湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第2節(2022年2月26日、土曜日)
- また、不運なネガティブドラマをブチかまされた〜・・でもリカルド浦和レッズは、このアンラックを、次のチャンスだと捉えなきゃいけない!・・(レッズvsガンバ、0-1)
- レビュー
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- あららっ・・
また、退場劇がミックスしたゲーム展開の果てに待っていた、悔しいポイントロス。
それも今日は、先日のヴィッセル戦とは違う敗戦だから、勝ち点3を失ったことになる。
でも、実質的なサッカー内容では・・
そう、前半は完璧に凌駕、後半でも全体イニシアチブは握りつづけていたんだ。
まあ、不運・・
もちろん、そんな出来事は、サッカーじゃ日常茶飯事。
だから、負けの背景要因をロジカルに探りながら気持ちを切り替え、「次」へ向かっていなきゃいけないけれど(この不運をチャンスへと変容させる!)・・
でもサ、こんなときって、やっぱり、タラレバの感性に苛(さいな)まれちゃうでしょ。
まず何といっても・・
完璧にゲームを支配しただけじゃなく、何度も、完璧なゴール機会を創り出した前半。
また後半も、全体的にはリカルド浦和レッズがゲーム(勝負)展開の流れは握っていたし、何度か、ゴール機会も創りだした。
ところで、ガンバを圧倒した前半のサッカーだけれど・・
そこでリカルド浦和レッズが魅せつづけた魅力的サッカーのキーワードを、「ボール狩り」って表現したい。
これは、日本サッカー協会会長、日本代表チーム監督も務められた、故長沼健さんが創り出した表現。
そう、1974年西ドイツW杯で、世界中にエポックメイキングの波を引き起こした、ヨハン・クライフ率いるオレンジ軍団(オランダ代表)を、そう形容したんだよ。
当時の監督さんは、オランダのレジェンド、故リヌス・ミケルス。
私も、何度も、直接、教えを請うた。
ということで・・
サスガに長沼さん、サッカーメカニズムの本質を、しっかりと理解していました(あっ、生意気な言葉・・スミマセン)。
かく言う私は、長沼健さんにも、色々とお世話になりました。
その、素晴らしいパーソナリティを、懐かしく思いだします。
あっと・・ボール狩り・・
まあ、要は、積極的&攻撃的なボール奪取プロセス・・っちゅうことなんだけれど・・
前半でのリカルド浦和レッズは、まさに、そのイメージそのままの、素晴らしいサッカーで、ガンバを圧倒したんだ。
まさに、美しい質実剛健サッカー。
堪能した。
でも後半・・
そう、「あの」片野坂知宏が、「これじゃ、イカンッ!!」ってな感じで、後半の立ち上がりから二人のフレッシュな選手を送り込むんだ。
そう、キーポイントの「ボール奪取プロセス」を活性化させるためにね。
たしかに、それで、ゲーム展開は、少し流動的にはなった。
でも逆に、リカルド浦和レッズには、より大きなチャンスの芽が舞い込むんだよ。
そう、前からプレスを仕掛けるガンバだから、どうしても、後方の(守備における)人数&ポジショニングバランスが、前半のように「堅牢」っちゅうワケにゃ、いかなくなったんだ。
だから、後半のゲーム展開が、レッズにとって、より効果的にスペースを攻略できるような流れになっていくのも道理だった。
でも、そんななかで起きた退場劇・・
レッドカードを受けた岩尾憲は、攻守にわたって、素晴らしいプレーを展開していたし、「あのシーン」も、どちらかといったら、偶発だった(足を引けば良かった)!?
たしかに、結果としての「見え方」は悪かったけれど・・さ。
でもイエローは!?
そして、そのレッドカード(イエロー二枚目!)の2分後に、相手に、これまた偶発的に生じたダイレクトシュートのチャンスが生まれてしまったっちゅう次第。
打たれたシュートは、正確に(へへっ!)岩波拓也の足にあたり、西川周作が絶対に防げないコースへ飛んでいった。
さて・・
ということで、完璧に、ツキに見放された開幕3連戦。
とにかくリカルド浦和レッズは、この結果を、様々なコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包する、心理的なチャンスと捉えなきゃいけない。
そう・・
脅威と機会は、常に、表裏一体なんだよ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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