湯浅健二の「J」ワンポイント


2022年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第3節(2022年3月5日、土曜日)

 

伊藤彰のクレバーなゲーム戦術がはまった・・でもチョウ・キジェ京都サンガも、感動的な勇気で、最後の最後まで闘った・・良いモノを観させてもらった・・(サンガvsジュビロ、1-4)

 

レビュー
 
・・最高だったんじゃないですか〜〜・・

・・それぞれのシチュエーションで、素晴らしいゲーム(チャンス)メイクを魅せました・・

・・ゲームの流れを、彼自身が創っているって感じですかネ〜・・

エネーチケー解説の森岡隆三が、後半34分に(選手交替で!)ピッチを去った遠藤保仁について、そんなニュアンスの素敵なコメントを、冷静な声で、ブチかましていた。

まさに、アグリーだね。

この試合・・

予想していたのとはチト違うゲーム展開で立ち上がった。

アウェーのジュビロが、ガンガン「前からプレス」をブチかまし、イニシアチブを握ったんだ。

そう、サンガのお株を奪ったジュビロ・・ってな展開。

そんな、前からプレスをブチかます積極的&攻撃的なサッカーって、チョウ・キジェ京都サンガの十八番(!?)なのに・・

そのテーマについては、第一節コラムも、ご参照あれ。

ところで、ジュビロがブチかました前からプレス・・

お株を奪われた感じのサンガは、少し、戸惑い気味になってしまった!?

そうね、たしかに、少しね・・

でも・・

そう、あんなゲーム展開になったら、サンガがやることは、たった一つだけなんだよ。

そう、ジュビロに輪を掛けた「勢い」で、前からプレスをブチかましていくんだ。

でも彼らは、ちょっと「観て」しまった感があった。

そしてサンガは・・

積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(前からプレス!)をブチかませるシチュエーションになっても(自分たちのイメージングにはまっても!?)・・

逆に、ジュビロが、その勢いを、スッと「外しちゃう」んだ。

そう、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションだけじゃなく、ロングパスで「プレスの輪」の後方スペースを攻略しちゃったりするんだよ。

そんな効果的な人とボールの動きを、巧妙にマネージしていたのが、あの、遠藤保仁っちゅうわけだ。

また彼は、サンガGK上福元直人がレッドを喰らった後の、数的優位なゲーム展開でも、大いに存在感を発揮する。

チョウ・キジェの檄に燃えるサンガ選手たち・・

そんな彼らの、激烈な「勢い」を、スッと「すり抜けちゃう」ような、クレバーな(決定的な!)スペースパスを飛ばしたりするんだ。

そう・・

一人足りないなかで、ガンガン、積極&攻撃サッカーをブチかますサンガだから・・

どうしても、次の守備では、人数&ポジショニングバランスが、少しずつズレる。

遠藤保仁は、そんな、相手の「スキ」を突いた、イヤラシい(!)スペースパスを飛ばすんだ。

たとえば、2点目の、右サイドスペースを攻略したタテパスとかね。

そんな遠藤保仁の巧妙なプレー・・

・・相手がアタックにきたら、スッと、シンプルな展開パスで逃げる・・

・・でも、少しでもフリーでボールを持ったら、ズバッってな感じの、仕掛けのタテパスを通しちゃう(前半、杉本健勇へのラストクロスは見事!)・・

・・もちろん、次のパスを読んだ相手が、パスレシーバー(遠藤保仁)目掛けてアタックを仕掛けてきたら・・

・・スッと、華麗なダイレクトで、タテのスペースを狙う味方プレイヤーへ、パスを通しちゃったりする・・

・・まあ、柔道でいう「空気投げ」ね(三船久蔵があみ出した!?)・・

・・これって、嘉納治五郎師範が、後に「隅落とし」って名付けたらしい・・

あっ、蛇足。

とにかく私は、そんな(守備もやる!)遠藤保仁の、「力の抜けた」クレバープレーを、堪能していた。

あっと、チョウ・キジェ京都サンガ・・

一人退場になってからの彼らは、まさに、勇気の塊になって、素晴らしいボール奪取プロセス(守備)をベースに、積極的に仕掛けていった。

でも、まあ、そこは、サッカーだから・・

それにしても・・

そう、ピーター・ウタカ。素晴らしかったよね。

遠藤保仁が42歳で、ピーターは38だって。

そんな超ベテランを中心に、興味深い「勝負所プレー」が展開された勝負マッチだった・・っちゅう見方もできるかな。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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