湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第27節(2024年8月16日、金曜日)

 

コンサドーレは、この試合でも、イージーな(印象が残る!!)失点を喰らった・・でも彼らは、この試合では、しっかりとリカバーした・・そのコトにこそ、重要な意義が込められていた・・(コンサドーレvs鳥栖、5-3)

 

レビュー
 
さて、「これ」で、このゲームの「構図」は決まったな・・

そう、ミハイロ札幌コンサドーレが、前半の16分までに、3ゴールもブチ込んじゃったんだ。

わたしは、そんな経緯を観ながら・・

「そこから」の、コンサドーレ選手たちの、「意識と意志ポテンシャル」をベースにした、主体性プレーの内実をテーマに、ゲームを追いかけようと思っていたんだ。

そこでは、こんなコトにも思いをめぐらせた。

・・コンサドーレ選手たちの危機感は、やっぱり、限界レベルに達している・・

そりゃ、そうだ。

大きなポイント差で、単独最下位に沈んでいるわけだから・・

わたしは、いつも書いているように・・

コンサドーレの場合は、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)ではなく、ボール奪取プロセス(守備)に課題があるって思っている。

それについては、前節コラムを、ご参照あれ。

そう、もっとも大事なゴール前での、マーキング&カバーリング、そして最終勝負(局面デュエル)が、甘いんだよ。

ご存じのように、わたしは、そこでの、もっとも重要なファクターを、「最後の半歩というファクター」なんて表現することにしている。

それは、主に・・

これもよく使うフレーズだけれど、次の相手の仕掛けを「予想」する(読む)というコトも含めた、最終勝負に対する「イメージング」を意味する。

前節では、それが、微妙にパッシブ(受け身)になっているという「課題」を、書いたわけだ。

だから、危機的状況なのに、イージーに、フリーな相手を創ってしまい、案の定「そこ」でやられてしまうシーンが目立ってしまっていた。

また、相手の仕掛けを受けるとき・・

フリーなパスレシーバーだけじゃなく、そこへのパスを阻止するアクションにも、課題が山積。

前節コラムじゃ、それに対する不満を、書いたわけだ。

でも、このゲームでは、前半16分までに、大きな「余裕」を獲得したことで・・

様々な意味を内包する、「意識と意志ポテンシャル!」が「落ち着き過ぎて」しまうような「3-0」というリードを奪ってからの展開を・・

「主体性プレー姿勢」をテーマに、観察しようと思ったわけだ。

そして、その後は、かなり満足しながら、観戦をつづけるコトが出来ていたんだ。

三点のリードだからね・・

鳥栖は、なりふり構わずに攻め上がってくる。

でも、ミハイロ札幌コンサドーレは・・

決して、押し込まれることなく、イニシアチブを握り直しながら、しっかりと、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を魅せつづけ、何度も、ゴール機会まで創りだすんだ。

そんな「立派」なミハイロ札幌コンサドーレに、「よしっ・・強さが戻ってきた」なんて感じたモノさ。

でも・・

そう、後半・・

最初の追いかけゴールは、「大外」にいた福田晃斗が、まったくフリーでシュートを決めた。

その3分後には、久保藤次郎にヘディングで競り負け、「1点差」に詰め寄られるゴールを決められてしまう。

この二つの失点に対する評価は、前節コラムで書いたモノとは、少しニュアンスは違う。

それでも、その二つのゴールを、あまりにも「イージー」に奪われてしまったという印象は残る。

そして・・

そう、その「印象」こそが、大問題なんだ。

たぶん選手たちは、ここまでのリーグ戦で、そんな、イージーな失点による敗勢といった「ネガティブな印象」を、積み重ねてきたに違いない。

その「イージーな敗戦」という、とてもネガティブな「印象」が、問題の核心なんだ。

そして・・

そんな「ネガティブ印象」が、深層心理にあるために・・

一度、変な失点をしてしまうと、それまでの良いサッカーが、急に、底が抜けたように、ガタガタになってしまう。

これまでは、そんなコトの繰り返しだった・・というイメージがあるんだ。

でも、このゲームでは・・

そんな「ネガティブ印象」が、彼らのイメージのなかで「増幅」されることはなかった。

ホントに、よかった・・

彼らは、その失点の後も、しっかりと、積極的&攻撃的にボールを奪い返しにいき、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)にも、果敢にチャレンジしていったんだ。

そして、結果までも、掴み取った。

粘りに粘った(勇気ある)闘いをブチかますなかで、奪い取った、勝ち点3・・

その意義は、ものすごく大きい・・と、思う。

願わくば・・

今日の勝負マッチで、勝ちとった自信と確信レベルを、もっともっと、進化&深化させて欲しい。

でも・・

そう、「あの」新戦力、バカヨコとか、ジョルディ・サンチェスは、使い物にならないよ。

まあ、ジョルディ・サンチェスは、少なくとも、「闘う意志」は魅せていたけれど・・

バカヨコは、背が高い「だけ」の選手ってなイメージしか残らなかった。

とにかく、ボールがないところでの「意志」が、まったく見えない。

この選手を、ミハイロの「サッカーコンセプト」で有効活用できるとは、ホント、まったく思えない。

ここから、ミハイロ札幌コンサドーレにとっての「ホンモノの勝負」がつづく。

だからこそ、チームの「モラル」をブチ壊すような、「変なコト」は、やってはいけない。

とにかく・・

ガンバレ〜、ミハイロ札幌コンサドーレ〜〜ッ!!!

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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