湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2017年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第33節(2017年11月29日、水曜日)
- 究極の心理マッチが繰り広げられることになったリーグ最終戦・・サッカーの神様に感謝しましょう・・(レッズvsフロンターレ、0-1)
- レビュー
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- ・・今日は、我々のサッカーをやれなかったけれど、それでも最後まで集中して、結果を残すことが出来た・・
・・このような(ものすごい心理プレッシャーがかかる!?)ゲームを勝ち切れたことは、とても重要な(心理的)体感として残るはずだ・・
鬼木達さんが、ゲーム後の会見で、そんなニュアンスの内容をコメントしていた。
そう、まさにおっしゃるとおり。
このような心理プレッシャーが掛かるゲームに、最高の集中力で(要は最高の闘う意志ベースのディフェンスで!)勝ち切れたコトは、様々な意味で、次につながるということだね。
それにしても・・
このゲームの全体的な雰囲気は、とても「微妙」なモノだった。
レッズは、アジアの頂点に立つという至福のときを体感してから数日後の(闘う意志のポテンシャルをギリギリまでアップさせるのが難しい!?)リーグ戦に臨んだわけだけれど、メンバーが大幅に入れ替わったことも含め、難しい状況ではあったと思う。
もちろんプロとして、全力でゲームに臨んではいたと思う。でも、やはり、攻守にわたって、「最後の半歩」を伸ばし切れないシーンも目立っていたんだ。
またフロンターレにしても、絶対に勝たなければならないギリギリの勝負マッチということと、前半の14分に先制ゴール(結局それが決勝ゴール!)を奪ったことで、どんどんと、「気持ちが守りに入っていった」という側面も否めないと感じた。
何か、微妙でしょ・・
もちろん私は、どんな状況でも、攻守にわたって「最後の半歩を伸ばし切りつづける」ことは、プロとしての責務だとは思う。
でも、そこは・・
そう、やっぱりサッカーは、究極の意志のボールゲームということなんだろうね。
その事実を再認識させられたこともあって、ゲームの雰囲気と同様に、少し「重たい」気持ちになっていた筆者だったのでした。
フ〜〜ッ・・
さて・・
ということで、「0対0」の引き分けに終わったアントラーズ対レイソル戦のコラムで書いたコトが、現実のモノになった。
そう、アントラーズが、(傍目では!?)とても厳しい状況に追い込まれたんだ。
たしかに彼らは、「まだ」勝ち点では、フロンターレを「2ポイント」リードはしている。でも、得失点差では、圧倒的にフロンターレがリードしているんだよ。
ということは、フロンターレがホーム最終戦のアルディージャ戦に勝つことを大前提としてゲームに臨まなきゃいけない。
そう、アントラーズは、フロンターレのゲーム展開とは関係なく、アウェーでのジュビロ戦に、絶対に勝ち切るしかないというわけだ。
それは、「あの」昇り龍の勢いがあるジュビロのホームゲームということも含めてとても厳しい状況だよね。
とはいっても・・
そう、もちろんフロンターレにしても、勝たなきゃ、可能性のカケラもつかみ取れないという状況は同じだよね。
相手は、降格が決まり、何も失うモノがないアルディージャ。
それに監督は、新任の勝負師(前アントラーズ監督の!)石井正忠だぜ。
聞くところによると、彼は、来シーズンの「J2」でもアルディージャの指揮を執るとのこと。
ということは、来シーズンの「勝負」へ向けた心理的な準備という意味合いも含む(!?)この最終戦を、ゲーム戦術の手練手管を駆使して、絶対に勝ちにくるに違いない。
もちろん、アルディージャ選手たちが、自分たちの眼前では、絶対に「胴上げ」なんて見たくないという視点もある。
そう、ここでも、究極の闘う意志がぶつかり合うサッカーの面目躍如・・ってな心理環境が整っているっちゅうことさ。
とにかく、お互い、サッカーの神様に感謝しながら、このリーグ最終戦での究極のエキサイトメントを、手に汗握りながら、心からシェアすることにしましょう。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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