湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2019年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第17節(2019年6月30日、日曜日)
- レッズには、戦術(規制)サッカーではなく、強い闘う意志ベースの解放サッカーを志向して欲しい・・(トリニータvsレッズ、2-0)
- レビュー
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- フ〜〜ッ・・まあ仕方ない・・
とにかく、片野坂知宏に率いられたトリニータの、攻守にわたる、優れた組織サッカーばかりが目立ったゲームだったという評価に、異論を唱える方は少ないと思いますよ。
そんな強いトリニータと対峙したレッズだけれど・・
オズワルド後の彼らについて、もう何度か、戦術(規制)サッカーとか、イメージが、ポジショナルプレーに偏り過ぎている・・なんていう違和感を書いた。
たとえば・・
全員の、攻撃的ボール奪取イメージ(闘う意志)がシンクロするような、前からプレス守備の「流れ」は、ほとんど感じられない・・という事実。
また攻撃でも、パス&ムーブが少ないし、ボールがないところでのサポートの動きが活発だとは、お世辞にも言えない。
要は、攻守にわたって、そんな、人の動きが加速していかない(要は、机上の空論的な幾何学イメージに偏った!?)ポジショナルプレーが目立ち過ぎているって感じるわけさ。
そんなだから、ボールの動きも、スペースじゃなく、多くが「足許パス」に陥ってしまう。
そんな印象をもったのは・・
昨日のマリノスがブチかました、まさに「ポジションなしの圧倒的な意志の組織(攻撃的)サッカー」が素晴らし過ぎたからかもしれない。
そのゲームについては、「こちら」をご覧あれ。
たしかにマリノス「も」負けちゃったけれど、彼らの攻守ハードワーク(闘う意志!?)の内実は、いまのレッズとは比べものにならないと思うわけさ。
そう、同じ敗北でも、そのコノテーション(言外に含蓄される意味)には、かなり明確な「差異」があるって感じているんだ。
マリノス監督ポステコグルーは、「積極的な(攻撃的な)リスクチャレンジサッカーが好きだ・・」なんて公言している。
もちろん「それ」は、観ている方々だけじゃなく、やっているプロ選手たちのことも考えた発言だ。
・・その解放サッカーによって、彼ら自身も、大きく進化できる!?・・
チーム&ゲーム戦術や、プレイヤー個々の戦術的タスク等などの「プラン」は、もちろん大事。
でも、それ以上に大事なのは、選手たちの「闘う意志」なんだよ。
そう、カタチではなく、あくまでも「自由」こそが、闘う意志のリソース(絶対的な資源)なのさ。
「こうしろ・・」、「あ〜しろ・・」ってなコトばかりでアタマのなかが占拠されちゃったら、決してクリエイティブなプレーなんて出来ないでしょ。
だからこそ私は、選手たちが、自分たちの意志で、どんどんと、リスクへもチャレンジしていくような積極サッカーこそが・・ってな主張をするわけだ。
もっと、たくさんキーワードは創っているよ・・
たとえば・・
・・優れたサッカーは、ミスの積み重ね・・
・・積極的にバランスを崩していなきゃ、良いサッカーなんで出来やしない・・
・・だからこそ、ボールを失った次の瞬間にブチかます、攻守の素早い切り替えが絶対ベース・・
・・そう、乱れたバランスを、なるべく早く正常に戻すために・・
・・そんな、バランス再生アクションこそが、真のバランス感覚と呼ばれるべきなのだ・・
・・もちろん、キツイ仕事だけれど・・さ・・
・・などなど。
あっと・・チト、ハナシが前後左右に散らばり過ぎちゃった。
まあ、とにかく・・
レッズには、戦術(規制)サッカーではなく、あくまでも(強烈な意志ベースで素早く修正・修復できるという大前提に立った!!)解放サッカーを志向して欲しいと願っている筆者なのであ〜る。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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