トピックス


2022_WM_2・・グループリーグ(A組とB組)・・(2022年11月21日&22日、月曜日&火曜日)

■グループB(イングランドvsイラン、6-2)

いいね〜、自分たちの強みを積極的に押し出す、イングランド。

それにしても・・

どうしてイランは、守備ブロックを固め「過ぎ」るカタチゲームに入っていったんだろうか。

イラン監督のカルロス・ケイロスの「見立て」に狂いが生じた!?

まあ、そう責められても、仕方ないゲーム展開になってしまった。

カルロス・ケイロスは、イングランドのチカラを、高く評価し過ぎた(!?)ことで、ブロック守備のイメージを強調し過ぎたということなんだろうね。

イランは、チカラがあるのだから、リトリートするような(過ぎたる!?)ブロック守備ではなく、もっと、もっと積極的にボールを奪い返しにいってもよかった・・と、思う。

そうすれば、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、もっと「勢い」をアップさせられたに違いない。

とにかく彼らは、後方で守備ブロックを組むことを、過剰に意識してしまったんだよ。

そんな受け身のボール奪取プロセス(守備)イメージングだったから・・

イングランドに、イニシアチブを握られただけじゃなく、シンプルなボールの動きで、何度もサイドゾーンを攻略され、イージーに、クロスを入れられつづけたんだ。

それにしても、イングランドは、ヘディングが強い。

というよりも、イングランドは、サイドから仕掛けていくイメージングが、徹底しているんだ。

だから、「ここぞっ!」の、サイドからの仕掛けシチュエーションでは、例外なく、「エイヤッ!!」強烈意志をもって、タテへの最終勝負をブチかましていった。

そんなゲーム展開だったから、イングランドが、前半で、3点もの大量リードを奪っちゃったのも当然の成り行きだった。

対するイラン・・

ゲーム戦術が、前述したようにブロック守備を強調されていたことで、イングランドからボールを奪い返しても、次の仕掛けに勢い(人数)が乗っていかない。

ゲームの途中から、ゲーム戦術イメージングを、ガラリと変えることほど、難しい作業はない。

だからこそ・・

基本的に「自由にプレーせざるを得ない」サッカーでは、攻守にわたって積極的にプレーするコトこそが、大事なんだ。

そう、究極の「主体性プレー」を志向してね。

逆に、ブロック守備を徹底させたら(カタチにこだわり過ぎたら!?)、選手の自由意志は、自然と抑制されちゃうよね。

だから、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での勢いもアップさせられない。

そしてイランは、心理的な悪魔のサイクルに陥ってしまった。

アジアを代表する実力チームのイランだから、こんなジリ貧の結果になったことが、残念で仕方ありませんでした。

■グループA(セネガルvsオランダ、0-2)

