湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2014年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第33節(2014年11月29日、土曜日)
- 意志のダイナミズムでレッズを上回った鳥栖・・(鳥栖vsレッズ、1-1)
- レビュー
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- フ〜〜ッ・・
・・鳥栖がブチかました執念の同点ゴール・・その瞬間、思わず、「エッ!?・・ウソだろ!?」なんていう、コーチにあるまじき言葉が口をついていたっけ・・
・・まさに、歓喜(期待)と奈落(絶望)が激しく交錯した、「これぞサッカー・・」っちゅう感じの勝負マッチだった・・まあ、仕方ない・・
この結果を受け容れなければならないレッズにとっては、「あの」追加ゴールのチャンスを決め切れなかったことが全てだった。彼らは、立派な「勝負サッカー」を展開し、そして少ないチャンスを、しっかりとモノにした。でも・・
ということで、とにかくまず、最後の最後までまったく途切れなかった、鳥栖プレイヤーたちの「意志パワー」に対して、心からの拍手をおくりましょう。
前半から魅せつづけた、ボール奪取への極限レベルの意志と、組織的に連動しつづけたディフェンスアクション(ハードワークの積み重ね!)。
そんな、中盤でのボールをめぐるせめぎ合いの「勢い」は、明らかにレッズを上回った。だからこそレッズは、自分たちがイメージする組織サッカーを、十分に機能させられなかった。
そして鳥栖は、ボールを奪い返した次の瞬間から、徹底した「自分たちの仕掛け」をブチかましていくんだよ。
その徹底ぶり。見事ではあった。
何せ、その、「タテへの仕掛けロングパス」が飛ばされるのと同時に(いや、その直前から!)、こぼれ球を狙う「鳥栖プレイヤーたち」が、間断なく、(レッズ選手の視線を盗むように!)スッ、スッと、レッズ選手たちの「間隙スペース」へ入り込んでいくんだからね。
それは、まさに、ロングパスを出す方と、受ける側(こぼれ球を狙う側!)のイメージが完璧にシンクロした勝負アクションの連鎖(効果的コンビネーション)だった。
そんな鳥栖の「徹底サッカー」は、もちろん周知だけれど、にもかかわらずレッズは、何度か「危ない仕掛けの流れ」を演出されてしまうというピンチに陥った。
やはり、ホンモノの組織ボールゲームであるサッカーでは、ボールがないところでの忠実な動きを絶対的ベースに、互いの勝負イメージを連動させることこそが命だということか。
まあ、ここじゃ、そのテーマに深入りしないけれど、そんな「ルーズな競り合いがミックスした最終勝負」での守備というテーマで、新連載の「The Core Column」シリーズにおいて、「こんなコラム」もアップしたから、興味がある方は、ご一読アレ。
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さて、これでレッズは、得失点差で大きくリードしている(同勝ち点の!)ガンバに首位を奪われて最終節を迎えることになった。
まあ、この鳥栖戦に「1対0」の勝利を収めたとしても、実際的には(最終節でガンバが勝利することを大前提にすべきだから!!)、最終節、埼スタでのグランパス戦も「勝つしかない」コトに変わりはないよね。
でもまあ、それと、「勝っても相手の結果次第(他力本願)」という状況では、まさに「雲泥の差」であるけれどサ。
とはいっても、たしかに「勝たなければならない・・」という数字的な前提に変わりはないものの、両者では、ゲームへ臨む「心理背景」はまったく違う。
要は、このところのリーグ戦のように、注意深く着実に勝利を目指すという(忍耐の要る・・重い感じの!?)モノのではなく、最終戦は、もう「行くしかない・・!!」という、心理的にも「解放された状態」ということだね。
とにかく今は、レッズに、フッ切れたプレー姿勢で、今シーズン最高のフットボールを魅せて欲しいと思っている筆者なのでした。
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ところで、先日、高円寺のパンディットという「トークライブハウス」で、下記の「ナマ対談本」に絡めて、後藤健生さんと対談をやったんですよ。
アナウンス(事前の告知)が足りず、参加していただいた方は少なかったけれど、その対談全体が、「You Tube」にアップされましたので、お知らせします。
2時間近くも話しまくったのですが、その第一部が「こちら」で、その第2部が「あちら」です。
- また、下記の「ナマ対談本」についても二人で語っている部分があるのですが、編集部が、それを、このように「編集」したのだそうです。まあ、ということで「こちら」もご参照アレ。
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ブラジルW杯に、後藤健生さんと「スカイプ」を介して繰り返したディスカッションをまとめた、ライブ感あふれる「ナマ対談本」が出来上がりました。
その新刊については、「こちら」をご参照ください。ではまた・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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