湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2014年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第22節(2014年8月30日、土曜日)
- 完勝だったからこそ、チト別なテーマも・・(レッズvsアルディージャ、 4-0)
- レビュー
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- ・・そうだよっ!・・これが(特に、このゲームに対して!)我々が期待するアルディージャのサッカーじゃないか・・何といっても、レッズとの埼玉ダービーなんだからね・・
そう、レッズに3点目をブチ込まれ、カルリーニョスが登場したあたりから、アルディージャの闘う意志がレベルを超えてアップしていったんだよ。
私は、アルディージャのサッカーが、ボールを奪い返すプロセス(要は守備)のダイナミズムだけじゃなく、攻撃でのボールがないところの動きの量と質も倍増したと感じていた。そう、意志のポテンシャルが何倍にも膨れ上がったんだ。
不確実な要素が満載のサッカーは、意志のボールゲームとも言える。
コンディションなんていうワケの分からない(言い訳に使われすぎの!?)ファクターなんて関係なく(まあ、フォームという表現ならばいいけれど・・)、サッカーでは、意志のポテンシャル(ダイナミズム)によって、プレー内容に雲泥の差がでてきてしまうものなんだよ。
ということで、意志パワーが倍増したアルディージャ。
その時間帯から、何度彼らは、決定的なチャンスを作り出したことか。レッズ応援席からは、そんな決定的ピンチを迎え、それをしのぐたびに、「西川コール」が響きわたったものだった。
とはいっても、レッズも押し込まれているばかりじゃなかった。
そう、レッズが、人数を掛けて攻め上がっていくアルディージャの虚を突き、危険なカウンターをブチかましたんだよ。そして実際に、ゲームの流れからすれ
ば、まさに順当とも言える4点目が生まれたというわけだ(もちろん前半2点目のカウンターゴールも素晴らしかったけれど・・)。
それにしても前半のアルディージャ。そのときの彼らは、ゲーム戦術の「呪縛」に囚われ過ぎていたのだろうか。
とにかく、アルディージャの前半サッカーからは、意志と覇気が感じられなかった。
特に守備。
ブロックはしっかりと組織しているけれど、レッズのボールホルダーへのアプローチ(チェイス&チェック)が、まったくといっていいほど見られなかった。
また、たまにチェイス(最初のアプローチ)が出てきても、次のディフェンスアクションが連動しないから、そのチェイス(守備ハードワーク)が、本物のムダになってしまう。フ〜〜ッ・・
とはいっても、人数を掛けた強化守備を敷くアルディージャだから、レッズが攻めあぐむのも自然の成り行きだろうな・・なんて思っていた。でも実際は・・
たしかに立ち上がりは苦労した。でも、時間の経過とともに、ボールがないところでの(レッズ選手たちの)動きの量と質が、何倍にも躍動しはじめたんだ。
そう、縦横無尽のポジションチェンジとボールがないところでの動きの量と質が目に見えて増幅していったんだよ。レッズ攻撃の危険度が高揚していくのも道理だ。
まさにそれは、前節、FC東京戦の後半に魅せつづけたダイナミックな組織サッカーを彷彿させるモノだった。
私は、前節FC東京戦、後半のサッカー(前半からのイメチェン!)について、「その学習プロセスを経て、レッズの勝者メンタリティーは、より拡充したに違いない・・」なんてことを書いたけれど、この試合では、まさに、その具体的な成果が発揮された・・と感じていた。
まあ、素晴らしいゲーム内容と順当勝利については、こんなところですかね。
ということで、ここからは、ちょっと気になるテーマに入っていこうと思います。
ということで、ミハイロに、こんなことを聞いた。
・・素晴らしいゲームだったし、そのことについては、もう質問の必要なんてないと思う・・だから私は、敢えて、ちょっとネガティブな話題に入っていきたい・・
・・マルシオ・・彼の才能と意志(インテリジェンス)については、疑いの余地はない・・でも、ケガが癒えて再起プロセスにある今の彼には、ちょっと心配がつのる・・彼のパフォーマンスは、あんなモノじゃないから・・
・・以前のような、忠実でダイナミックな守備や、攻撃でのパスを呼び込むクレバーな動きなど、攻守にわたって積極的に仕事を探しつづけるというプレー姿勢からすれば、今の彼の縮こまったプレーには心配がつのるばかりなのだが・・
そんな、私の微妙な質問に対し、例によってミハイロは、真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。曰く・・
・・オレは、レギュラーを張っている選手たちとだけじゃなく、ベンチを温めている選手たちともよく話しをするんだよ・・彼らの気持ちがよく分かるからね・・
・・いまはマルシオのことが話題になっているけれど、山田直輝のことも忘れちゃいけない・・この2人は、レッズにとって、とても重要な存在だ・・だから彼らのことは、常に視野に入っている・・
・・彼らは、ケガで長期離脱を強いられていたよね・・そして今は、復活しようと努力している・・ただ、今の彼らのフォーム(調子)からすれば、まだ十分な戦力として計算することは難しい・・
・・まだ、実戦の感覚を研ぎ澄ますなど時間が必要なんだ・・でも彼らは復活する・・彼らには、そのための強い意志があるし、実行力とインテリジェンスも備わっている・・
・・今日はベンチに入らなかったけれど、若い山田直輝には、大いに期待しているんだよ・・もちろん彼も実戦の感覚を積み重ねることが必要だから、次のナビスコカップではプレーすることになると思うよ・・
・・とにかく、これからの彼らには大いに期待しているんだ・・
フムフム・・。
ところで、「守備を固める相手と、どのように対峙していくのか・・?」という話題のなかで、ミハイロが、こんな素敵なコメントをしたから、それも付け加えておきますよ。曰く・・
・・ボールがないところでの動きの量と質こそが重要なテーマであることは言うまでもない・・だからこそ、選手たちの、常に、しっかりと考えつづける姿勢を
高揚させていかなければならない・・そして、それがうまくいっているからこそ、相手の強化守備ブロックとの対峙という課題も、うまくクリアできるようにな
りつつあるということだ・・
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ところで、ブラジルW杯に、後藤健生さんと「スカイプ」を介して繰り返したディスカッションをまとめた、ライブ感あふれる「ナマ対談本」が出来上がりました。
その新刊については、「こちら」をご参照ください。ではまた・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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