湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第31節(2025年9月23日、火曜日)
僅差ではあったけれど、ミヒャエル広島サンフレッチェが、総合的なチカラの差を感じさせたと思う・・だから彼らにとっては、このドローは悔しさの方が強かっただろうね・・(レイソルvsサンフレッチェ、0-0)
フム〜〜・・
たしかに、チーム総合力では、ミヒャエル広島サンフレッチェに、一日の長あり。
とはいっても・・
そう、リカルド柏レイソルだって、立派な、主体性サッカーを魅せた。
ただ・・
そう、勝負を決める「ゴール機会」という視点では、ミヒャエル広島サンフレッチェが、アドバンテージを積み重ねていたと思う。
だから・・
そう、ミヒャエル広島サンフレッチェにとっては、とても悔しいドローということなんだろうね。
その「僅差のバックボーン」・・
もちろん、強い両チームだから、何か一つのファクターに集約できるはずがない。
両チームともに、攻守トータルで、選手一人ひとりが、攻守ハードワークを、積極的&攻撃的に探しまくっていたんだ。
でも、そんなガップリ四つのゲーム展開のなかでも、やっぱり、ミヒャエル広島サンフレッチェが、小さなトコロで、アドバンテージを感じさせた。
ボール奪取プロセス(守備)では、何といっても、チェイス&チェック(寄せ)の内実。
・・というか、忠実でダイナミック、そして主体的な「意志のチカラ」と表現した方が、シックリくる。
不確実なファクターが満載のサッカーだから、最後は、一人ひとりの「意志のチカラ」こそが、モノを言うんだよ。
そう、フィジカル、テクニック、タクティクスでは、互角でも・・
そんなファクターに、決定的な「命」を与えるのが、サイコロジカルっちゅうわけだ。
微妙だけれど・・
もちろん、リカルド柏レイソル選手だって、ものすごい集中力で、主体的に、攻守の「仕事」を探しまくっていた。
でも、やっぱり、グラウンドのそこここで展開される局面デュエルにおいて、半歩分だけ、サンフレッチェが上回っていたって感じられたわけサ。
それが、ゴール機会の量と質という視点で、明確な差となって、グラウンド上に現れた。
難しいネ・・
そんな「小さなトコロの差」を、万人が納得できるほどシンプルに表現するのは簡単じゃない。
まあ・・
・・ボールを、どんな状態で奪い返せているのか、とか・・
・・ボール奪取からの、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)において・・
・・どのくらいの人数をかけ、しっかりとスペースを突いていけているのか(選手たちのリスクチャレンジ姿勢などネ)・・
・・もちろん、攻守の切り替え(トランジション)の内実も、とても大事・・
・・ボール奪取プロセス(守備)での、イメージングの共有(協力プレスの)状態や・・
・・スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での、ボールがないところでのアクションの量と質・・
そんな、小さなトコロの「僅差」が、ゴール機会の量と質の「差」となって、グラウンド上に現れた!?
まあ、そういうコトなんだろうね。
ということで・・
ミヒャエル広島サンフレッチェは、先週のアウェーACLE戦でも書いたけれど、とにかく、立派なサッカーを魅せている。
リーグの残りは、7ゲーム。
わたしは、ミヒャエル広島サンフレッチェにも、大いなるチャンスがあると思っている。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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