湯浅健二の「J」ワンポイント


2019年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第19節(2019年7月13日、土曜日)

 

マリノスのスーパーダイナミックサッカーに乾杯!!・・またレッズには、過ぎた規制から解放された(もっと自由で積極的な!)サッカーを志向して欲しい・・(マリノスvsレッズ、3-1)

 

レビュー
 
・・そりゃ、パッションだよ・・パッション・・それこそが、良いサッカーのエッセンスなんだ・・

実は、アンジェ・ポステコグルーに対して、こんな質問をブチかましちゃったんだ。

・・エンスージアスティック(情熱的)な、素晴らしいサッカーでした・・

・・でも・・ネ・・

・・チームは、グラウンド上で、あれほどの「熱」を感じさせてくれるけれど、会見でのポステコグルーさんは、ものすごくクールじゃないですか・・

・・その、チームが表現するダイナミックサッカーと、指揮官の(特に会見での!?)クールさのギャップが、とても興味深いのですが・・

・・そのコトについて、コメントいただけませんか?・・

なんか、ワケの分からない質問になってしまったけれど、それを、言語コミュニケーターの方が、素晴らしい内容に通訳をしてくれたんだよ。

どうも、ありがとうございました〜〜っ!!

ところで、その質問だけれど・・

実は・・

ゲームの前に、あるフォトグラファーの方から、「湯浅さんだったら、ポステコグルーを笑わせるような質問ができるはずじゃないですか・・」なんて、挑発されたんだよ。

また、「あの攻撃的なサッカーと、ポステコグルーの会見でのコメントは、ちょっと、イメージ的にギャップがあるナ〜〜」なんてコトも言われた。

そんなコトもあって、ゲーム内容からは「すこし外れた質問」をぶつけてみることにしたんだ。

マリノスのサッカー内容ばかりに質問が集中しても・・ネ〜・・へへっ・・

そしたら、アンジェが・・

とてもステキな笑みを浮かべながら、例によって真摯に、長〜く、語ってくれたんだ。

そして、いろいろと言葉を紡ぐなかで、冒頭のようなニュアンスの内容も、コメントしてくれたっちゅうわけさ。

とても、素敵なコメントじゃありませんか。

パッション・・

まさに、その通り。

いまのマリノスは、フロンターレに優るとも劣らない、素晴らしい組織サッカーを魅せつづけているわけだけれど、その絶対ベースが、選手たちの「闘う意志」にあるっちゅうわけさ。

さて、ゲーム内容・・

前半は、マリノスが、完璧にゲームを牛耳った。

そのなかで、前半38分に、遠藤渓太が先制ゴールをブチ込んだわけだけれど、そこに至るまででも、少なくとも三回は、完璧な「ゴール機会」を創りだした。

もちろんそれは、スペースを攻略したチャンスメイクだよ。

攻守ハードワークとリスクチャレンジマインドを絶対ベースにする、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション。

そして、そのなかに、タイミングよい、個のドリブル勝負もブチかましていく。

そんな、組織プレーと個の勝負プレーの、まさに高質なコラボレーション。

ホレボレさせられる。

ということで、ポステコグルーのコメントだけれど・・

冒頭コメントの前か後には、こんな素晴らしいコンセプトも披露してくれたっけ。

曰く・・

・・我々の攻撃的サッカーの根幹は、パス&ムーブの積み重ねにあるんだ・・

・・その動きのテンポが優れているからこそ、スペースを攻略できる組織コンビネーションをブチかましていけるというわけさ・・

いいね〜、アンジェ。

たしかに、いまのマリノスは・・

目の醒めるような「連動性」を魅せつづける「前からプレス守備」を絶対ベースに・・

次の攻撃でも、ボールがないところでのサポートの動きが抜群にアクティブだ。

そして、そんな動きのなかで、パス&ムーブを、まさに複合的に、そしてスムーズに機能させつづけるっちゅうわけさ。

そんな、スーパーな組織サッカーを観ながら、レッズの守備が、うまく機能せず、続けざまにスペースを攻略されちゃうのも無理はない・・なんて思っていた。

たしかに後半は、レッズも、攻守の「勢い」を加速させはした。

でもそれは、組織として連動するようなレベルじゃなく、どちらかといったら、「局面プレーのブツ切り・・」って表現するのが妥当なサッカーだった。

そう、選手たちがアタマに描く、攻守ハードワークとリスクチャレンジのイメージが、まったくと言っていいほど「シンクロ」していないんだよ。

まあ、レッズについては、前回の「トリニータ戦コラム」も、ご参照あれ。

そこでも書いたけれど・・

机上の空論「的」な、幾何学ロジックのチーム戦術じゃ、選手たちの攻守イメージが、どんどん萎縮し、足が止まり気味になってしまうのも道理でしょ・・なんていう心配の方が先に立つ。

その背景には・・

「規律(規制)から解放(自由)へ・・」という、反面教師という意味合いも含んだ、私が、ドイツから持ち帰ってきたコンセプトがあるんですよ。

ということで、今日は、このあたりで・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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