湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第31節(2024年9月22日、日曜日)

 

ミヒャエル広島サンフレッチェ・・攻守にわたる積極的&攻撃的な「主体性プレー」に支えられた、美しい質実剛健サッカーが、光り輝いた・・(サンフレッチェvsマリノス、6-2)

 

レビュー
 
それにしても、トルガイ・アルスラン。

攻守にわたる「実効レベル」は、まさにインターナショナルだった。

このドイツ人については、これから、「トルガイ」って呼ぶことにしよう。

もう一人の新加入外国人プレイヤー、ポルトガル人ゴンサロ・パシエンシア。

これから、パシエンシアって呼ぶことにしますが、彼も、それなりの存在感は、魅せた。

また、彼ら以外にも、後半ロスタイム47分に、CKから、スーパーヘッドを決めた、キプロス人ピエロス・ソティリウもいる。

どんどん、外国人プレイヤーが充実してきている、ミヒャエル広島サンフレッチェということか。

あっと、前述のトルガイとパシエンシアについては、先日のACL2コラムでも書いたっけ。

ところで、相手の、ジョン・ハッチンソン横浜マリノス・・

彼らは、ハッチンソンによって「解放」され(!?)、攻守にわたって、優れた主体性プレーを展開する、強いチームへと進化&深化をつづけている。

そう、そんな強い相手だからこそ、ミヒャエル広島サンフレッチェの「充実ぶり」を、より肌身に「感じる」コトができたんだよ。

まあ、たしかに・・

パシエンシアについては、最前線からのチェイス&チェック(寄せ≒チームワーク)という視点で、課題が、山積みだとは感じたけれど・・

実際、後半に、パシエンシアと新井直人が交替してからは・・

ミヒャエル広島サンフレッチェのサッカーが、攻守にわたる組織プレーの「熱量」という視点で、明らかに改善した。

フム〜〜・・

それにしても・・

ミヒャエル広島サンフレッチェが魅せたサッカーは・・

選手たちの「意識と意志ポテンシャル」が、ポジティブに連鎖反応をつづけるような、軽快そのものだった。

まさに、美しい質実剛健サッカー・・

とにかく、攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれるダイナミズムは、素晴らしいの一言。

そのコア要素だったのが、言うもでもないけれど、優れた、ボール奪取プロセス(守備)の実効レベルだったっちゅうわけだ。

とにかく、誰もサボらない。

そう、全員が、次、その次の「仕事」を、積極的&攻撃的、そして主体的に(!!!)探しまくるんだよ。

わたしは、主体性プレーと呼ぶけれど・・

とにかく、これだけ、一人の例外もなく、全力で、仕事(≒攻守ハードワークとリスクチャレンジ)を探しつづけるチームを創りあげた、監督のミヒャエル・スキッベには、称賛と拍手しかない。

Danke Michael für Japanische Fußball…!!!

とにかく、「それ」があるからこそ・・

積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(守備)を、高効率で、機能させつづけられる。

また・・

後半になって、トルガイと交替した、「あの」スーパー組織プレイヤー満田誠。

もちろん、攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれる、素晴らしい主体性プレーを魅せる。

その、満田誠だけれど・・

スリーバックだからこそ、攻守にわたる効果レベルが「倍増」した感のある、サイドゾーンで、目立ちに目立ちまくるんだよ。

特に、東俊希が、ダイレクトでブチ込んだ5点目シーン。

右サイドバック(ウイングバック)に入った、新井直人。

ボールを奪った彼は、その右サイドのタテの決定的スペースへ走り込んだ満田誠へ・・

素晴らしくクリエイティブな、浮き球のタテパスを、送り込むんだ。

そして満田誠は・・

その右サイドの決定的スペースで、タメにタメてから、逆サイドのファーポストスペースへ走り込んだ、東俊希へ、まさに「量ったような」決定的サイドチェンジ・クロスを送り込むんだよ、

もちろん、東俊希の左足が、ダイレクトで振り抜かれたコトは言うまでもない。

ここで特筆だったのが・・

このゴールに絡んだのが、右サイドのウイングバック新井直人、そしてシュートを決めたのが、左サイドのウイングバック、東俊希だったという事実。

サンフレッチェは、スリーバックの、一つの「利点」である、サイドゾーンの効果的な活用を、これ以上ないカタチで、デモンストレーションしたんだ。

要は、サンフレッチェが、サイドゾーンでの、タテのポジションチェンジを、とても効果的に、活用しまくっていたっちゅうコトね。

イイネ〜・・

ということで、この結果、ミヒャエル広島サンフレッチェが、再び、リーグトップに躍り出ただけじゃなく、「あの強い」ヴィッセルも、勝ち点1の差で、3位につけた。

面白くなってきたね〜・・

あっと、次節では、リーグトップのミヒャエル広島サンフレッチェが、「超絶の徹底(戦術)サッカー」を迎え撃つんだっけ。

いまから、楽しみだね・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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