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2008_北京オリンピック_その5・・日本の組織サッカーを世界へアピールしてくれた「なでしこ」に乾杯!・・(中国vs日本、0-2)・・(2008年8月15日、金曜日)

思わず、今年2月の東アジア選手権での「中国戦レポート」を読み直してしまいました。まさに、その試合を彷彿させる完勝。ホントに中国は手も足も出なかった。そんなゲーム展開を予想はしていたけれど、実際に目の当たりにしてみると・・。

 涼しく、湿度も低い気候でのゲーム。そのことも、東アジア選手権の中国戦で「なでしこ」が魅せた「連動サッカー」の再現を後押ししたんだろうネ。そのコラムで何度も使った表現が、攻守にわたって、それぞれのプレーが「有機的に連鎖しつづける」連動サッカーというキーワードだった。

 もちろん、その「連動」の絶対的なベースが、有機的に連鎖しつづける協力プレスディフェンスにあることは言うまでもありません。忠実なチェイス&チェック(次のパスレシーバーへの全力の寄せ!)から、クレバーなマーキング(ポジショニング)を基盤にした効果的インターセプトやボール奪取勝負。そんなダイナミックな「連動守備」の勢いは、最後の最後まで衰えることはなかった。本当に脱帽です。

 これで、準決勝は、アメリカとの再戦ということになった。その予選リーグでのアメリカ戦について、前回のノルウェー戦レポートに挿入するカタチで、こんなことを書いた。

 ・・たしかに全力の汗かきマインドは回復したけれど、ノルウェーとの予選リーグ初戦を落としたアメリカが必死だったこともあって、結局は「実力的な惜敗」ということになってしまった・・そのアメリカ戦では、シュートに至る最終勝負シーンでの「フィジカル能力の差」も体感させられた・・

 ・・いくら中盤で展開する組織プレー(人とボールの活発な動き)の質が高くても、やはり、トラップしてからシュートへ持ち込んでいくシーンなど、極限のフィジカル&テクニックが要求される「個のチカラによる最終勝負」を成就させることは簡単じゃない・・それこそが「フィジカル要素が先行する」いまの女子サッカーの現実であり、そのことを思い知らされていた・・

 そして、そんなパワー(フィジカル)に対抗するためには、ノルウェー戦の前半31分に近賀が挙げた同点ゴールのイメージを徹底的にチームに浸透させなければならないとも書いた。そう、局面での器用なテクニックと瞬間的なスピードを駆使してスペースへ抜け出し、相手の誰とも接触することなくラストパス(ラストクロス)を通すことで、相手の誰とも接触することなくダイレクトシュートを決める・・

 この中国戦で「なでしこ」が魅せた、見事な、本当に見事な「連動サッカー」を見ながら、これならば、アメリカが相手でも、いい勝負を挑んでいけるかもしれない・・なんて思いはじめていた。

 その大前提は、とにかく相手よりも多く動き、攻守にわたって、出来る限り多く「数的に優位なカタチ」を作りつづけること。それによって、組織的な「連動サッカー」を、よりダイナミックに機能させられるはずだし、うまく自分たちのサッカーを展開できないアメリカの焦燥感をつのらせることができるはず。

 フィジカル要素が先行している今の女子サッカーだからこそ、動き回り、数的に優位なカタチを作りつづけることで、フィジカル的なディスアドバンテージ(不利)を、「器用なスキル」や「すばしこさ」をバックボーンにした「素早いコンビネーションの積み重ね」で十二分に補完できるはずだと確信する筆者なのです。

 今日の中国戦を観ながら、次のアメリカとの準決勝でも、そんな爽快なゲームが展開されることに対する確信がどんどん深まっていったのですよ。勝負だけではなく、学習機会としてのゲーム内容(展開)に対する興味でも、こんなにワクワクさせられるゲームを観るのは本当に久しぶりじゃありませんか。

 とにかく、日本のハイレベルな組織サッカーを世界へアピールしてくれた「なでしこ」に乾杯!

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 ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。

 基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。

 




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