湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第30節(2022年9月17日、土曜日)
- 攻守にわたるギリギリの「主体性プレー」という視点で、このゲームでは、ベルマーレに一日の長があった・・(ベルマーレvsレッズ、0-0)
- レビュー
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- 昨日のゲームでは、感謝していたのに・・
そう、この試合でのダゾン中継は、またまた、「寄り過ぎ」だったんだよ。
その寄り過ぎレベルが「ちょっとだけ」だったから、コチラのフラストレーションは、逆に、天井知らずってなコトになった。
そりゃ、そうだ・・
中継スタッフの方々が、ゲームの「何をみせたいのか」というのが、メインテーマなわけだから。
そう、このゲームでのダゾン中継クルーが見せたかったのは、せいぜい、ボールからの半径20〜30メートルっちゅうゾーンでの「出来事」だけ。
でも、さ・・
サッカーじゃ、そのゾーンを越えたところでこそ、攻守にわたる、決定的な勝負アクションが展開されているんだよ。
こちらは、ボールがないところでの「攻守イメージング」の「せめぎ合い」を楽しみたい。
「どこに、どんなカタチで、次のスベース」ができるのか・・
そのスペースを、誰が、どのようなカタチで活用しようとしているのか・・
逆に、守備側は、そのスペースを、正確にイメージングできているのか・・
等など・・
そんな、攻守の「イメージングの激突」を体感したいんだよ。
まあ、仕方ない・・
でもサ・・
そう、このゲームが、とても素晴らしい「動的均衡マッチ」だったからこそ、残念な気持ちにつつまれていたコトだけは、付け加えされてくださいネ。
フ〜〜ッ・・
ということで、その素晴らしい、動的均衡マッチ。
(前にも書いたと思うけれど!?)ベルマーレの山口智「も」、とても良い仕事をしていると思う。
良い仕事・・
それに対する評価基準は、何といっても、攻守にわたる「主体性プレー」の内実だよね。
たしかに、チーム総合力じゃ、リカルド浦和レッズに一日の長がある。
でも、実際のグラウンド上の闘いになったら、やっぱり、選手個々の「意識と意志とイメージングの内実」がモノを言うんだ。
例えば、ボール奪取プロセス(守備)だったら・・
まず何といっても、忠実で、ダイナミックなチェイス&チェックの「勢い」がモノを言う。
自分自身がボールを奪い返せなくても、次、その次の、チームメイト達のボール奪取アクションにつなげられれば、大いなる貢献をしたことになるんだ。
大事なのは、その「戦術&心理メカニズム」を、チーム全体で「共有」しているコト。
だからこそ・・
自分が奪い返せるとき「だけ」にチェイス&チェックを仕掛けるようなヤツは、チームの、全体モラルを減退させる元凶になる。
そう、そんな「意識と意志とイメージングの内実」という視点で、この日のベルマーレには、少なからずのアドバンテージがあったと思うわけさ。
そして、それが・・
ゴール機会の量と質という視点で、ベルマーレの方が、明確に上回っていたという「結果」のバックボーンにあったと思うんだよ。
ハナシは、ガラリと変わるけれど・・
イレギュラーするボールを足であつかうことで、不確実なファクターがテンコ盛りのサッカー・・
それは、究極の「心理スポーツ」とも言えるよね。
わたしは、「セルフモティベーション能力」って呼ぶけれど・・
そう、攻守にわたる、優れた、主体性プレー・・
結局は、選手個々のインテリジェンスも含む、優れた「意識と意志」に裏打ちされた、前向きの(!!!)パーソナリティーこそが、決定的ファクターになると思うわけさ。
それらは、わたしが言ったわけじゃなく、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーとか、故リヌス・ミケルスといった、世界サッカーのレジェンドに(個人的に!)教え込まれたモノなんだ。
彼らが言う。
・・そんな、魅力的なボールゲームは、他にはないだろ・・
・・だからこそ、サッカーは、世界ナンバーワンスポーツなんだよ・・
そうそう・・
それに準じて、わたしは、こんなコンセプトも、考え出した。
だからこそサッカーは、人類史上、最高パワーを秘めた「異文化接点」だってね。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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