湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第29節(2022年9月11日、日曜日)
- 久しぶりに、美しく、強いトータルフットボールを魅せてもらった・・優れた、戦術&心理マネージャー、ミハイロ・ペトロヴィッチに乾杯!・・(コンサドーレvsジュビロ、4-0)
- レビュー
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- ミハイロ札幌コンサドーレ・・
素晴らしく美しい質実剛健サッカーを、90分とおして貫いた。
特に・・
(わたしのなかにも!?)悪い印象として残っている、「後半のペースダウン」というネガティブ現象も、このゲームでは、完璧に、払拭した。
そのバックボーン・・
言うまでもなく、ボール奪取プロセス(守備)の内実が、何倍にも高揚したことだね。
素早く効果的な、攻守の切り替え(トランジション)・・
ポジショニングバランスと、そこから爆発する「ブレイク」の、優れたメリハリ・・
忠実で爆発的なチェイス&チェック・・
局面デュエルで燃えさかる、強烈な闘う意志・・
わたしが、「最後の半歩」と表現する、勝負シチュエーションで炸裂する、マーキングやカバーリングの「最終勝負イメージング」・・
協力プレスへの、プレイヤー全員の、バランスの執れた集散アクション・・
・・等など。
それは、選手たち自身が、ハードワークやリスクチャレンジの「チャンス」を自ら探しまくる、積極的&攻撃的なプレー姿勢がベースにあるからこその実効アクションだった。
そして・・
そんな優れたボール奪取プロセス(守備)が機能していたからこそ・・
そう、次の、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)も加速するんだ。
そうなんだよ・・
ボール奪取プロセス(守備)の効果レベルは、選手たち自身が、もっとも痛切に感じている。
だからこそ・・
「それ」がうまく機能している(周りのイメージングと同期している!?)って感じた選手たちは・・
次の、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での、ボールがないところでのサポートの動きを、活性化するんだよ。
そして、それこそが、攻撃&仕掛けにおける「人とボールの動き」を加速させる原動力になる。
あっ、なんか・・
サッカーの、攻守にわたる、心理&精神的メカニズムについて、講釈しちゃった・・
ゴメン・・
言いたかったコトは・・
この日のミハイロ札幌コンサドーレが展開した、美しい質実剛健サッカーには、そんな隠れた戦術&心理ファクターがテンコ盛りだったということ。
そして、それは、選手たちの強烈な「意識と意志とイメージング」なしには、決して到達できない「高み」だというコトだね。
優れた心理マネージャーでもある名将、ミハイロ・ペトロヴィッチに対し、称賛と(日本サッカーへの貢献に対する!)感謝を込めた拍手をおくります。
ところで・・
そう、3点目をブチ込んだ、高嶺朋樹。
わたしは、彼の、陰に、日向に表現される、ボランチとしての、攻守にわたる「主体的な実効プレー」が、とても気に入っていた。
だからこそ、そのゴールを、まさに「正当な報酬」だって、喜んでいたんだ。
もちろん、彼だけじゃなく・・
最前線で、抜群のチェイス&チェックやカバーリングをブチかますだけじゃなく、次の攻撃&仕掛けでも、ものすごい「粘り」のデュエルをブチかましながら、ゴールまで奪って魅せた、ガブリエル・シャビエル。
いつもの、抜群効果レベルの攻守ハードワークを、寡黙にブチかましつづける、ルーカス・フェルナンデスと菅大輝。
勇気満々の、ドリブル勝負をブチかましつづける、金子拓郎。
世界レベルのフリーキック先制ゴールをブチ込んだ、左足の魔術師、福森晃斗。
高嶺朋樹のバートナーとして、これまた攻守にわたる汗かきハードワークに勤しむ、駒井善成。
・・などなど。
あっと・・
最前線での、攻守にわたるハードワークだけじゃなく、2点目のダイレクトパスを織り交ぜたスーパー組織コンビネーションの起点になったり、前半36分には、相手GKへの爆発チェイスで、相手GKのミスを誘い、最後は自身がフリーシュートを放つなど(キックミスで幻のゴール!)、何度も見せ場を創りだした興梠慎三も・・ね。
とにかく・・
菅野孝憲、岡村大八、田中駿汰も含む全員が、このスーパー勝利のヒーローだったと言いたかった、饒舌な(しゃべりすぎの!?)筆者なのであ〜る。
へへ・・
ということで・・
やっと、シーズン当初の「良いサッカー」を取り戻しつつある、ミハイロ札幌コンサドーレ。
ここから、どこまで順位をリカバーしていけるか・・
なんか、楽しみだね。
ガンバレ〜、ミハイロ〜〜!!
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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