湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2018年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第17節(2018年7月23日、月曜日)
- レッズに対する「期待値」が天井知らずに高まっていくゼ・・(セレッソvsレッズ、1-1)
- レビュー
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- オズワルド・オリヴェイラ率いるレッズ・・
W杯をはさんだ一ヶ月の中断期間で、ホントに進化した・・
前節グランパス戦の「サッカー内容」が、とても、とても良かったことで、改めて、オズワルドの「ストロングハンド」を、とても高く評価している筆者なのです。
ということで・・
昨日のアウェー、セレッソ戦でも、レッズに対する「戦術的な分析イメージング」を、より確固たるモノにしなきゃ・・と、「ダゾンする」ことにしちゃったわけです。
そして・・
たしかに、ユン・ジョンファン率いるセレッソも、よい(勝負強い!?)サッカーを展開している。
それでも私は、全体的なサッカー内容という意味合いで、復調し、明確に、進化・深化ベクトルに乗っているレッズに一日以上の長あり・・と観ていました。
ここで言う、サッカー内容の意味合い・・
その基準は、もちろん、攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれる、積極的な攻撃サッカーという意味合いでの「美しく勝つサッカー」。
そんな「本質的なサッカー内容」という視点で、レッズに分があると感じていたわけです。
もちろん、両チームともにチャンスは創りだした。
でも・・
そう、そのチャンスメイクへ向かう「スペース攻略プロセス」という視点がキーポイントなんだよ。
そのプロセスにおける絶対ベースは、もちろん組織プレーと個人勝負プレーのバランス。
その視点で、レッズに一日以上の長があると思っているわけです。
ところで・・
そう、いまの日本の猛暑。
たしかにロシアも、異常なほど蒸し暑かったけれど、いまの日本は、その比じゃない。
わたしも、日中の単車移動は控えるようにしています。まあ、まだ時差ボケもあるからね。
あっと・・その猛暑だけれど・・
まあ、「日本の夏のサッカー・・」っちゅう視点だね。
そこでは、もちろん「守備のやり方」がメインテーマになる。
そう、ボール奪取プロセスは、よりクレバーに、スマートに「効率化」しなきゃいけないんだ。
積極プレッシングサッカーは、少し控え気味にするってなコトかな。
そりゃ、こんな気候条件だから、激しくプレッシングを仕掛けたら、身体的、心理・精神的バロメーターである「フォーム」を高みで維持できるはずがない。
だから、チェイス&チェックという守備アクションも、よりクレバーに落ち着いたモノにしなきゃいけないっちゅうわけだ。
もちろん、攻守の切り替えを素早く「こなす」ことは大前提だよ。
でも、相手ボールホルダーに対するチェイスは、そこそこに、まず互いのポジショニングバランスをマネージするわけだ。
そして、そこから、相手の「攻撃の流れ」を制限し、追い込んでいく。
もちろん両チームともに、そんな「守備のやり方」を徹底してはいるけれど、そこでも、「効果的なパスコースの読みと実効インターセプト」っていう視点で、レッズに一日以上の長ありっちゅう評価なわけさ。
チト誉めすぎだろうか!?
いや、見方はニュートラルだと思うよ。
どちらかに加担するマインドベースじゃなく、あくまでも、グラウンド上の現象を観ているからね。
だから、一つの攻防が終わったときに、「はっ」と、ユニフォームの色を認知することだってあるんだよ。
だから、グラウンドの攻防現象への評価は、かなりニュートラルだと思うわけさ。
へへっ・・
最後に・・
新加入のファブリシオの攻守パフォーマンスと、柏木陽介の万全ではないケガ回復の状態。
まず柏木陽介だけれど、心配だね、ホントに。
試合中も、交替するときも、すこし足を引きずっていた。
その柏木陽介は、いまのレッズ進化&深化の、もっとも重要な担い手の一人なんだ。
とにかく、攻守ハードワークとリスクチャレンジ姿勢、それをベースにしたゲームメイクやチャンスメイクは言うに及ばず、セットプレーでのキック精度(その進化!?)も、群を抜いている。
その精度だけれど、それは、「あの」ベッカムや中村俊輔にも匹敵すると思う。
とにかく、彼のケガからの回復状況が気になって仕方なくなったんだ。
そんな心配に対して、ポジティブの極みだったファブリシオ・・
いいですネ〜〜・・
ボール置き方(ボールコントロールの内実)や、動作の素早さ、正確さなどといった、シュートまでのプロセスが、まさに本格的な「世界」なんだよ。
また、攻守にわたる、ボールがないところでの「ここぞっ!」のアクション(攻守ハードワーク)の量と質も、とても良いし、中盤からの組み立てプロセスでも、勝負パスの供給でも存在感がある。
要は、勝負所を知っているということだけれど、それも、世界での体感の積み重ねがあればこそ・・っちゅうことだね。
マルティノスが、「気持ちを入れ替えた積極プレー」をやり始めたことも含め、やっぱり、レッズの「ストロングハンド」の存在が大きいと思う。
オッサンが放散する雰囲気は、まさに「本格感」のカタマリなんだよ。
そりゃ、外国人選手だって、甘く見るハズがないよね。
とにかく、このゲームの内実をイメージタンクに蓄積しながら、レッズの今後に対する「期待」が、天井知らずに高まっていくことを実感している筆者なのであ〜る。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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