湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2017年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第21節(2017年8月9日、水曜日)
- 堀孝史レッズは、復活ベクトルに乗りつつある・・(ヴァンフォーレvsレッズ、0-1)
- レビュー
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- とても粘り強い「完封」勝利だった。
この「完封」に、いまのレッズにとって、「最後の半歩を伸ばし切る・・」という意味合いで、とても重要なコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されていることは言うまでもない。
前節のゲームでは、引き分けという結果とは違う次元の「内実」について書いた。
そう、最後の半歩を、しっかりと伸ばし切れていたという視点(前節コラムじゃ、最後の一歩・・ってなミス表現になってしまったけれどサ・・へへっ・・)。
この「最後の半歩・・」というテーマについては、帰国直後に「ダゾン」したセレッソ戦をベースに書いた「このコラム」も参照してください。
要は、堀孝史が、ミハイロが構築した戦術ベースを変えないことも含めて、正しい方向へ、チームの攻守イメージング(意識と意志の内実)をリードしているということだね。
この試合での相手は、優秀なプロコーチ吉田達磨に率いられたヴァンフォーレ。
まあ、前半は、吉田達磨さんがハーフタイムに檄を飛ばした(!?)ように、ヘビに睨まれた(レッズの強者イメージにビビッた!?)蛙のごとく、選手たちが怖がってプレーしていたよね。
だから、誰も、高い位置でボールを奪い返しにいかなかったし、(低い位置で!?)ボールを取り返しても、人数をかけた攻撃サポートもままならなかった。
そんな、だらしのないチームに対して、吉田達磨が、ハーフタイムに怒り心頭に発したということらしい。そしてヴァンフォーレが甦った。
そう、後半の彼らは、まさに人が変わったように、攻守ハードワーク(攻守のリスクチャレンジ)をブチかまし始めたんだよ。
もちろんそれには、「あのまま」じゃホームで負けちゃうという事実(究極のモティベーション)に突き動かされたという側面もあるよね。
死に物狂いで攻守ハードワークをブチかましてくるヴァンフォーレ。
そんな彼らに対して、いまのレッズには、残念ながら、そんな展開を「逆流させられる」ほどのチカラはない。
逆流させるためには、もちろん、攻守ハードワークの内実を、格段にアップさせなきゃいけない。そのためには、グラウンド上の「刺激リーダー」だって必要になる。
この、瞬間的な刺激リーダーっちゅうテーマについては、ラモス瑠偉もモデルに、「The Core Column」で発表した「このコラム」をご参照あれ。
そう、いまのレッズでは、「あの流れ」になったゲームを、強力に押し返し、再びイニシアチブを握ってしまえるだけのチカラは「まだ」再生できていない・・ということだね。
でも・・
そう、そんな押し込まれる展開にはなってしまったけれど、それでもレッズ守備は、(前述した!)最後の半歩を伸ばし切る、とても立派な闘いを展開したんだ。
いや、ホント、そこで彼らが魅せた、忠実でダイナミックなチェイス&チェック、忠実マークやスペースの効果的カバー、相手よりも先にボールに触ったり、局
面デュエルで決して負けなかったり等などに代表される集中力(強烈な意識と意志!)は、先シーズンの終盤で魅せたギリギリの闘いのマインドを彷彿とさせ
た。
たしかに攻撃では、まだまだ、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションの量と質に、大きな課題を抱えている。
だから、そう簡単にはチャンスを創りだせない。
でも、堀孝史さんの優れた心理マネージメント(!?)の下、(少なくとも守備では!)イージーなマインドは消え失せ、全員が、素晴らしい闘う意志を、最後の最後まで魅せつづけていた。
いつも書いているように、(長いスパンだけではなく、一つのゲームのなかにおいてでも!!)調子のダウンを復活させるための唯一の方法は、攻守ハードワークのギアアップなんだよ。
特に、守備のハードワーク。
それは、とても疲れる仕事。でも、「それ」を、全員が、積極的に探しつづけるしかないんだ。
もちろん、味方の、サボりから発生したミスを補うコトも含めてネ(サボったヤツが恥じ入るくらいのハードワークをだよ!!)。
そんな、サッカーのなかで、もっとも辛いハードワークを、一人の例外もなく、全員で「積極的に探しつづける!!」ことこそが、チームのモラルを、再び極限まで引き上げる原動力になるのさ。
そのことは、フットボールネーションでの事実の積み重ねが証明しているっちゅうわけだ。
さて、レッズが「ホンモノの復活ベクトル」に乗った(・・と思う)。
ということで、今は、ここからの巻き返しを、心から楽しもうと思っている筆者なのであ〜る。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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