「テープ起こし」やメモなども含め、ライターの方にまとめてもらったというわけです。そのライターの方は、隈元大吾さんといいます。サッカーでは、ベルマーレを中心にネットや雑誌などで健筆をふるう、とても優秀な方です。

 そして上がってきた「たたき台原稿」に私が筆を入れていきました。たしかに時間は掛かりました。でも、一人で密室の作業に入るよりは格段に効率的に、そして内容にも広がりと深みを創出できたと確信しています。

 本書が、ちょっと沈滞気味の日本(プロ)サッカー環境に、ポジティブな刺激を与えられたとしたら、それほど嬉しいことはありません。

 目次など、本の詳しい内容については、池田書店の「紹介ページ」を参照してください。

 




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