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2014_アジア大会(その5)・・さて、頂点マッチ(決勝)までたどり着いた・・いまから楽しみで仕方ありません・・(なでしこvsベトナム、3-0)・・(2014年9月29日、月曜日)

たしかにベトナムもチカラを付けている。

その進歩のバックボーンは、言うまでもなく、攻守にわたる、組織的な「連動サッカー」。

アジアでは、北朝鮮、韓国、中国、そしてオーストラリアが「なでしこ」の具体的ライバルだけれど、ベトナムも含め、彼女たちも、現役の世界チャンピオンが、(2011年)ドイツ女子W杯で展開した、スーパーな組織サッカーの「イメージ」を踏襲していると思う。

まあ、彼女たちは、口が裂けても「踏襲した・・」なんてことは言わないだろうけど、少なくとも、「なでしこ」の素晴らしいサッカーを「部分的に参考にした・・」と思いますよ。

やはり、サッカーの進化の歴史は、組織プレーの量と質に掛かっているんだよ。

「昔」の、個のチカラがチーム戦術で優先されるサッカーから、組織サッカーへ。

そして次にコーチたちは、その「組織サッカー」に、いかに上手く「個人勝負プレー」をミックスしていくのかというテーマと取り組むことになる。

そして、全てのチームが組織サッカーに「長けて」きたら、最後は、「ほんの小さな組織プレー」の量と質、そして個の勝負プレーの優劣で勝負が決まるわけだ。

繰り返しになるけれど、組織サッカーを絶対的なベースに、いかに「美しく」個人勝負プレーを効果的にミックスしていくのか・・というのが現代のトップサッカーでの根源テーマなんだよ。

その意味で、我らが「なでしこ」が、世界チャンピオンに輝いた(2011年)ドイツ女子W杯において、人とボールが、素早くスムーズに、そして大きく動き つづける(!)パスゲームこそがサッカーの基本であることを、世界中にデモンストレートしてくれたことを誇りに思っていた。

そして、アジアのライバル国は言うまでもなく、世界中が、そんな「サッカーの絶対的ベース」を再認識し、それを研ぎ澄ますなかに「個の勝負プレー」をインテグレート(効果的に組み込んでいくという!?)作業に取り組みはじめたのである。

このテーマについては、当HPでの新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照して下さい。

たしかに「なでしこ」も、しっかりと個のチカラを発展させてはいる。でも・・

そう、この「組織と個がハイレベルに融合したサッカー」という視点じゃ、やはり、アジアのライバル国だけじゃなく、ドイツやアメリカ、フランスやブラジルといった世界の強豪国の方に、若干のアドバンテージがあると思うんだよ。

もちろん、大儀見優季とか、川澄奈穂美、高瀬愛実といった、「個」でも、相手守備を突き破っていけるような「個のチカラ」も発展してはいるけれど・・ネ。

とにかく、だからこそ「なでしこ」は、(しつこくてゴメン!)前述の「Core コラム」でも書いたように、まず、「究極」の組織コンビネーションを志向しなけれならないと思うのですよ。

「サムライブルー」でもそうだけれど、「まず」組織コンビネーションで、相手ディフェンスブロックのウラにある決定的スペースを攻略し、それをベースに、 相手守備と「1対1」になるような局面を作り出せれば、個の(ドリブル)勝負だって、より効果的に繰り出していけるでしょ。

要は、パスレシーバーが、ランニング(パスレシーブの動き)のスピードを落とすことなく、ある程度フリーでタイミング良いパスを受けられれば、そのまま、ドリブル勝負で、相手守備をブッちぎっていけるはず・・というコトだよね。

まあ、「なでしこ」の場合は、(しつこくてゴメン!)前述の「Core コラム」でも書いた、「これしかないという強み」を意識した方が、より実効レベルの高いサッカーになると思うわけです。

聞くところによると、キャプテンの宮間あやが、こんなニュアンスの内容をコメントしたとか・・。

・・たくさんゴールは入れたけれど、我々らしいゴールは、まだ数えるほどしかない・・

たぶん彼女は、組織コンビネーションで相手ディフェンスブロックを振り回し、最後は、完璧フリーで決定的スペースへ入り込んでいく「3人目」や「4人目」のフリーランナーが、完璧フリーでシュートをブチ込む・・っちゅうゴールのことを言っているんだと思うよ。

決勝の相手は、韓国か北朝鮮。どちらも強敵だけれど、相手にとって不足なし・・じゃありませんか。いまから、決勝が楽しみで仕方ありませんよ。

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ところで、ブラジルW杯に、後藤健生さんと「スカイプ」を通して繰り返したディスカッションをまとめた、ライブ感あふれる「ナマ対談本」が出来上がりました。

その新刊については、「こちら」をご参照ください。ではまた・・


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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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