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2010_XEROX・・とても拮抗したゲームだったけれど、その背景には隠れた微妙な差が・・(アントラーズvsガンバ、1-1、PK=5対3)・・(2010年2月27日、土曜日)

「 アントラーズの守備では、何が堅いか?・・彼らは、前戦から積極的に組織プレッシングを仕掛けてくるというよりは、まずリトリートし、しっかりと守備ブロックを作り直してからボール奪取プロセスに入っていく・・そして堅実なディフェンスをベースにカウンターを狙う・・また彼らの場合は、マルキーニョスが最前線から全力でチェイスし、周りもそれに呼応するなど、グループとしてボールを奪い返すという意識も強い・・とにかくアントラーズの守備ブロックは、とても堅牢だ・・」

 ガンバ西野朗監督が、わたしの質問に対し(真摯に!)そんなニュアンスのコメントをくれました。そう・・アントラーズの守備は、とにかく質実剛健。西野さんが言った「リトリート」だけれど、要は、仕切り直すという意味合い。バランスが取れていないのに前から(無理な)プレッシングを仕掛けていくのではなく、一度「後退して組織を整え」ディフェンスに入っていくという感じですかネ。

 そのリトリートだけれど、アントラーズの場合は、もちろん「何もせずに単に後退する」なんていうことなどあり得ない。後方の組織をしっかりと整えるというのは目標イメージに過ぎず、もちろんそのプロセスでは、忠実なチェイス&チェックも含めて「前戦から」ボール奪取のチャンスを狙いつづけるのですよ。そう、ガンバ攻撃のスピードをダウンさせ、自分たちの組織作りの時間をかせぐためにネ。リトリートしながら、副次的な効果として、あわよくばボールも奪っちゃえ・・ってなイメージなのです。

 どうしてアントラーズの堅守というテーマから入ったか・・?? それは、ゲームが、とても拮抗した状態で推移しつづけたからです。強いチーム同士のガチンコ一発勝負だから、まあ、そんな展開になるのも仕方ない。

 それでも私は、内容的に、完全に「拮抗」していたとは思っていないのです。要は、アントラーズに、僅かではあるけれど「勝つに値する何らかのアドバンテージ(小さな・ちょっとした優位なポイント)があったと思っているわけです。そのアドバンテージの一つが「堅牢なディフェンス」・・。

 「ガンバにも良い時間帯があったし、総体的にみれば、一進一退の展開だった・・」

 ガンバ西野朗監督が、そんなニュアンスのことを言っていた。まあ・・ね・・。それに対して、アントラーズのオズワルド・オリヴェイラ監督は、「たしかにガンバは、中盤での構成力なども含めて優れたサッカーを展開していた・・ただ、チャンスの量と質という視点ではアントラーズの方が上をいっていた・・」といったニュアンスの発言をするのですよ。フムフム・・

 シュート数では完璧に互角。でも、私は、オズワルド・オリヴェイラ監督の見方にアグリーなのです。もちろん、その差は「まさに微小」だったし、ガンバも何度か決定的なチャンスを作り出していたからネ。勝負としては、どちらに転んでもおかしくないゲームではありました。だから、あくまでも総体的な印象レベルのハナシというわけです。

 ガンバでは、最終ラインで不動のセンターバックコンビである山口と中澤、また中盤でとても重要なタスクを担っているアンカー明神、また前戦での「個の勝負師」ペドロ・ジュニオールなどがケガで戦列を離れているそうな。そりゃ、大変だ。でも、強いアントラーズに対して(またその数日前には、ACLのアウェー戦でも)立派なサッカーで引き分けに持ち込んだ。まあ、この二試合については、優れた成果を挙げたと高く評価すべきだね。

 さて、アントラーズの「微小な差のアドバンテージ」というテーマだけれど、堅守以外にも、個のチカラで上回っているというポイントもあるネ。マルキーニョス、興梠、フェリペ・ガブリエル、野沢、小笠原・・。同じような組織サッカーを志向する両チームだから、最後は「個のチカラの微小な差」が微妙に「結果」にも反映されてくるというわけです。今日のゲームの場合、「結果」とは、まあ、チャンスの量と質ということを意味するわけだけれどネ。

 数日前のACLコラムでも書いたけれど(そのコラムは「こちら」)、アントラーズは、本当に質実剛健な補強をしたと思いますよ。まず何といっても最終ラインの韓国代表イ・ジョンス。加えて、攻守にわたる「汗かきワーク」もしっかりとこなすフェリペ・ガブリエル(彼の場合は、試合を重ねるごとにパフォーマンスがアップするに違いないと確信させられるから楽しみ!)、そして左サイドバックのジウトン。いいね・・。

 「まだまだ、選手間の連係など課題は山積みだ・・」と、オズワルド・オリヴェイラ監督は慎重だけれど、まあ、これまでのオズワルドさんの仕事ぶりや、補強してきた選手たちの「プレー姿勢」を見れば、あとは推して知るべしだね。今シーズンも、アントラーズは強いよ。

 ちょっと所用で出掛けなければならなくなりました。ということで、この試合については、ここまでにします。後で、もし気付いたコトがあれば補足しますので・・

 




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