湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第33節(2022年10月29日、土曜日)
- レッズは、復調ベクトルに乗ったかと思ったのに・・まあ結局は、選手たちの意識と意志とイメージングの内実がキモっちゅうことだね・・(マリノスvsレッズ、4-1)
- レビュー
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- 読者の皆さんは、試合中に起きた、レッズの攻守ダイナミズムの「差異」を、感じられただろうか・・
そう、選手交代の、前と後の「サッカー内容の差異」。
小泉佳穂と明本考浩がグラウンドに立ってからというもの、リカルド浦和レッズのサッカーの「ダイナミズム」が、明確にアップしたんだよ。
ボール奪取プロセス(守備)では・・
ボールがないところも含めた、相手への「寄せ」の勢いが、周りの主体性アクションと、とても効果的にシンクロしつづけるようになった。
そう、協力プレスへの(選手たちの!)集散が、殊の外うまくリンクするようになったんだ。
そして、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも・・
人とボールの動きに、素早く広いといった確固たる「リズム」がもどってきた。
そして、チームとしてのリカルド浦和レッズは・・
前節コラムで書いた「復調ベクトル」を思いだしたかのように、美しい質実剛健サッカーを取り戻していったんだ。
まあ、その良いリズムを取り戻すまでに失点を積み重ねてしまったから、結果は、かなり厳しいモノになってしまったけれど・・さ。
それでも、その結果とは別に・・
良いリズムの「トータルフットボール」を志向するベクトルに、再び乗れたことは大きい。
いまのリカルド浦和レッズだけれど・・
やっぱり・・
一人の例外もない、全力での攻守ハードワークとリスクチャレンジにあふれる、主体性プレーというコンセプトこそ、チームに深く浸透させなきゃいけないと思うんだよ。
そこでのキーワードは、やっぱり、守備での「寄せ」と、攻撃での人とボールの動きの「リズム」。
とにかく、ボール奪取プロセス(守備)での、前線からのチェイス&チェックやカバーリングが、うまく機能していなければ、決して、良いリズムで(有機的な連鎖!)ボールを奪い返せない。
もっと言えば・・
そんな守備ハードワークを、「後方」のチームメイトたちが、しっかりと「体感」し、次のハードワークのモティベーションにできることこそが・・
互いのアクションを、有機的にリンクすることの絶対(唯一の!)バックボーンだって、言える。
テーマは、攻守にわたる、ボールがないところでの動きの量と質。
その充実こそが、来年2月に行われる、ACL決勝での栄光を掴むための条件だと思うわけさ。
とにかく、主体的な(!!)、全力での攻守ハードワークを充実させることこそが、大事。
わたしは、ドイツ留学において、そんな根源メカニズムを、学んだ。
このテーマについては、「The Core Column」で数日前にアップした「このコラム」もご参照アレ。
タイトルは、「才能という諸刃の剣」。
そう、才能ある選手たちに、全力で(!!)、攻守ハードワークという「仕事」を、探しまくらせられるかどうかが、良いコーチ(ストロングハンド)になるための試金石なんだよ。
とにかく・・
来年2月の、ACL決勝へ向けて、ホンモノの「良いチーム」を創りあげて欲しい。
ガンバレ〜、リカルド〜〜・・
あっと、最後に、優勝争い。
フロンターレ対ヴィッセル後半39分、鬼木達フロンターレが獲得したPKを、「あの」超天才、家長昭博が、ズバッと決めた。
そして、この日、マリノスはリーグ優勝を決められなかった。
いいね〜、エキサイティングな優勝争いが、来週までつづく。
あっと・・
「前述コラム」では、中村俊輔を、「諸刃の剣」の「ネガティブファクター」をクリアした素晴らしいエグザンプルとして挙げたけれど・・
考えてみたら、家長昭博「も」また、その称号に相応しい選手だよね。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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