湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第29節(レポート日:2021年9月19日、日曜日)
- まあ、こんなコトもあるさ・・ケヴィン横浜マリノスが魅せたサッカーそのものは、高質の極みだった・・とにかくお互い、これからのフロンターレとの極限のトップ争いをとことん楽しみましょう・・(グランパスvsマリノス、2-1)
- レビュー
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もちろん、マッシモ名古屋が魅せつづけた、「超」集中したボール奪取プロセス(守備)は、賞賛に値する。
たしかに、「やり方のニュアンス」は少し違うけれど、その「総体的な堅実さ」は、先日のアントラーズが魅せた、「超」堅牢なブロック守備に「通じる」モノがある。
とはいっても・・
そんな堅牢なマッシモ名古屋のブロック守備だったからこそ・・
逆に、マリノスがブチかます仕掛けプロセスの「高質なダイナミズム」がレベルを超えているコトを再認識させたのも確かな事実だよね。
でも選手が交代しはじめた後半は、サッカーの内容自体が変容し、少し「単調傾向」に陥ってしまったコトは、否めなかった。
とにかく・・
ケヴィン横浜マリノスが魅せた、「人とボールの動き」が、スペース攻略プロセス(ゴール機会の創出)という視点で、とても高質だったコトが言いたかった。
もちろん、その絶対ベースが、強烈な「意識と意志」が詰め込まれた、ダイナミックなボール奪取プロセス(守備)にあるコトは言うまでもない。
そのケヴィン横浜マリノス・・
たしかに、失点という「強烈な刺激」があったからとはいっても、そのプロセスで彼らが魅せた「意識と意志とイメージングの炸裂」は、レベルを超えていたんだよ。
ワンツーを積み重ねる、ものすごくダイナミックな、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション。
そして最後は、爆発フリーランニングと、スルーパス、クロスが何度もシンクロする。
また、そのなかに、タイミングよく個のドリブル勝負もミックスしていくし、勇気まんまんのミドル(ロング)シュートだってブチかます。
彼らが、繰り返しスペースを攻略(ゴール機会を創出)しちゃうのも道理だ。
とにかく・・
まったく躊躇することなく、タテへ仕掛けていくケヴィン横浜マリノス。
人とボールの動きは、限りなく、タテ方向へ流れつづける。
でも、それだけじゃなく・・
そう、タイミングを見計らい、マルコス・ジュニオールや喜田拓也を中心に、その「動き」に「タメ」や「サイドへの展開」といった「仕掛けの変化」も演出しちゃう。
「あの」強いグランパス守備ブロックが、クルクルと振りまわされるのを観ていて、やっぱり今のマリノスのポテンシャルは、リーグ「No. 1」だね・・なんて感じていたわけさ。
でも、サッカーのリアリティーでは・・
グランパス守備ブロックに守り切られてしまうんだよ。
まあ、こんなゲームもあるさ・・ってな感じ。
ということで・・
とにかく、お互い、これからの、「強い」鬼木達フロンターレと、ケヴィン横浜マリノスとの優勝争いを、とことん楽しみましょう。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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