フムフム・・

オランダは、伝統を感じさせる、素晴らしい「勝負師」ぶりを発揮した。

立ち上がりの時間帯。

たしかに、アフリカチャンピオンのセネガルが、ハイレベルに「組織と個」がバランスした高質サッカーで、試合の主導権をにぎった。

でも、そのなかで、一瞬・・

そう、前半5分・・

オランダが、とてもシンプルな展開から、「ゴール機会」を創りだしちゃうんだ。

それが、冒頭の「フムフム」に込められたニュアンスだった。

そして、そんなオランダの勝負師マインド(勝負強さ!?)を引っ張るのは、言わずと知れた「勝負師」ファン・アールっちゅうわけだ。

ということで・・

この、ゴール機会(決定的チャンス)というのが、キーワードだね。

そう・・

攻めているとはいえ、なかなか、決定的スペースを攻略できないセネガルに対して・・

オランダは、「ココゾッ!!」の、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)をブチかますんだよ。

あっと、セネガル・・

2002日韓ワールドカップの前年にフランス、ランスで行われた親善マッチの内実・・

また、当時監督で、強いセネガルを創りあげた、故ブルーノ・メツへの(東京でおこなった)インタビュー・・

それらを通して、セネガルが、アフリカサッカーの、「組織マインドへの潮流」をリードしているって感じたモノさ。

何せ、それまでのアフリカは、パワーやスピードなど「個のチカラに頼り切る」ってな「一面的」サッカーに終始していたわけだから・・さ。

そこに、ホンモノの「組織マインド」を感じさせてくれるサッカーが登場したっちゅうわけだ。

そして、そんな高質サッカーへのベクトルが、脈々と受け継がれていた・・

今回のセネガルからは、その「歴史的なプロセス」を、思い起こさせてもらったわけさ。

すこし、うれしかった。

でも・・

そう、ハイレベルな戦術イメージング(組織)を基盤に、パワーとスピード(個)を駆使するセネガルの高質サッカーにも、オランダは、まったく怯(ひる)むことがなかった。

そして徐々に、ハイレベルな「勝負師ぶり」をブチかましはじめるんだ。

そこで、オランダがペースを奪い返した絶対ベースだけれど・・

やっぱり、ボール奪取プロセス(守備)の質だよね。

オランダは、最終勝負の「ツボ」をしっかりと掌握している。

換言したら、「危ないシチュエーション」について、その「匂い」を嗅ぎ取る「感性」がハイレベルだっちゅう表現に落ち着くかな。

そう、ボールがないところでの守備アクションの量と質。

そして、結果を追い求める「勝負師マインド」の絶対ベースである、素晴らしい忍耐力。

それが、勝利を呼び込んだ・・!?

まあ、そういうことだね。


■グループB(アメリカvsウェールズ、1-1)

このゲームでは・・

やっぱり後半の「変化テンコ盛りの内容」に注目しなきゃいけない。

まず・・

一点を追うウェールズの、ボール奪取プロセス(守備)の勢いがアップしたことで、(前半とは逆に!?)今度は、彼らがイニシアチブを牛耳りはじめる。

そう、ボール奪取プロセス(守備)こそが、「全て・・」っちゅうテーマね。

そしてゲームに、俄然、火がはいっていく。

そのなかで、ウェールズが、得意のヘディング攻撃で、ゴール機会を創りだす。

もちろん、そのピンチは、アメリカにとっても、ものすごい「刺激」。

・・あっ、ヤバイッ!!・・

・・この流れだったら、いつかは、やられちゃう・・

そんなネガティブ刺激によって、アメリカが、ある意味で「覚醒」するんだよ。

そして・・

前からプレスも含めたボール奪取プロセス(守備)の勢いが、急にアップしていくんだ。

もちろん、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)にも、アクセントがついていく。

アクセント!?・・

ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションでも、個のドリブル勝負でも、変に「斜に構えた姿勢」じゃなく、ものすごい「粘りマインド」を前面に押し出しはじめたんだ。

サッカーは究極の「心理ゲーム」・・

そのコンセプトを地でいくゲーム展開の、微妙な(そして大幅な!)変化ではあった。

そしてまたまた、ゲームに、俄然、火が入っていく。

両チームの、中盤でのせめぎ合い(活発なボール奪取プロセスの応酬!)のダイナミズムが、見るからにアップしていったんだよ。

でも、そんな活発な「イーブン展開」のなかで、ガレス・ベイルのPKが、決まってしまうんだ。

さて〜〜・・

そう、そこからの残り10分強(ロスタイムも入れて、ほぼ20分)は、まさに、究極のエキサイティング勝負マッチという様相を呈していくんだよ。

そして、だからこそ・・

アメリカの実力が、とても高いという事実を(前半の印象とともに!?)再認識させられた筆者だったのであ〜る。

そう、次のワールドカップホスト国でもある(カナダ、メキシコとの共催)アメリカが、リキを入れて強化していることを、体感させられたんだ。

そして、だからこそ・・

そう、その強いアメリカを、さまざまな意味合いで「上まわった」森保一ジャパンに対して、頼もしさを感じたんだ。

コラム骨子から外れた、チト「オフサイド」の内容を挿入しちゃったけれど、そこは、ソレ、ワールドカップだからさ、ご容赦あれ。

ということで、エキサイティング勝負マッチを、心から堪能していた筆者だったのであ〜る。

へへっ・・


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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